7月1日に横浜・赤レンガ倉庫1号館3Fホールにて開幕する舞台『Being at home with Claude〜クロードと一緒に〜』。2014年に日本で初演されて以来、ダブルキャストやシャッフルキャストなどさまざまな形で再演を繰り返してきました。今回6度目の上演となる本作、松田凌さんが4度目の「彼」を演じます。演出を務めるのは海外での文化に造詣が深い小山ゆうなさんです。
“真実だけが見つからない” 密室で行われる「彼」と刑事の会話
『Being at home with Claude〜クロードと一緒に〜』は、フランス系カナダ人のルネ=ダニエル・デュポワさんによる戯曲。1967年のカナダ・モントリオールを舞台に、殺人事件で自首してきた若い男娼の取り調べを描いています。
1986年の初演に始まり、フランス語から英語に翻訳され、カナダ国内外で長年にわたって再演が繰り返されています。1992年にはカナダで映画化もされている作品です。日本では2014年に初演。「読み聞かせ」を含めてこれまでに5回上演されています。
『Being at home with Claude〜クロードと一緒に〜』の舞台は、1967年のカナダ・モントリオールの判事の執務室。殺人事件の自首をしてきた男娼の少年・「彼」を刑事たちが明らかに軽蔑した態度で取り調べを行っています。
被害者となったのは、少年と肉体関係があった大学生。殺害後の足取りや、どのように二人が出会ったか、どのように被害者の部屋を訪れていたのか、「彼」は不貞腐れた態度ながらも素直に答えていきます。しかし、殺害の動機だけははっきりと答えません。
順調だったという二人の関係を、なぜ「彼」は殺害という形で終わりにしたのでしょうか…。
松田凌「20代から演じ続ける代表作」
本作の上演台本・演出を務めるのは小山ゆうなさん。劇団四季の『ロボット・イン・ザ・ガーデン』やミュージカル『COLORS』『ファインディング・ネバーランド』などの演出を手がけている注目の演出家です。
ドイツのハンブルグ生まれで、ナショナルシアターライブの演出部に所属していた経験もあり、海外の文化や生活に親しんだ小山さん。再演が繰り返されている本作を、どのような演出で作品の新たな魅力を引き出すのか注目です。
出演者には、今回の公演で4度目の「彼」を演じる松田凌さん。松田さんにとって本作は、自身でも「20代から演じ続ける代表作」とコメントする特別な作品。
松田さんは、1月に上演された『進撃の巨人-the Musical-』ではリヴァイ役を演じました。また、ABEMA『オオカミくんには騙されない』シリーズでは番組MCを務めるなど多方面で活躍しています。
対峙する刑事役には映像、舞台と多方面で活躍する神尾佑さん。
『飛龍伝』『幕末純情伝』『熱海殺人事件』などつかこうへい芝居に多く出演。近年は舞台『OP.110ベートーヴェン「不滅の恋人」への手紙』やミュージカル『ファントム』、ドラマ『金田一少年の事件簿』『明日、私は誰かのカノジョ』に出演しています。
刑事を支える速記者役には井澤勇貴さん。
近年の出演作にミュージカル『憂国のモリアーティ』シリーズや、ミュージカル『新テニスの王子様』The Second Stage、ミュージカル『チェーザレ』があります。
警護官役には、ゲキバカ、箱庭円舞曲の2つの劇団に所属し、それぞれの劇団公演で活躍している鈴木ハルニさん。本作の初演以来全公演に参加している鈴木さんが、作品を支えます。
舞台『Being at home with Claude〜クロードと一緒に〜』は、7月1日(土)〜9日(日)に横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホールにて上演。その後、7月20日(木)〜23日(日)京都文化博物館 別館ホールにて上演です。公演HPはこちら。
※映画の「R-15」に相当する表現があるため、15歳未満の方は入場できません。
上演される赤レンガ倉庫も京都博物館もどこか海外の街並みを想像させるような場所。より一層作品に引き込まれ、終演後も作品の余韻そのままに過ごすことが出来そうです。