1992年の映画を原作に、アラン・メンケンさんが音楽を手がけたミュージカル『奇跡を呼ぶ男』。演出にジェニファー・タンさん、主演に竹内涼真さんを迎え、2026年4月に東京・大阪・福岡・愛知にて上演が行われます。開幕に先駆け、製作発表会見が行われました。

「君の心」「人生はハイウェイ」「ラストチャンスサルベーション」を披露

まず披露されたのは「君の心」。竹内涼真さん演じるジョナス・ナイチンゲールと真瀬はるかさん演じるマーラ・マッゴーワン、相入れないはずの2人が何故か互いを理解できてしまい、相手の内面をどれだけ見通せているかを競い合うナンバーです。

2人の軽快なやり取りから、徐々に惹かれあっていく様が感じられます。

2曲目は女性たちが自らの覚悟を確かめていく「人生はハイウェイ」。

ジョナスの妹サム・ナイチンゲールをWキャストで演じる昆夏美さん、セントチヒロ・チッチさん、オルネラ・スターデヴァント役のMARIA-Eさん、アイダ・メイ・スターデヴァント役のマルシアさんがパワフルな歌声を響かせます。

そして楽曲終盤ではジョナス役の竹内さんと、アイザイア役の糸川耀士郎さん、木原瑠生さんも登場し、ジョナスとアイザイアの対立が鮮明になっていきます。

最後に披露されたのは「ラストチャンスサルベーション」。ジョナスが巧みなパフォーマンスで人々を魅了し、聖歌隊と共に会場を盛り上げて人々から金を巻き上げようとするナンバーです。エネルギー溢れる歌声が会見会場である教会の礼拝堂に響き渡り、本作の熱量が伝わるパフォーマンスとなりました。

「私たちに降りてきた素晴らしい奇跡」

本作の日本版演出を手がけるのは、グローブ座での演出をはじめ、近年ロンドン・ウエストエンドでも高い評価を得ている新進気鋭の演出家で本作が日本初演出となるジェニファー・タンさん。「この作品は、私たちに降りてきた素晴らしい奇跡だと思っています。アメリカとイギリスではそこまで有名な作品ではないのですが、それによって、私自身、そしてキャストのみんなで新しくこの作品を自分たちのものにしようという形で進めていくことができます。日本のお客様に響くミュージカルにできるよう尽力してまいります。ゴスペルにインスパイアされたソウルフルな作品をお届けできること、自分を信じるということを許しさえすれば奇跡が起きるというメッセージを届けられることを、楽しみにしております」と思いを語ります。

楽曲披露を終えた竹内涼真さんは、「この作品の熱量を少しでも皆さんに伝われば良いかなという思いで、良いチームワークで届けることができたんじゃないかと思います。この作品が成功するためには簡単な道のりだけではなくて、楽曲の難しさだったり、言語の壁だったり、日本人との距離があるかもしれないですけれど、ジェニファーとチームみんなの信じる力で、どんどんその距離を縮めて、最後に信じきることができれば劇場で奇跡は起きるかなと、今そう願いながら稽古しています」とコメント。

サム役を演じる昆夏美さんは、「今お稽古真っ最中でして、とっても素敵なメッセージ性と、音楽・ダンスといったエンターテイメント性、両方を兼ね備えた作品だなと感じています。元々ある作品ではありますが、演出をそのままやるレプリカ版ではなくて、みんなで1からトライアンドエラーを繰り返しながら創っている過程が“あぁ、稽古しているなぁ”という気持ちになっています。演出のジェニファーさんと振付のアレックス(アレクザンドラ・サルミエント)さん、主演の竹内さんを始め皆さんがとてつもないエネルギーとパワーで進めているので、私もお稽古にしっかり付いて行って、作品をお届けできるようにしたい」と稽古場の様子を明かします。

Wキャストでサムを演じるセントチヒロ・チッチさんは本作がミュージカル初出演。「初めて稽古に行く日は震えるほど緊張した」と振り返り、「W キャストの昆ちゃんにすごく精神面でも支えられています。弱っちい自分を吹き飛ばすような気持ちで、みんなに勇気をもらいながら、自分とも戦いながら稽古に挑んでいます。信じること、信じたいと思うものにフォーカスを当てて生きてみたいなと私も思える作品です。観にきてくれる方の人生が少しでも変わる作品なのではないかなと思って、作品に携われることが幸せ」と心境を語ります。

