俳優の岸谷五朗さん、寺脇康文さんが1994年に共同で設立した演劇ユニット「地球ゴージャス」。同ユニットはいわゆる「劇団」ではなく、公演ごとに出演者を集める「プロデュース公演」のスタイルをとっています。そんな地球ゴージャスが2004年、2005年に上演し、12万人を動員した『クラウディア』が、音楽劇『クラウディア』としてキャストを一新。2022年7月に帰ってきます。

2つの国に分けられ、愛を禁じられた世界

舞台は、「根國」と「幹國」という2つの国しか存在しない世界。神親殿(カシンデン)という絶対的な神の掟によって「愛」を禁じられ、両国は戦いに明け暮れていました。しかしある時「2つの恋」が芽生えてしまい、やがて世界を揺るがす事態へと発展していきます。

出演は、大野拓朗さん、田村芽実さんなどの若手ミュージカル俳優や、数多くのミュージカル作品に出演する上山竜治さん、中河内雅貴さんほか多彩なメンバー。美弥るりかさんが演じる女戦士の織愛(オリエ)、湖月わたるさんが演じる神親殿以外の主要キャラクターはWキャストで組まれています。

「サザンオールスターズ」の名曲が鳴り響く「音楽劇」

地球ゴージャスの作品では、演目によってアーティスト書き下ろしの主題歌が起用されることがあります。『クラウディア』の主題歌は、桑田佳祐さんが舞台のために書き下ろした『FRIENDS』。さらに、劇中曲も全て桑田佳祐さんが手がけた楽曲で構成され、サザンオールスターズの楽曲も登場しています。「地球ゴージャス」公式YouTubeチャンネルでは、『FRIENDS』を含めた劇中歌を歌唱した制作発表を公開。

サザンオールスターズの代表曲の1つである『真夏の果実』を大野拓朗さん、甲斐翔真さん、田村芽実さん、門山葉子さんが歌唱した特別動画も公開されています。

また今回、「音楽劇」と題されていますが、この場合はセリフと芝居を主体にした演目のことを指しています。歌とダンスは演出効果を狙ったものが多く、芝居を見せるシーンと、歌・ダンスを見せるシーンがそれぞれ分かれているのが特徴です。

筆者は、2009年版の『星の大地に降る涙』を観劇したことがあります。歌唱シーンでは、華やかさや豪勢な雰囲気、またシーンによっては重厚な雰囲気を感じました。芝居を強く見せるシーンと分かれていることで、コントラストがくっきりと分かれていたように思います。

地球ゴージャスの作品の中でも「伝説の作品」とされている『クラウディア』。再演を望む声も多く上がっていたということで、今回初めて見る方も期待が高まっているのではないでしょうか。作品公式HPはこちら

劇中で使用されるサザンオールスターズの名曲たちにも注目です。