ミュージカル『EDGES』が今年上演されるなど、日本でもその存在が知られてきている1曲1話完結型の作品、ソングサイクル・ミュージカル。(屋良朝幸×植木豪の振付に注目!自由な発想で挑む “ソング・サイクルミュージカル”『EDGES-エッジズ-2022』ゲネプロリポートはこちら)ミュージカル俳優・西川大貴さんが企画する新作ソングサイクル・ミュージカル『雨が止まない世界なら』のコンセプトアルバムが発売されることが発表されました。
西川大貴が“降り止まない雨”をテーマに、豪華キャスト21名とおくるソングサイクル・ミュージカル
ミュージカル『雨が止まない世界なら』の作詞を手掛けるのは、ミュージカル『アニー』でデビューし、『レ・ミゼラブル』や『ゴースト』などに出演されている西川大貴さん。2020年にはYouTube《クロネコチャンネル》を立ち上げ、俳優同士の対談等、ミュージカルに関する企画を配信。2019年、ミュージカル『(愛おしき)ボクの時代』では脚本・演出を担当されました。
俳優・脚本・演出と多彩に活躍する西川さんは、2021年から、朗読やワークショップ公演など様々な形で『雨が止まない世界なら』という作品を発表しています。《クロネコチャンネル》では、ポエトリーリーディングの「雨が止まない世界なら」動画をUP。小此木麻里さん、内海啓貴さんや、森崎ウィンさん、熊谷彩春さんなど、豪華キャストが参加しています。リーディングなので曲はついていませんが、俳優さん達の語りで一つ一つのストーリーに引き込まれます。一話5分程で観ることができるのも良いですね。
『雨が止まない世界なら』はその名の通り、「雨がずっと止まなかったら?」という“降り止まない雨”をテーマに作られた20曲の短編集ミュージカルになっています。作曲を担当するのは、ジャズピアニスト・作曲家として活躍されている桑原あいさん。CDショップ大賞2019ジャズ賞を受賞した『To The End Of This World』や、Walt Disney Recordsから全編ディズニー楽曲のカバーアルバムを出すなど、全10枚のアルバムがリリースされています。
今回のコンセプトアルバムには、高い演技力と伸びやかな歌唱力が人気の海宝直人さん、作曲の桑原あいさんと高校の同級生だったという昆夏美さん、現在上演中の『千と千尋の神隠し』でリンを演じられている咲妃みゆさん、シンガーソングライターで「サーカスナイト」等で有名な七尾旅人さんなどが参加。
その他キャストには、伊藤広祥さん、 小此木麻里さん、清水彩花さん、鈴木壮麻さん、spiさん、田中秀哉さん、田村芽実さん、塚本直さん、土居裕子さん、豊原江理佳さん、内藤大希さん、畠中洋さん、松原凜子さん、山野靖博さん、吉沢梨絵さんとミュージカル界で活躍する面々。西川さんご自身も出演されています。語りには、7月上演予定の『BE MORE CHILL』への出演が決まっている内海啓貴さんを迎え、計21名の豪華キャストが集結しました。
舞台上演以外にも、作品が生まれる場づくりを
今回のコンセプトアルバム発売に関して西川さんは、コロナ禍でまだ劇場に足を運べない方がいること、俳優達が体感していることを歌で形に残したいと思ったそう。「舞台での本公演」という形での上演が“すべての完成形”ではなく、「その時々の形で作品を展開させていくミュージカルがあってもいいのではないか」との想いから、今回はCD制作という形での発表となりました。
実はブロードウェイなど、海外では朗読劇やコンセプトアルバムから作品が立ち上がっていくことも珍しくありません。ソング・サイクルミュージカルは、アメリカでは、作曲家の登竜門としてあるのだそう。いつか大きなミュージカルの種になるものをお客さんと共有するためのショーという位置付けで公演されています。今回の『雨が止まない世界なら』のように、これから日本でも、朗読・ワークショップ公演・コンセプトアルバムといった色々な形での作品の発表の仕方が増えていくと、よりミュージカル界が盛り上がっていくのではないでしょうか。
コンセプトアルバム『雨が止まない世界なら』の予約受付は本日6月1日から、発売日は6月30日(木)です。
ご予約の受付は公式サイトから。
豪華なキャストの面々にとてもテンションが上がりました。現在YouTubeで視聴できる朗読と、CDでの曲ではどのような変化が見られるのか楽しみです。