1975年に旗揚げされ、シェイクスピア全37作品を上演してきたシェイクスピアシアター。青山円形劇場こけら落とし公演として『十二夜』『夏の夜の夢』『じゃじゃ馬ならし』を上演(1985年)、2001年上演の『ハムレット』では主演・吉田鋼太郎さんが第36回紀伊国屋演劇賞個人賞を受賞するなど、日本のシェイクスピア演劇を牽引してきました。5月10日に開幕する3年ぶりの劇団主催公演は、『間違いの喜劇』『夏の夜の夢』の3日間一挙上演となります。
シンプルな舞台・普段着で魅せるシェイクスピア!
『ロミオとジュリエット』『ハムレット』『マクベス』など日本でも数多くの作品が上演されているシェイクスピア。シェイクスピアシアター創立者の出口典雄さんは、日本初のシェイクスピア全37本の戯曲演出を手掛けました。
1人の演出家によるシェイクスピア全作品の演出は、なんと世界初。彩の国シェイクスピア・シリーズ2代目芸術監督に就任した吉田鋼太郎さんも、シェイクスピアシアターの出身です。
まさに日本のシェイクスピア演劇の先駆者と言えるシェイクスピアシアターは、2020年に演出家の出口さん逝去後、翌年10月に学校公演で活動を再開。そして5月、劇団主催公演の上演が決定しました。
シェイクスピアシアターの特徴は、大掛かりなセットをなくし、普段着でシェイクスピアを演じること。シェイクスピアの言葉の力を信じ、臨場感のある小さな劇場で、ジーパンを履いた状態での公演を行なっています。またシェイクスピア劇というと上演時間が長いイメージを持つ方が多いかと思いますが、セット転換がないことも相まってスピーディに上演されるのも特徴の1つです。
シアターの十八番である喜劇『間違いの喜劇』『夏の夜の夢』を上演
5月に座・高円寺2にて上演されるのは、シアターの十八番でもある『間違いの喜劇』と『夏の夜の夢』。5月10日(水) から12日(金)まで、2作品が交互に上演されます。『間違いの喜劇』の上演予定時間は1時間45分、『夏の夜の夢』は2時間と本作もスピーディに進められるよう。
5月12日(金)17時の『間違いの喜劇』には、劇団に10年以上在籍していたマツモトクラブさん、住川佳寿子さんがゲスト出演!
現在シェイクスピアシアター代表を務める高山健太さんは、出口さん他界後に多くの方から「シアターのシェイクスピアをまた観たい!」という熱い声を受けたことから、「今回の公演はそんな皆様への感謝を、爽快な喜劇の台詞に乗せてお返しできたら」という思いで2作品を選んだのだと語ります。
同じ作品でも、演出、演じ方、そして観客の見方によっても多様に広がるシェイクスピアを、今回はどう表現していくのか。新生シェイクスピアシアターの第一歩、お見逃しなく。公演の詳細は公式HPをご確認ください。
吉田鋼太郎さん、佐野史郎さん、渡辺哲さんらが在籍していたシェイクスピアシアター。公式YouTubeには過去の公演の様子や同じ作品の演出比較なども載っています!シェイクスピアというと大劇場での公演が多いので、座・高円寺2での上演も楽しみです。