ホリプロが日本とイギリスの次世代クリエイターとともに新作オリジナルミュージカル『ニコラ・テスラ〜エジソンが恐れた孤高の天才〜』を制作。海宝直人さん、成河さん、濱田めぐみさん、昆 夏美さんという豪華キャスティングのもと、2026年9月・10月に上演されます。

天才発明家のニコラ・テスラの人生を辿る新作ミュージカル

『ニコラ・テスラ ~エジソンが恐れた孤高の天才〜』は、ホリプロがイギリス・ウエストエンドで注目される気鋭のクリエイターと共創するオリジナルの新作ミュージカルです。

作品の題材となる人物は、タイトルにも登場するニコラ・テスラ。電気技師・発明家のテスラは効率的な長距離送電を可能とする「交流(AC)送電方式」を確立させ、現代の電力供給システムの基礎を築いた功績で知られています。しかし、偉業を成し遂げるまでには大きな壁が立ちはだかっていました。

その壁とは、白熱電球の改良をはじめ生涯に1,093個の特許を取得し「発明王」と称されたトーマス・エジソン。エジソンは1880年代に「直流(DC)送電方式」を世界で初めて事業化し、電力産業の先駆者としてさらなる普及に取り組みました。

テスラは1884年にエジソンの会社に入社しますが、自ら考案した「交流送電方式」の優位性を主張したことで、エジソンと対立。ついには退職せざるを得なくなるものの、別の電力会社の協力を得て、交流発電機による電力事業を展開します。

こうした動きに反発したエジソンは、なりふり構わず交流電流の危険性を宣伝するように。テスラも負けじと対抗し、数年にわたって「電流戦争」と呼ばれる市場競争が繰り広げられました。結局、1893年のシカゴ万博やナイアガラの滝発電所に採用されたのを機に、テスラの交流電流が世界の標準規格として定着していきます。

革新的な発明やエジソンとの確執など驚きのエピソードを持つ一方で、私生活では孤独を好んだといわれるテスラ。

今回のミュージカルでは、ただ歴史上の出来事や偉業を表面的に捉えるのではなく、テスラの内面を深く掘り下げています。悩みや苦しみを抱えながらも自分の考えを信じ、人生を切り拓いていく姿に、共感を覚える人もいれば励まされる人もいるのではないでしょうか。

<あらすじ>
嵐の夜に生まれ、「闇の子」とささやかれたニコラ・テスラ。幼い頃に最愛の兄ダネを失った喪失と、父から向けられた厳しいまなざしは、彼の心に消えない影を残していた。罪悪感と孤独を抱えながらも、彼は頭の中に広がる“電気のビジョン”を頼りに、科学を通して世界を変える夢を追い求めていく。

そんな彼の前に現れるキャサリンは、テスラの才能を信じ、時に現実を突きつけながらも、彼に問いかける——「自分の人生をどう生きるのか」。彼女との出会いは、過去に縛られていたテスラの心に、新たな選択の可能性をもたらしていく。

やがてテスラは、自らの発明を武器に時代の波へと踏み出すが、その道は決して平坦ではない。周囲の期待や思惑、そして自分自身の弱さと向き合いながら、彼は何度も立ち止まり、選択を迫られる。エジソンとの対立もまた、その一つに過ぎない。

それでも彼は問い続ける——自分は何のために生き、何を成し遂げたいのか。
そして気づいていく。人は与えられた運命に縛られるのではなく、自らの意志で道を切り拓くことができるのだと。夢も希望も、その答えはすべて自分の中にあるのだと。
過去の痛み、出会いによって生まれる絆、そして尽きることのない探究心。
一人の天才が科学を通して夢を追い求め、自らの人生を選び取っていく——その軌跡を描くミュージカル。

日本とイギリスのクリエイターが共鳴

ホリプロは近年、『ビリー・エリオット〜リトル・ダンサー〜』や『メリー・ポピンズ』といった海外大型ミュージカルの日本版公演を成功させているほか、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』のアジア初上演とロングラン公演を実現。

また、日本発のオリジナルミュージカルの企画制作に力を注ぎ、海外への発信も推し進めています。2026年7月から9月までミュージカル『デスノート THE MUSICAL』のロンドンキャスト版が6週間限定で上演され、7月には中国で『白爪草』の中国プロダクション版が開幕予定です。そんなホリプロが、イギリスと日本より才気あふれるクリエイター3人を集め、新作ミュージカルを立ち上げます。

