スーザン・ボイルさんを始めとするスターを輩出してきた公開オーディション番組「ゴット・タレント」(番組についての紹介記事はこちら)。先日、審査員が1シーズンに1回使用できる“ゴールデン・ブザー”が押されました。スターへの切符を掴んだその人は、私たちも何度も聞いたことのある“声”の持ち主でした。

声は知っているが、顔は知らない?歌手ローレン・オルレッドの正体

「みなさんは私の声を聞いたことがあるけれど、私の顔を知らないと思います」。そうステージで語り始めたのは、出場者である歌手のローレン・オルレッドさん。実は彼女は、ミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』で登場する歌姫ジェニー・リンドの歌を担当していたのです。

主人公バーナムが成功を掴んだサーカスと家族を置いてツアーに出てしまうほど、心惹かれた存在ジェニー・リンド。完璧な歌姫像を表現するため、レベッカ・ファーガソンさんがジェニー・リンドを演じ、歌部分のみローレン・オルレッドさんの歌が使用されました。つまり、私たちが何度も見たジェニー・リンドの姿はレベッカ・ファーガソンさん、歌声はローレン・オルレッドさんだったのです。

「Never Enough」で再び掴み取った夢

もちろん、「ゴット・タレント」で歌ったのはジェニー・リンドの楽曲「Never Enough」。数多のスポットライトの光を浴びても、夜の空から星を盗んだとしても、あなたなしでは満足できない。ジェニー・リンドとバーナムが持つ高い野心、欲しいものを手にしようとする切実さが詰まった楽曲に、ローレン・オルレッドさん自身の“声だけでなく顔も知ってもらいたい”という想いがのり、圧巻のパフォーマンスに。会場は拍手喝采、感動の渦に包まれました。

辛口審査員で知られるサイモン・コーウェルさんも感嘆が隠せず、歌唱後すぐにスタンディングオベーション。そして審査員のアマンダ・ホールデンさんが、ゴールデンブザーを力強く押しました。もちろん「Never Enough」は映画公開当初より高く評価されていましたが、歌い主の顔まで知っている人は少なかったでしょう。孤独を抱えながら歌姫へと駆け上がったジェニー・リンドのように、ローレン・オルレッドさんも「Never Enough」で夢を掴み取りました。

Yurika

公式YouTube動画ではゴールデンのテープが舞う中、『グレイテスト・ショーマン』の楽曲「A Million Dreams」が流れます。夢を持ち続けることで、私たちは新たな世界を掴むことができる。そのメッセージをまさに体現している姿にグッときました。