今回ご紹介するアリス・ファーンさんはウェストエンドで活躍するイギリスのミュージカル女優。『WICKED』エルファバ役で一躍有名になり、現在は9.11をテーマにした話題作『COME FROM AWAY』で女性パイロット・ビバリー役にキャスティングされています。豪快にも繊細にも変化する歌唱力と表情豊かな演技力で観客を惹きつける彼女。その紹介に、どうぞお付き合いください!

01 遅咲きで掴んだ「史上最高」の称賛

アリスさんは2004年『ウーマン・イン・ホワイト』で初舞台を踏み、『レ・ミゼラブル』アンサンブル(ファンテーヌ/コゼットの代役を兼任)等に出演。『マンマミーア』『イントゥ・ザ・ウッズ』『レ・ミゼラブル』をはじめ数々のミュージカル映画ではアンサンブルコーラスとして出演しました。

2016年にエルファバという大役を掴みますが、初めは主演女優が病欠や休暇を取った日だけ役を演じる「スタンバイ」としての契約。他の日は舞台に立たず、劇場のリハーサル室で役と向き合う日々が1年続きました。2017年、満を辞して主演の座に就いた彼女は瞬く間に観客の支持と「史上最高のエルファバ」という称賛を獲得。2019年、惜しまれながら『WICKED』を卒業しました。

彼女が高評価を得る理由は、演じる役の感情を大切にし、高い歌唱力をあくまでも表現方法のひとつとして使っていること。密かに動く感情の表現が絶妙で、感情が言葉となり音楽にのっている、という感じがします。

02 興味が湧いてきたあなたにオススメの3曲!

エルファバの代表曲は、彼女の表現力で決心が強く鋭く伝わります。最後のサビは彼女独自のアレンジを加える注目ポイント。現地ファンは毎公演変わるそのアレンジの動向を追っかけていました。

彼女の歌声が持つ、話し言葉をそのままメロディに乗せたようなフレーズ感と、挑戦的でパワフルな地声。この二つの強みを使い分け、曲中の抑揚をデザインした、感情表現たっぷりの歌い方が心に響きます。

コメディエンヌばりの間と演技でクスッと笑わせてくれるこちら。ピアノ奏者に恋をしている歌手が、自分の歌に合わせて伴奏してくれる彼との妄想を膨らませるという内容の曲をライブ披露した時の映像です。くるくる変わる表情と観客の笑い声につられて、つい笑顔になってしまいます。

Sasha

SNSでファンと交流したり、後輩の育成指導や新作ミュージカルのワークショップをしたりと、舞台出演以外にも積極的に参加しているアリスさん。コロナで劇場閉鎖になった2020年には、早期に配信プラットフォームを立ち上げ、自宅の庭にゲストを呼んで配信ライブを行いました。精力的な彼女の姿には、彼女自身の舞台俳優としての誇りを感じます。 彼女の歌声はiTunes、公式YouTubeなどで楽しんでみてくださいね。 アリス・ファーン公式ホームページはこちら