ピンク・リバティ新作公演『点滅する女』が6月14日(水)より東京芸術劇場 シアターイーストにて開幕します。ダブル主演を務めるのは、森田想さんと岡本夏美さん。喪失に苦しむ家族に訪れた幻想的な出来事を、ピンク・リバティらしくブラック・ユーモアを交えて描きます。

ブラック・ユーモアが秀逸な演劇ユニット「ピンク・リバティ」

ピンク・リバティは、2016年に旗揚げされた、山西竜矢さんが脚本・演出をつとめる演劇ユニット。照明効果を駆使した幻想的な演出と、文学的表現を交えながらテンポよく交わされる会話が特徴です。人間が元来抱えている寂しさをユーモアを交えて描く劇作が、観客の心を震わせます。

山西さんは、2021年に自身初となる長編映画『彼女来来』で若手監督の登竜門 MOOSIC LABにて準グランプリを含む三冠を達成。NYで開催される日本映画祭JAPAN CUTSでは新人部門最高賞の「大林賞」を受賞しました。
長久允監督・森田剛氏主演の短編映画『DEATH DAYS』のメイキングドキュメンタリー『生まれゆく日々』の監督・構成、ドラマ『今夜すきやきだよ』の脚本など、多彩に活動しています。

別人の身体を借りて死んだはずの長女が戻ってきた…?喪失に苦しむ家族に訪れた不思議な一夏の物語

一年半ぶりのピンク・リバティの新作公演『点滅する女』は、東京芸術劇場が才能ある若手団体とタッグを組み上演する芸劇eyesに選出された作品。田舎に住むある家族の一夏の物語を描きます。

田村鈴子は、父、母、兄とともに実家の工務店で働いています。表面的には仲良く見える家族でしたが、その内情は5年前に家族の中心だった長女の千鶴が亡くなってからどこかおかしくなっていました。

ある日の昼下がり、一人の見知らぬ女性が「千鶴さんの霊に、取り憑かれてまして」と言って訪ねてきたことにより、一家は大きく揺れ動くことに…。

喪失に苦しむ家族に起こった奇妙な出来事を、ブラック・ユーモアを交えて軽妙に描き出す、さみしくも美しい家族劇です。

見て見ぬふりをしていた家庭の問題に向き合わざるをえなくなる一家。山西さんは「そこで描かれる彼らの姿は、滑稽で、ややこしく、けれど美しいものであり、笑いあり涙ありというより、泣きながら笑えてしまうような情景になると思います。ピンク・リバティのこれまでを凝縮した作品です」とコメントしました。

「ずっと見え隠れしていた好奇心を握りしめて、挑みます」

ダブル主演となる姉妹役を務めるのは、本作が初舞台という森田想さんと、舞台『春のめざめ』(2019)でヒロインを務めた岡本夏美さん。

森田さんは、本多劇場で、英国の劇作家サイモン・スティーブンスの『MORNING』を日本で初上演するために、オーディションで選ばれた6人の若者たちを描いた映画『アイスと雨音』では主演を務めました。また、映画『わたしの見ている世界が全て』でマドリード国際映画祭2022外国映画部門 主演女優賞を受賞しています。

初めての舞台作品に挑戦ということで「本音を言えばまだまだ不安」と言いつつも、「ずっと見え隠れしていた好奇心を握りしめて、挑みます。山西さんや共演者の方とのコミュニケーションを重ねながら、W主演として頼り甲斐のある岡本夏美さんの存在に安堵しながら、皆さんが観に来てくださるときには胸を張れるよう精一杯頑張りたいと思います。どれほど頭がパンクするのかが楽しみです」とコメントしました。

映画『ハニーレモンソーダ』や舞台『12人の淋しい親たち』などに出演している岡本夏美さん。「ピンク・リバティはいつかご縁があるといいなと思っていた演劇ユニットだった」そう。


「リアルと非リアルの掛け合わせと、舞台上で飛び交う言葉達を面白がりながらお芝居出来ればいいなと思っています!今回私が演じる役は、特殊な設定もあり、難しい役どころになると感じていますが、森田想さんや他キャストの皆さん、そして演出の山西さんと共に丁寧に繊細に、そして大胆につくっていきたいです」と意気込みを語りました。

共演には、水石亜飛夢さん、日比美思さん、斎藤友香莉さん、稲川悟史(青年団)さん、若林元太さん、富川一人(はえぎわ)さん、大石将弘(ままごと/ナイロン100°C)さん、金子清文さん、千葉雅子(猫のホテル)さん。

劇中音楽は前作に引き続き、多数の海外映画祭を席巻する映像制作集団・大田原愚豚舎の渡辺雄司さんが担当します。

ピンク・リバティ『点滅する女』は6月14日(水)〜6月25日(日)に東京芸術劇場 シアターイーストにて上演です。チケット一般発売は5月6日(土)10:00〜を予定しています。公式HPはこちら

ミワ

映画作品で惹き込まれた森田さんのお芝居を生で観ることが出来る機会に感激!他人の身体を借りて故人が帰ってくるという設定にも興味津々です。