ミュージカル『エリザベート』は2020年にツアー公演を予定していましたが、新型コロナウイルスの影響により全公演が中止となっていました。そのため、東宝版のエリザベートは、2019年ぶり!今年の注目キャストについて、まとめました。(『エリザベート』についての過去記事はこちらから。)
エリザベート・トートには歴代演じてきたベテランが集結
『エリザベート』の物語は、死後の世界で、ルキーニが“エリザベート皇后暗殺”罪で裁判にかけられているところから始まります。ルキーニは裁判官に何が起こったのか真実を見せてやろうと、エリザベートの人生を語りだすのでした。
自由な父に育てられた活発な少女・エリザベート。活発さ故に怪我をしてしまい、生死を彷徨うと、黄泉の世界でトートと出会います。彼女に恋をしたトートは、彼女を現世へと送り返しますが、エリザベートは、若き皇帝フランツにみそめられ、皇后として宮廷に嫁ぐことに。
自由とは正反対のがんじがらめの宮廷生活に嫌気を差すエリザベートと、彼女を徹底的に厳しく扱う姑のゾフィー。エリザベートの傍には常にトートがいました。妻・母・皇后。どの立場も放棄して放浪の旅にでるエリザベート。トートの禁じられた愛を受け入れることは、自らの死を意味するのでした。自由を求める彼女は、孤独と絶望の中でも生きることから決して逃げずに力強く進もうしますが…。
ミュージカル『エリザベート』は、1996年に宝塚歌劇団により日本初演、2000年に東宝版で上演されました。初演から観客を魅了し続けてきた本作。2022年〜2023年に待望の上演が決定しました。
タイトルロールのエリザベート役は、Wキャストになっています。1人目は、日本初演の『エリザベート』でタイトルロールを世界最年少で演じ、本場ウィーンの製作陣からも高い評価を得ている花總まりさん。そして、2019年から花總さんとともに同役を演じた愛希れいかさん。ミュージカル『マタ・ハリ』、『泥人魚』などに加え、NHK大河ドラマ「青天を衝け」など映像作品での活躍も経て、本公演も花總さんとWキャストでエリザベートを演じます。
トートには、人気・実力ともにミュージカル界のトップを走り続ける山崎育三郎さん(東京公演のみ)、古川雄大さん、井上芳雄さん(福岡公演のみ)の3名が集結しました。朝ドラや大河ドラマなど映像作品でも活躍中の山崎育三郎さん。山崎さんは2015年にルキーニ役で『エリザベート』に出演。ルキーニを3度演じ、2020年にはトートとしての出演が決まっていましたが、中止に。今回は念願叶ってのトート役になります。
映画やドラマにも出演し、人気の古川雄大さん。古川さんは2012年にルドルフ役で本作に出演。3度のルドルフ役を経て、2019年に井上芳雄さんとダブルキャストでトートを演じました。「行列のできる相談所」のMCに抜擢されるなど、活動の幅を広げている井上芳雄さんは、本作のルドルフ役(2000年)が舞台デビュー作品。今回でトートを演じるのは4度目となります。日本の『エリザベート』を牽引してきた3名がトリプルキャストで演じるトート、作品ファンも楽しみにしているのではないでしょうか。
『テニミュ』出身のルーキーたち 注目キャストをピックアップ
今回新しく『エリザベート』のカンパニー入りをする注目キャストをピックアップ。一人目は黒羽麻璃央さんです。本作の中で重要な狂言回しの役所のルキーニを演じます。
黒羽さんは、2012年にミュージカル『テニスの王子様』で俳優デビュー。ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」では、2019年にマーキューシオを、2021年にはロミオを演じ、今年5月に上演されたミュージカル「るろうに剣心 京都編」では、包帯に身を包み、志々雄真実役を演じました。
二人目は、立石俊樹さん。エリザベートの息子で、トートと歌う楽曲のあるルドルフを演じます。立石さんは、2017年4月にミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンで初舞台を踏み、2021年の『ロミオとジュリエット』ではティボルトを演じました。また、2021年3月にはミュージカル『「黒執事」〜寄宿学校の秘密〜』で初主演を務めました。
二人とも『テニスの王子様』出身で、現在はミュージカル界で活躍しています。『テニスの王子様』出身の古川雄大さんはルドルフ役を経て、トートに。黒羽さん、立石さんの今後の活躍にも注目です。
帝国劇場ミュージカル『エリザベート』東京公演は帝国劇場にて、10月9日(日)~11月27日(日)まで上演します。愛知公演は御園座にて12月5日(月)~12月21日(水)、大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて、12月29日(木)~2023年1月3日(火)、福岡公演は博多座にて2023年1月11日(水)~1月31日(火)に行われます。一般前売のチケットは、8月6日(土)に販売開始されます。くわしくはこちらから。
数年間続投していたキャストから一部新たな顔ぶれになったこと、東宝版の上演が3年ぶりになることで、新鮮な『エリザベート』が見られるのではないでしょうか。