糸川耀士郎さんは「僕が演じるアイザイアは涼真くん演じるジョナスとずっと対峙するキャラクターなので、物語の中に入った時に涼真くんと色々なシーンを共に創り上げていきたいと思います。この作品は、製作発表でもどの曲を披露するかスタッフの方が迷われただろうなと思うくらい素敵な曲ばかりで、このエナジーを劇場で体感していただきたいなと思いますし、カンパニーの無限なエネルギーを作り出す可能性を感じています。お客様と一緒にすごいエネルギーを日本中に届けられたら」と意気込みます。

木原瑠生さんは「楽曲披露の裏でもすごく盛り上がっていたのですが、これが稽古でも日常茶飯事で、本番まで続くと思うので、この盛り上がりをお客様にも楽しんでいただきたい」とコメント。

MARIA-Eさんは「私自身もこの作品に運命を感じていて、毎日楽しくて。歌っている姿を見て頂いたら分かると思うんですけれど、みんな良い顔をしているんです。生だからこそ、その瞬間にしか生まれない奇跡の連続をぜひ劇場で体感していただきたいと思います。全身で、全力で演じたい」と意気込みます。

マルシアさんは「このカンパニーの年長者です。何せエナジーが必要、パワフルな稽古、そしてゴスペルを初めてやるので、毎日泣いています。とても孤独、家に帰っても孤独な作業で、稽古場に行っても孤独…毎日稽古がハード」と明かし、アイダの娘オルネラ役のMARIA-Eさんと、息子アイザイア役の糸川さん、木原さんから「ママ!私たちがいるよ」と励ましが送られる一面も。マルシアさんは「子どもたちがうるさい」と言いつつも、「本当に良い子たちで仲良くしていて、舞台後には家族旅行まで考えています。絶対いつか叶えたい」と絆を見せました。

真瀬はるかさんは劇団四季退団後、初のミュージカル出演。「一瞬たりとも見逃せない濃厚な作品」と語り、「俳優人生の中で大切にしていることの1つとして、常に自分に新しい風を入れ続けるということがあります。今回の作品は日本初演ですし、ジェニファーさん、振付のアレックスさんも初めてご一緒するクリエイターさんですし、竹内涼真さんを始め、初共演の方がとても多くて。これは力強い新しい風がビュンビュン吹いてくる素敵なチャンスじゃないかと思って、この作品は絶対に参加させていただきたいと思いました」と出演への思いを語ります。

また本作の楽曲について「ジョナスがものすごくパワフルな楽曲ほど、実は後ろで動いている心情はものすごく繊細でヒリヒリした状態であったり、私とサムたちと歌う平和的で滑らかなメロディーの曲があるんですけれど、そここそ女性たちの芯の強さやパワフルさを歌っている、みたいな表と裏がある。ジョナス自身も表と裏がある人物だと思うんですけれど、そういうことが、ただのショーアップされた舞台で終わらせない、立体的な作品に感じさせる要因の1つなのかなと思いながら、その魅力を伝えられるように音楽に溺れないよう、しっかり役として、台詞として歌いたい」と語りました。

そして最後に竹内さんから「僕自身はミュージカルが2回目で、でももしかしたら今後はやらないかも。そのくらいの熱量で、この作品に挑むつもりでいます。どうせやるんだったら、歴史に残るミュージカルにしちゃいたいなと。カンパニーみんなでものすごく大きな波を作っていきたいと思います。全員でぶちかまします」と熱い意気込みが語られ、会見が締め括られました。

撮影:山本春花

ミュージカル『奇跡を呼ぶ男』は4月4日(土)から4月24日(金)まで東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)、5月1日(金)から5月3日(日)まで大阪・フェニーチェ堺 大ホール、5月8日(金)から5月10日(日)まで福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール、5月15日(金)から5月17日(日)まで愛知・名古屋文理大学文化フォーラム(稲沢市民会館)にて上演が行われます。公式HPはこちら

Yurika

エネルギー溢れる製作発表会見となり、本番への期待も高まりました。パワフルな楽曲と、エネルギッシュなキャスト陣が創り出す“奇跡”を見届ける日が楽しみです。