新しい環境、新しい人間関係、そして新しい自分。春の新生活はときめきと同時に、ちょっとした緊張や不安も連れてくるものですよね。そんなとき、新生活にぴったりのミュージカルソングを聴いてみませんか。

舞台の上では、キャラクターたちが悩み、迷い、それでも前を向いて歌い続けています。そのまっすぐな歌詞や歌声は、思いがけず自分の気持ちに重なることがあるかもしれません。

本記事では、あなたの新生活に背中を押してくれるミュージカルソングを4曲ご紹介します。通勤・通学のお供に、休息時間に、ぜひ聴いてみてください。

 私のお気に入り|『サウンド・オブ・ミュージック』より

1曲目は、1959年にブロードウェイで上演されてから、現在も世界中で愛される『サウンド・オブ・ミュージック』からご紹介します。

『サウンド・オブ・ミュージック』は、1938年、第二次世界大戦直前のオーストリアが舞台となっています。

修道院で修行中のマリアは歌うことが大好きで、いつも院を抜け出しては山へ歌いに出かけていました。そんなある日、修道院長のはからいで、退役海軍士官トラップ大佐の7人の子どもたちの家庭教師として派遣されることに。軍隊式の厳しい躾で育てられた子どもたちに、マリアはギターを片手に歌を教え、少しずつ心を開いていきます。

「私のお気に入り」は、雷が怖くて怯えているトラップ家の子どもたちに、マリアが「泣きたいときは 楽しいことを考えるの」と提案した場面で歌われるナンバーです。

“バラの上の露 子ネコのひげ
磨いたケトルに ふんわりミトン
ちょうちょ結びの贈り物”

マリアが歌のなかで挙げる「お気に入り」たちはどれもささやかなものですが、思い出すと心があたたかくなるものばかり。最初は怖がって不安そうにしていた子どもたちが、次第に自分たちの好きなものを思い浮かべて明るい顔になっていく様子が印象的です。

新生活では楽しいこと、ワクワクすることも多い反面、新しい環境や出来事に戸惑ったり不安に思うこともありますよね。そんな時、この曲を聴いて自分だけのお気に入りを思い出すと、元気と勇気を取り戻せるかもしれません。

レット・イット・ゴー~ありのままで~|ミュージカル『アナと雪の女王』より

ディズニーのミュージカル映画の大ヒット作『アナと雪の女王』から、本作のメインテーマ曲でもある「レット・イット・ゴー~ありのままで~」をご紹介します。

本作は、アレンデール王国の姉妹、エルサとアナの物語です。雪や氷を操る魔法の力を持つ姉エルサは、幼いころ誤って妹のアナを傷つけてしまったことから、その力を深く恐れるようになりました。感情を押し殺し、人目を避けて生きてきたエルサが女王として戴冠する日、ある出来事をきっかけに王国は永遠の冬に閉ざされてしまいます。

「レット・イット・ゴー~ありのままで~」では、それまで不思議な力を抑え続けてきたエルサが、初めてありのままの自分で生きることを決意する心の動きが描かれています。

“ありのままの 姿見せるのよ
ありのままの 自分になるの”

このフレーズに勇気をもらう方も多いのではないでしょうか。今までと違う環境に身を置いても、いつも“ありのままの自分”でいられるように、心を鼓舞してくれる1曲です。

ポピュラー|ミュージカル『ウィキッド』より

新しい環境に向けて、自己プロデュースが大切だと思う方も多いのではないでしょうか。新生活が始まる際に、心の中に“人気者”マインドを持ってみるのはいかがですか?

アメリカで最も有名な童話『オズの魔法使い』の前日譚として、のちに悪い魔女と呼ばれることになるエルファバと、のちの善き魔女・グリンダの友情を描いたミュージカル『ウィキッド』。

劇中で歌われる「ポピュラー」は、誰からも好かれる女の子であるグリンダが、エルファバへの友情の証に人気者になるコツを教える場面で歌われます。コミカルでキュートなこのナンバーは、特に人気が高い1曲です。

“ポピュラー いいわね ポピュラー
大事なことよ ポピュラリティ
多くの人に受け入れられる これこそが 一番大事なの”

曲の中でグリンダが教える人気者の条件は、少し毒舌でユーモラスで、核心をついたものばかり。キュートで少し計算高いグリンダの歌を聴きながら、理想の自分を軽やかに楽しんでみてくださいね。

Tomorrow|ミュージカル『アニー』より

新生活に向けたミュージカルソングといえば、やはりこの曲は外せません。日本でも1978年の初演以降、長年にわたり愛され続けているミュージカル『アニー』より「Tomorrow」です。

1933年、世界大恐慌直後のニューヨークが舞台の本作。孤児院で暮らす11歳のアニーは、いつか両親が迎えに来ると信じながら、逆境にもひるまず元気いっぱいに生きています。「Tomorrow」は、どんな状況でも笑顔と希望を忘れないアニーが歌う、ミュージカルのメインナンバーです。

“朝が来ればTOMORROW 涙のあとも消えていくわ
TOMORROTOMORROW
I LOVE YA TOMORROW
明日は幸せ”

辛いことがあっても、悲しいことがあっても、それでも必ず明日はやってくる。そして、次の日にはまた太陽が昇るという、未来への美しい希望が歌われた1曲です。

未来へ向けて前を向くあなたの背中をそっと押してくれる、そんな美しいミュージカルソングです。

糸崎 舞

映画『アナと雪の女王』が日本で公開された当時、大学を卒業したばかりで新生活を控えていました。その時『レット・イット・ゴー~ありのままで~』を何度も聴いて、自分を鼓舞していたのを覚えています。 すばらしいミュージカルソングたちが、あなたの背中を押してくれることを願っています!