1995年にテレビアニメが放送されてから今日まで多くの人々を魅了し続けてきた「エヴァンゲリオン」が、『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』として舞台化。新たなエンターテイメントとして生まれ変わります。また、本作は東急歌舞伎町タワーにオープンする新劇場「THEATER MILANO-Za」のこけら落とし公演としても話題となっています。

「エヴァンゲリオンの聖地」新宿ミラノ座の跡地THEATER MILANO-Zaでのこけら落とし公演

新宿に新たにオープンする劇場「THEATER MILANO-Za」のこけら落とし公演として上演される『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』。これまでに多くの人々を魅了し続けてきた『エヴァンゲリオン』が今回、舞台となり新たなエンタテインメントとして繰り広げられます。

1995年に放映され大ブームを巻き起こした、庵野秀明さん原作・監督によるTVシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』。大災害「セカンドインパクト」が起きた2015年の世界で、巨大な人型人造兵器「エヴァンゲリオン」のパイロットとなった14歳の少年少女たちが、第3新東京市に襲来する未知の生命体「使徒」と戦う姿を描いた作品です。

2021年には、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの完結編となる映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が公開され、観客動員は650万人を突破し話題となりました。

「THEATER MILANO-Za」は、歌舞伎町と共に発展した映画館「新宿ミラノ座」の名前を継承しています。新宿ミラノ座では、1997年に上演された『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生(DEATH&REBIRTH)』『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』、2007年に新シリーズとしてリビルドし大ヒットを記録した『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』『:破』『:Q』と、新宿ミラノ座の営業が終了する2014年までの全作品を上映。


『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』では新宿ミラノ座で撮影された実写映像が使われているのだそう。また、エヴァンゲリオン関連イベントを多く行ってきたこともあり、新宿ミラノ座は、「エヴァンゲリオンの聖地」と呼ばれていました。「THEATER MILANO-Za」のこけら落とし公演が『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』というのは感慨深いですね。

THEATER MILANO-Zaは3階席まであり、客席数は約900席。本作の上演の後には、『パラサイト』の上演が決定しています。

『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』では、原作から物語も登場人物も変えて新たなシナリオで描かれます。

壊滅的な状況になった地球に生き残った人々と、人類再生の“切り札”を発見し、希望に向けて突き進む「エヴァンゲリオン」に搭乗する14歳の少年少女たち。

地球は、無秩序な開発、争いにより、海や大地は汚染され、壊滅的な状況。生き残った人々は、限られた地域に「ドルフ」と呼ばれる集落を作り生活しています。リーダーとして、ドルフの1つを牽引している渡守ソウシは、新たな悲劇の扉が開くのを目撃してしまいます…。

新たな高エネルギー資源が発見され、最高司令官・菅生マサツグの指揮のもと、「エヴァンゲリオン」は地中深く潜っていきます。しかし、掘り進めた地底から、巨大な未確認生物「イキモノ」が出現。必死の迎撃を行い、なんとかイキモノを地中に閉じ込めます。

しかし、半年後、再びイキモノが出現。疑念を強めるソウシは、真相を確かめるため、ドルフ上級担当官・瑞穂ユウに接触します。

ローレンス・オリヴィエ賞受賞の演出家シディ・ラルビ・シェルカウイ×独特の世界観が人々を魅了するノゾエ征爾が生み出す新たなエヴァンゲリオン

本作の構成・演出・振付を手掛けるのは、ローレンス・オリヴィエ賞新作ダンス賞や母国ベルギーでの王冠勲章コマンドール章など数々の受賞歴を誇るシディ・ラルビ・シェルカウイさん。演劇やコンテンポラリーダンスの公演はもちろんのこと、映画作品での振り付け、ビヨンセのグラミー賞(2017年)でのパフォーマンスや、バレエ、オペラ、歌劇などの演出・振付と幅広く活躍しています。

日本文化への造詣も深く、2011年には手塚治虫さんの思想・作品世界をダンスで表現した『テヅカ TeZukA』の構成・振付、2015 年と 2018 年には『プルートゥ PLUTO』において演出と振付を務め大きな話題となりました。

上演台本を手掛けるのは、劇団はえぎわの主宰で、俳優・脚本家・演出家として活躍するノゾエ征爾さん。ユーモアに富んだ、独特な世界観が特徴的。松尾スズキさん原作の絵本を舞台化した『気づかいルーシー』では、脚本・演出・出演(2022年は公演中止)。3月にはニッポン放送 55 周年記念公演『明るい夜に出かけて』で脚本・演出を務めました。

主演を務めるのは 、昨年公開の『ある男』で第46回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞したことが記憶に新しい窪田正孝さん。舞台出演は、2019年に上演された『唐版 風の又三郎』以来4年ぶりという貴重な機会です。

窪田さんは「神、人類、戦争、侵略、破壊、そして再生という、エヴァが描くメッセージ。今この時代に演劇を通して観客に直接届けられたらと思っています。本来、手を出してはいけないエヴァンゲリオンという山のように高い壁に挑む事を真摯に受け止めてビヨンドを完成させたいです」とコメントしました。

瑞穂ユウ役には、実力派俳優として多彩に活躍する石橋静河さん。

映画『前科者』『あのこは貴族』、ドラマ『鎌倉殿の13人』『大豆田とわ子と三人の元夫』といった数々の話題作に出演。舞台作品にも勢力的に出演し、近年の出演作品に『桜姫東文章』『近松心中物語』『未練の幽霊と怪物』などがあります。

蓮見タンを演じるのは、今注目の若手俳優の板垣瑞生さん。
2014年に公開された、山田孝之さん主演の『闇金ウシジマくん Part2』で映画デビュー。『ソロモンの偽証』2部作では、キーパーソンとなる神原和彦役を演じ、第25回日本映画批評家大賞・新人男優賞を受賞しました。今注目の若手俳優です。

そして、菅生マサツグ役には、人間味溢れる演技が魅力の田中哲司さん。田中さんは、映画『シン・ウルトラマン』『余命 10 年』『あなたの番です 劇場版』、舞台『住所まちがい-Three on the seesaw-』『近松心中物語』に出演しています。

演出のシェルカウイさんが振り付けも手がけるとのこと。
石橋さんは、バレエ留学をしていたこともあり、身体表現に富んだ方。板垣さんも2014年〜2020年までボーカルダンスユニットで活動していました。身体性を生かす演出と相性が良い俳優たちが揃っているので、どのような表現が生み出されるのか楽しみです。

THEATER MILANO-Za こけら落とし公演 COCOON PRODUCTION 2023『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』は、5 月 6 日(土)〜5 月 28 日(日) THEATER MILANO-Za (東急歌舞伎町タワー6 階にて上演です。公式HPはこちら

ミワ

筆者はエヴァンゲリオン世代ではないですが、2021年の映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の熱狂を受けてとても気になっていました。舞台のために書かれた新たな物語ということで、「エヴァンゲリオン」に触れたことがない人でも観やすくなっているのではないでしょうか!