ミュージカル好きなら、誰もが一度は「スポットライトを浴びてステージに立ちたい!」と思うもの。そんなキラキラと輝くミュージカルへの夢を描いているのが、Disney+(ディズニープラス)で配信されている映画『ブロードウェイ ドリーム!』です。アメリカではミュージカルマニアの少年少女を「シアターキッド」と呼ぶそうですが、本作では主人公のネイトがシアターキッド憧れの夢の舞台へと挑戦します。

シアターキッドの田舎少年がブロードウェイへ!

アメリカ・ペンシルバニア州のピッツバーグに住むネイトは、歌も演技も得意なミュージカルオタクの少年です。学校の演劇部でミュージカルのオーディションを受けますが、期待とは裏腹に主役のリンカーン役を逃してしまいます。

落胆するネイトに、親友のリビーがブロードウェイの新作ミュージカル『リロ・アンド・スティッチ:ザ・ミュージカル』のオーディションを受けないかと話を持ちかけました。2人は家族に内緒で夜行バスに乗り、オーディションが開催されるニューヨークへと出かけていくのですが…。

ミュージカルの聖地・ブロードウェイでネイトが奮闘する様子を、歌と踊りを交えて描いた本作。『ウエスト・サイド・ストーリー』や『ピピン』など、ミュージカル作品をネタにしたシアターキッドのネイトらしいマニアックなセリフが飛び出し、ミュージカル好きをニヤッとさせます。

ネイトを演じているのは、ニューヨーク出身の16歳の俳優ルービー・ウッドです。ミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』でチャーリー役を努めていたルービーは、本作で堂々とした大人顔負けの歌唱力を披露しています。

『ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル』監督の自叙伝的作品

本作でメガホンを取ったのは、ドラマ『ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル』のクリエイターであるティム・フェデラー監督。『ブロードウェイ ドリーム!』は監督が書いた児童向け小説が原作となっており、ネイトの出身地とミュージカルへの溢れる愛情は、監督の少年時代と重なるものがあるようです。

ティム監督は、これまでも『HSM』(ハイスクール・ミュージカル)シリーズで学校のカースト内ではさえないシアターキッドを輝くスターへ変身させてきました。本作でも、ネイトの成長と彼の周りにいる仲間の変化を通じて自分を隠さずありのままで演劇を楽しむ素晴らしさを描いています。

『ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル』でメインキャラのリッキーを演じるジョシュア・バセットは、ネイトの体育会系な兄役として出演。ネイトの良き理解者であるリビーを演じたアリア・ ブルックスも『ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル』のシーズン3に出演しており、『HSM』ファンにとっても見逃せない作品です。

物語の鍵を握るディズニー映画とは?

作中では、ディズニーアニメーション映画『リロ・アンド・スティッチ』がミュージカル化されることがネイトの転機となります。

宇宙からやってきた暴れん坊のエイリアンスティッチと孤独な少女リロが家族になる不器用でハートフルなストーリーは本作とリンクしていて、最終オーディションでネイトが歌うスティッチのソロナンバーには彼自身の孤独と希望も表現されているかのようです。

ちなみにミュージカル化の話はフィクションですが、『リロ・ アンド・スティッチ』はウォルト・ディズニー社が実写映画化の制作準備中!こちらもDisney+(ディズニープラス)向けの映画だそうで、本作と合わせて観ると面白いかもしれませんね。『ブロードウェイ ドリーム!』はディズニープラスで配信中です。

さきこ

ネイトのシアターキッドぶりがコミカルで、「『ウエスト・サイド・ストーリー』のように非常階段から外へ出たい」というシーンには笑ってしまいました!彼のブロードウェイに対する憧れが表現されたミュージカルシーンは、”ミュオタ”ならきっと引き込まれてしまうはずです。