誰もが一度は見たことがあるといっても過言ではないSF映画の金字塔、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。2020年にイギリスで舞台化されて以来大きな話題を呼んだこの作品が、2025年4月、劇団四季により日本初演を迎えることが発表されました!物語のあらすじや、舞台化に向けての制作陣など、この作品について紹介していきたいと思います。

愛され続ける往年の名作。

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は全三作から成るシリーズもので、この舞台は第一作目『PART 1』が原作となっています。

1985年7月にアメリカで公開された『PART 1』は、約8ヶ月半にわたる異例のロングランヒットを打ち出し、その年の全世界における最高興行収入を記録しました。翌年のアカデミー賞では脚本賞、音響賞、主題歌賞にノミネートされ、音響効果編集賞を受賞。85年12月に公開された日本においても大ヒットし、テレビで放映されるたびに高視聴率をとる人気作です。

映画の世界にとどまらず、アニメーションやゲームなどさまざまなコンテンツを通して愛される本作。舞台版は、2020年2月にイギリス・マンチェスターで、2021年にはウェストエンドで幕を開け、以来大きな話題を呼びました。22年には、英国演劇界で最も権威あるローレンス・オリヴィエ賞で7部門のノミネートを受け、最優秀新作ミュージカル賞を受賞。23年にはブロードウェイでも上演され、24年6月には北米ツアーを予定するなど、これからの期待も高まります。

時空を超えた、ありえないドタバタ劇。

物語の舞台は、1985年、カリフォルニア州ヒルバレー。ロックスターを夢見る高校生マーティは、自らの冴えない日々にうんざりしていました。

彼の友人で変わり者の”ドク”ことエメット・ブラウン博士は、ある日スポーツカーのデロリアンを改造してタイムマシンを完成させたといい、マーティを呼び出します。デロリアンの実験を手伝っていたマーティは、アクシデントにより1955年のヒルバレーにタイムトラベル。

マーティは、元いたはずの未来、1985年に戻ろうと奮闘しますが、なかなか手立てが見つかりません。そんな中、なんと若き日の母親ロレインに惚れられてしまいます。一方父親ジョージは、彼女に話しかけることすらできないほどの内気っぷり。このままでは両親が出会って恋に落ちることもなく、マーティも生まれることはありません。マーティは、二人の仲をとりもち、無事に未来へと帰ることができるのでしょうか‥‥

原作の純度を維持するクリエイティブチーム。

舞台版のクリエイティブチームには、原作となった映画の制作陣が数多く含まれています。たとえば、映画で脚本を務めたボブ・ゲイル、音楽を担当したアラン・シルヴェストリなどはそのままミュージカルの方にも携わっています。舞台版の音楽は、ミュージカル『ゴースト』の作詞・作曲で知られるグレン・バラードも参加。映画でお馴染みの「The Power of Love」や、「Johnny B. Goode」といった楽曲と共に、舞台版としての新たな音楽世界が広げられるでしょう。

また、演出を手がけるのは2002年に『ユーリンタウン』でトニー賞ミュージカル演出賞を受賞したジョン・ランド。振付は、ミュージカル『ハウ・トゥー・サクシード』『20世紀号に乗って』で演出・振付を手がけたクリス・ベイリーです。原作の良さと、舞台版で加わる新たな要素が混ざり合わさったミュージカル『バック・トゥ・ザ・フューチャー』ならではの魅力を、堪能できると思います。

未来への希望を、デロリアンに乗せて。

この作品を語る上で欠かせないのが、タイムマシンのデロリアン。映画でも強烈な印象を与えるデロリアンですが、舞台でも驚くべき表現、演出がなされています。数多くの舞台作品で活躍している精鋭たち、そして最新技術の駆使によって、私たちの前にどんな姿で登場するのか。ぜひ劇場に足を運んで、直接確かめてみてください。

最新ミュージカル『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は2025年4月にJR東日本四季劇場[秋]にて開幕予定です。詳細は劇団四季オフィシャルウェブサイトをご覧ください。

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この作品は、タイムトラベルなどSF特有の非日常性だけでなく、主人公マーティたちが、迫り来るいくつもの選択の中からより良い未来のためにと奮闘する物語でもあります。多様で加速的な変化にさらされている現代の私たちは、自らの心に従い、自らの力で未来を掴み取る登場人物たちからたくさんのパワーをもらうはずです。