ミュージカル『SUNNY』の7月の上演に先立ち行われた、原作映画『サニー 永遠の仲間たち』の上映会。そして、韓国エンタメのエキスパートである桑畑優香さんと、ミュージカル『SUNNY』で脚本・演出を務める西田征史さんによるトークイベントが開催されました。(ミュージカル『SUNNY』について、詳しくはこちらの記事へ)

80’s J-POPSで彩られたジュークボックスミュージカル『SUNNY』が新たに誕生!

映画『サニー 永遠の仲間たち』は、2011年に公開された韓国の映画。80年代に高校生活を謳歌していた仲良し7人組の「SUNNY」を主人公に、25年後に大切な友情を探し、再集結する様子がコミカルに描かれています。香港や日本、ベトナムなどアジア各国でリメイクされ愛されている作品。日本にも熱狂的なファンの方が多数いる作品です。

そんな『SUNNY』が、6月に西田征史さんが脚本・演出を手がけ、80’s J-POPSで彩られた日本版ジュークボックスミュージカル『SUNNY』として新たに誕生します!

大人になったSUNNYのメンバーを演じるのは、宝塚歌劇団出身の花總まりさんと瀬奈じゅんさん。『おしん』で主人公の少女時代を熱演し一躍有名となった小林綾子さん。お笑い芸人に俳優と多彩に活躍する馬場園梓さん。俳優活動に留まらず、バラエティ番組などでも活躍している佐藤仁美さんが演じます。

若い世代が新鮮に捉え、80年代のカルチャーや音楽が再ブームを起こしている現在。幅広い世代が楽しめる作品になりそうです。

そして、今回ミュージカル化を記念して、原作映画『サニー 永遠の仲間たち』の上映会と、トークイベントが開催されました。

大人になり再会した「SUNNY」のメンバーたちの物語をメインストーリーに描くミュージカル版

トークイベントには、舞台『SUNNY』の脚本・演出を務める西田征史さんと、韓国エンタメライターの桑畑優香さんが登壇しました。

西田さんは、映画『怪物くん』やNHKの連続テレビドラマ小説『とと姉ちゃん』、TBS系のドラマ『石子と羽男-そんなコトで訴えます?-』の脚本などを務めています。

『SUNNY』の舞台化にあたり、今までオリジナルの舞台作品ということにこだわって作っていた西田さんは、一度オファーを断ったのだそう。

しかし、プロデューサーの方に「(原作映画を)ぜひ観て欲しい」と言われ、映画『サニー 永遠の仲間たち』を観て、「この作品を自分の色で表現させてもらえたら楽しいかもしれない」と思ったとのこと。また、過去に西田さんの舞台作品が韓国で上演された際に、「文化の違いが面白かったし、自分の作品を海外で上演してもらう嬉しさを感じた」と言います。「今回自分がリメイクすることで韓国のエンタメ業界の方が日本の演劇にも興味を持ってくださると嬉しいな」という想いから、ミュージカル化にあたり脚本・演出を引き受けることにしたのだと明かしました。

ミュージカル『SUNNY』の舞台は80年代の日本。日本映画版では、90年代の“コギャル期”が舞台として設定されていたので、大きな変化といえます。

時代設定の変更について、90年代を青春時代として過ごした西田さんは、「80年代への憧れがあった」と話します。
「幼い頃にテレビを観ていて、アイドルが輝いていた時代で、凄くエネルギーを感じていた。また、原作映画を見たときに、主人公たちがケンカで決着をつけるのが、日本に置き換えた時に90年代だとピンとこなかった。ケンカで決着をつけるというと80年代のイメージがあったので、80年代のアイドルの曲をふんだんに使って、楽しく懐かしい思い出とともに振り返るような作品にしたら面白いのかな」という考えから80年代を舞台にすることにしたのだそう。

『SUNNY』の主人公達とほぼ同世代という桑畑さんは、「たしかに、80年代の中高生生活というのは毎日戦いで、映画に出てきたような感じだったので、ぴったりだなと思います」と納得。

「スウィートメモリー」「ダンシング・ヒーロー」「センチメンタルジャーニー」など、誰もが知っている80年代のJ-POPの数々が、劇中にふんだんに織り交ぜられ、口ずさむように楽しめる構成となっているミュージカル版。


「元々好きな楽曲を取り入れたのですか?」という桑畑さんの質問に、「ストーリーの感情に一番沿っている曲を脚本を書きながら、様々な楽曲を聞き直してピタッとくるものを選びました。でも、どれも元々自分が好きな曲の中から選んでいると思います」と、西田さん自身の思い出も詰まった構成になっていることを明かしました。

舞台化にあたって大きく変わった点は、物語のメインストーリーが、大人になってから千夏(韓国版のチュナ)と再会して、それぞれの生活にどのように変化がもたらされていくのかという部分に置かれていること。


また、「SUNNY」のメンバーも7人から、6人へと変わっています。
「それぞれの役を深掘りして見せていくことを考えた時に、韓国版SUNNYのメンバーの2人を1人にして見せ場を作ったという感じです。どの役が1人になっているかも楽しんでいただければ」と西田さん。

映画中には“音楽喫茶”の印象的なシーンがありますが、桑畑さん曰く「音楽喫茶は記憶する限り日本の80年代にはなかった」と話します。そのためミュージカル版では、音楽喫茶はディスコに置き換えた上で、シーンを再現する予定だそうです。

また、物語ラストの「SUNNY」の楽曲で踊るシーンについては、「映画の高揚感を、ミュージカル版でもそのまま持って帰って頂けるように」作っているとのこと。ミュージカル版の振り付けを担当するのは、「バブリーダンス」の振り付けで一躍時の人となり、自身もダンサーとして活躍しているakaneさん。akaneさんらしさが満載のエネルギッシュなダンスシーンが楽しみです。

トークイベントで舞台化に対するこだわりがたっぷりと聞けたミュージカル『SUNNY』。6月26(月)〜7月5日(水) に東京・東京建物 Brillia HALL、7月9日(日)〜7月13日(木)に大阪・梅田芸術シアター・ドラマシティにて上演予定です。詳しくは公式HPをご確認ください。

ミワ

映画版の上映会を経て、更にミュージカル『SUNNY』の観劇が楽しみになりました!「SUNNY」のメンバーのように青春時代を共にした友人たちを誘って観に行きたい作品ですね。