俳優の岸谷五朗さんによる新しい演劇プロジェクト「PRIME VINsTAGE(プライム ヴィンテージ)」の旗揚げ公演『ジャコメッティのように』が、2026年7月に東京・大阪で上演。小劇場の空間だからこそできる芸術創造を追い求め、熱い挑戦が始まります。
アルベルト・ジャコメッティを題材にしたオリジナル舞台
舞台『ジャコメッティのように』は、芸術家のアルベルト・ジャコメッティの生涯と周囲の人間模様をモチーフにしたオリジナル作品です。
飽くなき探求心から創作に囚われ没頭する芸術家と、彼を愛するがゆえに静かに支える妻。そんな2人の世界に狂気さえ感じながらも惹きつけられ、呑み込まれていく友人。数奇な運命で結び付いた3人の関係は、現代を生きる3人の登場人物にも強い影響を及ぼしていました。芸術とは、愛とは、そして生きる意味とは一体何なのか。ジャコメッティの精神に導かれながら、今この時を懸命に生きる人々に向けた人間賛歌が立ち上がります。
アルベルト・ジャコメッティは20世紀を代表するスイス出身の彫刻家・画家で、パリを拠点に活動。とりわけブロンズ彫刻に関しては、人間の身体を針金のように細長く引き伸ばした独自の表現を確立したことで知られています。妻のアネットは数々の作品でモデルを務め、ジャコメッティの死後には膨大な作品の収集と管理に力を注ぎました。また、日本人哲学者の矢内原伊作とも親密に交流しており、実際に矢内原をモデルとした作品がいくつか残されています。
「見えるがままに表現する」ことを追求し、対象の本質に迫ろうとしたジャコメッティ。創作を通じて人間を見つめ続けた彼の生き様からどんな物語が紡がれるのか、今から楽しみになります。
<あらすじ>
あのピカソでさえ接触を願った、唯一無二の彫刻家アルベルト・ジャコメッティ。その鬼気迫る作品群は、まさに“生き様”そのものだった。そこには、「無償の愛」で彼を支え続けた妻・アネット、そして日本人哲学者・矢内原伊作の偉大なる「存在」と「力」があった。
三人の数奇な日常と、凄まじい“愛の形”が、永遠の芸術を生み出していく。時は流れ、現代。彼らの精神に導かれるように生きる人々もまた、笑い、泣き、時に吠えながら、必死に自分だけの人生を航海していた。
「運命に逆らうことはできない。だが、寄り添ってやることはできる。」
人は、生まれた瞬間から死へ向かって生き始める。他人を愛する喜び。自分を愛する難しさ。彼らもまた、“生きる意味”を模索し続ける。そんな健気で切ない三人の“必死な人生”が、今、光り始める——。
岸谷五朗が目指す、「小劇場空間でしかありえない芸術創造」
本作は、俳優の岸谷五朗さんが立ち上げる演劇プロジェクト「PRIME VINsTAGE」の旗揚げ公演となります。
岸谷さんはこれまで舞台からドラマ、映画に至るまで数多くの作品に出演し、さまざまな役を柔軟に演じて唯一無二の存在感を放っています。また、1994年に寺脇康文さんと結成した演劇企画ユニット「地球ゴージャス」では全ての演出を手掛けているうえに、多くの作品で脚本も担当。メンバーを固定せず、毎回ゲストを迎えるプロデュース公演のスタイルによって表現の化学反応を引き起こし、2024年の30周年記念公演『儚き光のラプソディ』も大きな話題を集めました。
このほか、ミュージカル『キンキーブーツ』の日本初演時より日本版演出協力・上演台本を務めるなど、作り手としての才能もいかんなく発揮しています。
第一線で活躍し続ける岸谷さんですが、「地球ゴージャス」が大劇場の常連となるほど進化できたのは小劇場での創作活動を経たからである一方、その時代に向き合えていないという悔しさが心の片隅に引っかかっていたといいます。そして、演劇生活40年を超えた今だからこそ、若い頃の自分を育ててくれた小劇場の空間でしかありえない芸術を創造したいと決意。小劇場への熱い思いを原動力に、「地球ゴージャス」とはまた違った表現を模索するべく「PRIME VINsTAGE」を始動させます。プロジェクト名には「年代を超えて最高に価値のあるものを創り出す」という意味が込められており、日本全国はもちろん、海外進出を見据えて作品づくりに挑みます。
本作ではジャコメッティに長く心惹かれてきた岸谷さんが作・演出を担い、さらには出演もするとあって、期待せずにはいられません。
確かな実力と個性が光る共演者にも注目
岸谷さんとともに本作に出演するのは、個性豊かな4名。
その1人が、舞台や映像作品など幅広いジャンルで活躍する俳優の渡部豪太さんです。なかでも2015年から約10年にわたって放映されたNHKの教養・旅番組『ふるカフェ系 ハルさんの休日』では、日本各地の古民家カフェを訪れるインフルエンサー役を好演。飾らない雰囲気で地域の人々と交流しながら、古民家カフェの魅力をお茶の間に届けました。また、2024年の舞台『セツアンの善人』や2025年の舞台『近松心中物語』、音楽劇『三文オペラ 歌舞伎町の絞首台』など、演劇においても実力を発揮。直近の2026年4月には、東京の新劇場・EX THEATER ARIAKEのこけら落とし公演『AmberS-アンバース-』に出演しました。岸谷さんとの共演は、2023年の音楽劇『歌うシャイロック』以来となります。
また、俳優だけでなく歌手としても精力的に活動する純名里沙さんが、本作で3年ぶりに舞台に戻ってきます。宝塚歌劇団の花組トップ娘役として人気を博し、在団中の1994年にはNHK朝の連続テレビ小説『ぴあの』で主演。ヒロイン役に加えて主題歌を歌ったことでも注目を浴びました。退団後もテレビに舞台、映画、ラジオ、CMと多岐にわたって出演し、2001年に主演した香港映画『夜間飛行』では主題歌「風を感じて」が台湾のベスト・オリジナル・フィルムソング賞(金馬奨)を受賞。優れた演技力と高い歌唱力を併せ持つ実力派です。純名さんはかつて「地球ゴージャス」の第3弾『地図にない街―DOHENEKE‐HEKISHIN―』と第4弾『さくらのうた~幻の夏…忘れさられた小さな心たちへのレクイエム』に参加しており、今回26年ぶりに岸谷さんと共演します。
さらに、俳優・舞踏家の麿赤兒さんが主宰する舞踏カンパニー「大駱駝艦(だいらくだかん)」から、小田直哉さんと石井エリカさんが出演。身体を駆使した表現を強みとする2人がどのような形でストーリーに絡むのか、非常に気になります。
PRIME VINsTAGE『ジャコメッティのように』は、2026年7月17日(金)から8月2日(日)まで東京のシアター・アルファ東京にて、8月13日(月)から20日(日)まで大阪のABCホールにて上演されます。チケットの一般発売は東京が6月22日(月)、大阪公演が7月18日(土)より開始予定です。このほか公演に関する詳細は公式HPをご確認ください。
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「PRIME VINsTAGE」第一弾の題材となった芸術家ジャコメッティの生き方は、岸谷さんの演劇に対する情熱に相通じるものがあるように思います。濃密な小劇場だからこそ生まれる芸術のカタチを、ぜひ直に感じに行ってみては。



















