12月に上演が決定したPARCO PRODUCE 2023ミュージカル『ジョン&ジェン』。出演者はなんとたった2人だけ。ピアノ・チェロ・パーカッションの生演奏と共に描く家族の物語に、森崎ウィンさん・田代万里生さん、新妻聖子さん・濱田めぐみさん(Wキャスト)が挑みます。

姉と弟、母親と息子の関係性を描く“2人ミュージカル”

ミュージカル『ジョン&ジェン』は、『アダムス・ファミリー』『ビッグ・フィッシュ』などで作詞・作曲を担当したアンドリュー・リッパさんの原点となるミュージカル作品。歌詞・脚本を務めたトム・グリーンウォルドさんは、元々舞台作品の広告・マーケティング会社のクリエイティブ・ディレクターとして『レント』『シカゴ』『アヴェニューQ』などの広告を務めた人物です。

1995年にオフ・ブロードウェイで初演された本作は、アメリカの変わりゆく社会を背景に、親子や姉弟(きょうだい)の関係性を描く物語。第1幕では1985年に少女ジェンの家にジョンが生まれたところから、父親からの暴力、10代になってからの姉弟のすれ違い、同時多発テロ・イラク戦争から大きく変わっていく2人の人生を描きます。

そして2幕では2005年、ジェンが息子にジョンと名付けて過保護に育てるも、叔父とは全く異なる人間に成長していく親子の関係を描きます。同じ“ジョン”という名前かつ親族でありながら、別の人生を歩む2人のジョンを1人の俳優が演じるのも見どころの1つ。

ウィットに富んだ台詞と、ピアノ、チェロ、パーカッションの生演奏が奏でる美しい旋律が魅力の作品です。日本版で演出・翻訳・訳詞・ムーブメントを手がけるのは、国際的に活躍する市川洋二郎さん。音楽座や劇団四季を経て、ロンドンやNYで演出家として活動する傍ら、日本では翻訳・訳詞家としても定評のある市川さんが本作の日本初演を手がけます。

森崎ウィン・田代万里生×新妻聖子・濱田めぐみ

2人で紡ぐミュージカルという、稀有な注目作に挑むのは、森崎ウィンさん、田代万里生さん、新妻聖子さん、濱田めぐみさんと、確かな実力と華やかさを兼ね備えた4名です。

「2人ミュージカル。この言葉に心を奪われ運命だと感じ、今作のキャストの一員として加わらせて頂きました」と本作への期待を語ったのは、『ジェイミー』や『ピピン』『SPY×FAMILY』など注目作への出演が続く森崎ウィンさん。

森崎さんとジョン役に挑むのは、直近では『マチルダ』での好演も話題となり、9月からは『アナスタシア』、24年3月からは『カム フロム アウェイ』への出演も発表されている田代万里生さん。ジョンという役柄について、「僕は、1幕では【弟のジョン】、そこから時が経った2幕では【息子のジョン】、名前は同じですが異なる2役を演じます。どちらも子供から大人のシーンまで演じますが、なんと冒頭の僕の登場シーンは5歳!一体どうなってしまうのか!?」とコメント。どんな登場シーンが出来上がるのでしょうか。

「毒親、思春期、トラウマ、子離れ。誰もが必死に乗り越えるべきことに立ち向かいながら、より良い自分を目指して今を生きている。人生のもどかしさや歓びを同じ空間で味わって頂けるような、そんな芝居になる予感がしています」と語ったのは、ミュージカル業界ではもちろん、音楽番組等でも活躍を続ける新妻聖子さん。

『メリー・ポピンズ』『バンズ・ヴィジット 迷子の警察音楽隊』や『ファインディング・ネバーランド』などで活躍を続ける濱田めぐみさんは「物語の構成に凄く興味が湧きました。音楽の素晴らしさと芝居の枠組みがシンプルだからこそ際立ってクッキリと見えてくる作品」とコメント。

PARCO PRODUCE 2023 ミュージカル『ジョン&ジェン』は2023年12月9日(土)から12月24日(日) まで東京・よみうり大手町ホール、12月26日(火)から12月28日(木) まで大阪・新歌舞伎座にて上演されます。東京公演の一般チケット発売は8月19日から。詳細は公式HPをご確認ください。

Yurika

1985年から現代のアメリカという、私たちにとっても身近な舞台設定の作品。年末、普遍的なテーマである家族の関係性について、深く考える作品になりそうです。