ミュージカルの名曲からポップス、ディズニーソングまで――。小池徹平さん、宮澤エマさん、西川大貴さん、上山竜治さんが“今、本当に好きな曲”を持ち寄ったライブ『THE FAVORITE』が、2026年5月18日にコットンクラブで開催されました。今回Audienceでは、最終リハーサルから本番、終演後インタビューまで独占密着。その場で生まれた即興セッションや、4人ならではの温かな空気をお届けします。

“ここでしか観られない”コラボレーションが続々誕生

本番数日前に行われた最終リハーサルに伺うと、スタジオでは宮澤さん、西川さん、上山さんがコーラスとして参加する小池さんの披露曲「The Soul of a Man」のリハーサル中。

美しいハーモニーが響き、小池さんも「贅沢だね」と笑顔に。宮澤さんは「かっこよくやろうね!」と意気込みます。

小池さん、宮澤さん、上山さんが共演した『メリリー・ウィー・ロール・アロング』の楽曲「Our Time」は西川さんのタップと共に4人で歌唱。西川さんの軽快なタップに、小池さんは「真似したくなる!」と体を動かします。

リハーサルは猛スピードで進みながらも、「この曲はお客さんに乗ってもらいたいから気持ちテンポアップしたいです」と会場の空気を考えながら細やかな調整が入ります。

ディズニーの楽曲を歌い繋いでいく「愛のメドレー」では、宮澤さんの相手役を3人が奪っていくスタイルに思わず笑いが起こりながらも、「本番は笑っちゃだめだよ!」と口々に言い合う4人でした。

想定よりも早く歌のリハーサルが終わり、続いて当日の動きを確認することに。プロデューサーとして率先して動いていた上山さんですが、思考がこんがらがってフリーズ…するとすかさず小池さん、宮澤さん、西川さんが「分かった、ここはこうじゃない?」とサクサク動きを決めていき、あっという間に「できた!」と完了。

いよいよ動きをつけながらの通しリハーサルへ。こちらもスムーズに進行されていく中で、上山さんから「聞き流してもらって良いんだけれど、「この人生は夢だらけ」でも大貴のタップを入れてみるのはどう?」と提案が。宮澤さんも「良いね!」と頷き、西川さんは「できるよ」とすぐさま即興でセッション。

楽曲がさらに華やかに盛り上がる様を見て、大きな拍手が湧き上がります。今回ならではのスペシャルなコラボが決まり、リハーサルが終了しました。

『ウェイトレス』からサザンまで、“Favorite”が詰まったセットリスト

そして5月18日、『THE FAVORITE』はコットンクラブで開演。

西川さんのタップで会場を盛り上げ、小池さん、宮澤さん、上山さんの思い出の楽曲「Our Time」が歌われます。

コットンクラブならではの近い距離感で行われる特別なライブ。観客たちもじっくりと聴き入ります。

第一部ではここから宮澤さんが2021年に出演したミュージカル『ウェイトレス』より「She Used to Be Mine」と、椎名林檎さんの名曲「この人生は夢だらけ」を歌唱。「She Used to Be Mine」ではしっとりとエモーショナルに歌声を響かせ、「この人生は夢だらけ」では歌詞の一言一言をチャーミングに表現して魅了します。

続いて上山さんが2004年に初ミュージカルとして出演し「トラウマになるくらい難しかった」という『イントゥ・ザ・ウッズ』の「Giants in the Sky」を歌唱。スティーヴン・ソンドハイム氏独特の難解なメロディで作品の世界に惹き込みます。そして、浜田省吾さんの「もう一つの土曜日」をしっとりと。お酒を飲みながら観られるコットンクラブの空気感にピッタリとマッチします。

次に披露されたのは、「リハーサルでは笑わないで出来たことがない」と語ったディズニー愛のメドレー。小池さん・宮澤さんによる「A Whole New World」、宮澤さん・西川さんによる「とびら開けて」、

宮澤さん、上山さんによる「愛を感じて」、

と宮澤さんの相手役を奪い合いながら、最後は宮澤さんが上山さんを押し退けて1人で「Let It Go」を高らかに響かせ…最後は3人も加わり、メドレーが締め括られました。名ナンバーの数々とユーモラスな歌唱スタイルに、観客からも笑顔が溢れます。

後半戦では西川さんが子役から大人キャストへと変わったタイミングで出演したミュージカル『THE BOY FROM OZ』から「Once Before I Go」を歌唱し、伸びやかな歌声で会場を包み込みます。続いて「オー・シャンゼリゼ」をタップとともに軽やかに歌唱し、会場からも手拍子が鳴り響きます。

そして小池さんは『キンキーブーツ』より「The Soul of a Man」を宮澤さん、西川さん、上山さんのコーラスと共に披露し、荘厳な歌声に思わず涙を拭う観客の姿も。

続いて歌唱する楽曲がサザンオールスターズの「LOVE AFFAIR~秘密のデート~」だと発表されると驚きの声が上がります。さすがはサザンオールスターズの名曲、自然と手拍子が生まれ、会場が一体感に包まれました。

そして最後の楽曲はミュージカルファンお馴染み、『レ・ミゼラブル』の「民衆の歌」。歌い出しが女性の宮澤さんという、今回ならではの編成で歌唱されました。アンコールでは再び「Our Time」を披露。

俳優にとってミュージカルの楽曲というのは特別な意味を持つはずです。作品との出会い、楽曲との出会い、役との出会いによって自分自身も知らなかった一面が引き出されたり、生涯忘れられない景色に出会ったり。そしてそれは観客も同じ。『THE FAVORITE』には今この時を飛び越え、そういった特別な瞬間を思い起こす力があります。さらにポップスソングを俳優が歌うとこんなにも物語が立ち上がっていくのだ…という新鮮な驚きも詰まったライブとなりました。

「ミュージカルをもっとカジュアルに」第一部終了後の出演者にインタビュー!

第一部終了直後、和やかな空気のまま行われたインタビューでは、4人ならではの軽快な掛け合いが続きました。

−第一部を終えていかがでしたか?
上山「どうだった?」

西川「歌いながら突然肩組んでくるからびっくりした(笑)」

小池「すごいね、自由であちこちに泳ぎ回るイメージだね」

上山「え、大丈夫だったかな?」

宮澤「大丈夫だったかはお客様に聞いてみないと分からないけれど(笑)、上山竜治という人間の魅力はすごく伝わったと思うよ」

上山「僕としてはみんなの魅力を伝えたかったんだけど…」

宮澤「それはみんな自分たちで出来るから大丈夫(笑)。お客様からしてみたら、どんな会になるんだろうとなかなか分からなかった方もいた中で、アットホームな空気でコンセプトが伝わったんじゃないかな」

上山「良かった。やっぱりみんなの個の力の強さを実感したな。1人1人が各々の楽曲でもうその世界に持っていってくれるから、そこに学ぶところも多かったし、それをお客様に観ていただけて超嬉しかった。特別なセッションもあったし、敷居が高いと思われがちなミュージカルをカジュアルに観てもらえたら、という思いで企画したので、楽しんでいただけていたら嬉しいです」

西川「竜治さんはずっと一貫していますよね。過去にやった音楽フェス『The Musical Day』でも“ポップコーンを食べながらミュージカルを観てほしい”という思いをずっと語っていたから」

上山「ロンドンでミュージカルを観た時に、観客がお酒を飲んだりアイスを食べながら観ていて、凄く良いなと思ったんです。日本の演劇に集中するスタイルも良いけれど、もっとカジュアルに楽しめるものも増えたら良いなと思って」

小池「今回の『THE FAVORITE』ではまさに食事をしながら楽しんでいただけたので、目指していた空間ができたんじゃないかな。お客様のリアクションを見ていても、温かい空気の中で楽しんでくれている感じがしたよ」

−小池さんがサザンオールスターズの「LOVE AFFAIR~秘密のデート~」を披露されたのは初めてでしたか?
小池「カラオケでは本当によく歌っているんですけれど、ステージで歌ったのは初めてです。最初はギターの弾き語りをやろうかと話していたのですが、ファンの皆さんの前ではよくやっているので、せっかくの機会なら普段あんまりやらないものが良いかなと思って。みんなが知っている楽曲で、90年代辺りのナンバーが良いなと思って選びました。みんながすごい手拍子で乗ってくれてめっちゃ楽しかったです」

西川「拳突き上げて盛り上がってました!」

小池「見えてたよ!」

−宮澤さんは椎名林檎さんの「この人生は夢だらけ」を西川さんのタップとのコラボで歌われましたね。
宮澤「今回の『THE FAVORITE』のテーマに合うポップスソングって何だろうと思った時に、椎名さんの楽曲はミュージカル調なものが多いし、「この人生は夢だらけ」は大好きな楽曲だったので可愛いかもと思ってチャレンジしました。心強い助っ人もいてくれたので」

西川「ありがとうございました!」

小池「良いコラボで素敵だったよ」

宮澤「さすが名プロデューサー!」

上山「いや、思いつきで…(笑)」

西川「本番もお話ししたんだけれど、竜治さんがすごく僕のタップを気に入ってくれて、竜治さんに呼んでいただくライブでばかりタップを踏んでいるんですよ。自分のライブでも最近はそこまで踏んでいないし、ミュージカルでもその機会がないから。3曲も踏ませていただいて嬉しかったです」

上山「こちらこそ!ここでしか出来ないコラボもいっぱいできて嬉しかったです。ありがとうございました!!」

撮影:山本春花

Yurika

今回、リハーサルから密着させていただき、改めて百戦錬磨の皆さんだからこそのスピード感に驚きました。そして、ミュージカル俳優の皆さんならではの「音楽で物語を伝える力」が大好きなのですが、それがとっても詰まったライブであることに大感動でした。