音楽・歌詞を手掛けるのは、英国演劇界の影響力ある人物ランキング「The Stage 100 UK」2024年版で“Rising Star”に選出されたソングライター兼クリエイターのニック・ブッチャーさんです。2023年に作曲・作詞を担当したミュージカル『The Little Big Things』がウエストエンドで上演されると、2024年のローレンス・オリヴィエ賞とWhatsOnStage Awardのそれぞれ3部門にノミネート。また、同作に関してはアルバム『The Little Big Things(Original West End Cast Recording)』の共同プロデュースも務め、iTunesサウンドトラック・チャートで初登場1位を記録しました。

さらに、Netflix Animationのために書き下ろした楽曲「Tornado」がエミー賞の最優秀オリジナル歌曲賞にノミネートされるなど、躍進が続いています。直近ではシェイクスピアの『マクベス』に登場する三人の魔女に着想を得たミュージカル『WEIRD』で脚本と音楽、歌詞を手掛け、2026年1月にニューカッスル・シアター・ロイヤルで世界初演された際にはチケットが完売しました。本作ではロックやポップス、エレクトリックサウンドを融合させた楽曲で、登場人物の心情をよりストレートに観客の心へと届けます。

また、同じくイギリスで活躍するクリエイターのロジャー・ディッパーさんが、本作の脚本を手掛けます。2024年に脚本と追加歌詞を担当したミュージカルコメディ『I Wish You Well』がエディンバラ・フリンジの公演で高く評価され、同年にウエストエンドでも上演。The New York Timesから「a triumph(大成功作)」と称賛されました。

現在は長編アニメーション・ミュージカルやジュークボックス・ミュージカルなど、複数のプロジェクトが進行中だといいます。一方で俳優としても活動しており、これまでにミュージカル『Matilda』『Singin’ in the Rain』『Gypsy』 など、多数の作品に出演しています。

そして、演出・翻訳にあたるのは、日本人演出家の下平慶祐さんです。一橋大学在学中の2013年に第77回四大学英語劇大会にて戯曲『Boeing Boeing』を初演出し、大会史上最年少演出家としてGrand PrizeとStage Effect Prizeを獲得。2014年に旗揚げした劇団「もぴプロジェクト」では全作品の脚本・演出を手掛けました。

また、脚本家としても才能を発揮し、2017年にもぴプロジェクト第3回本公演『マークドイエロー』で佐藤佐吉賞の優秀脚本賞を受賞。2022年の『若手演出家コンクール』では優秀賞の次点に選ばれています。さらに創作において生じるあらゆる知的作業に関わるドラマターグや通訳などの立場から作品づくりに参加。2022年の舞台『令嬢ジュリー』の翻訳・演出、2024年のNODA・MAP 第27回公演『正三角関係 / Love in Action』のロンドン版字幕、2025年の舞台『飛び立つ前に』の演出助手・ドラマターグなど、実績からも多才ぶりがうかがえます。

国境を越えて出会ったクリエイター陣がニコラ・テスラという1人の人間に真摯に向き合って紡ぎ出す人間ドラマに、期待が高まります。

日本演劇界で屈指の実力を持つ俳優4名が集結

本作では、休憩なしで約100分のストーリーがジェットコースターのように疾走。エネルギッシュで情感豊かな音楽とともに、観客を一気に世界観へ引き込みます。さらに、わずか4名のキャストが多役を演じ分けるという密度の濃い構成も大きな見どころです。

キャスト1人目は、俳優でありシンガーの顔も持つ海宝直人さんです。7歳の時に劇団四季『美女と野獣』のチップ役で舞台デビューを果たして以来、ミュージカルを中心に数多くの作品に出演。2018年にTHE HIT OPERA SHOW『TRIOPERAS』で初めてロンドン・ウエストエンドの舞台に立ちました。

近年の主な出演作にミュージカル『MURDER for Two』『ファンレター』『アナスタシア』『ミス・サイゴン』『ネクスト・トゥ・ノーマル』などがあり、2021年には第46回菊田一夫演劇賞を受賞。繊細な表現力と卓越した歌唱力で鮮やかに存在感を示し、観客を魅了しています。俳人の小林一茶を題材にした2026年のオリジナルミュージカル『ISSA in Paris』では、現代に生きる等身大の主人公を好演。また2026年8月までツアー公演中のミュージカル『レベッカ』でマキシム・ド・ウィンター役を務めています。

2人目は、確かな実力を武器にミュージカルからストレートプレイまで幅広く活躍する成河さん。大学時代より演劇を始め、これまでに多彩な役を演じて才能に磨きをかけてきました。2022年に第57回紀伊國屋演劇賞の個人賞、2025年に第32回読売演劇大賞の優秀男優賞を受賞。2025年には舞台『チ。ー地球の運動についてー』や『W3 ワンダースリー』などに出演し、2026年4月の主演舞台『ナルキッソスの怒り』で見せた圧巻のひとり芝居も話題となりました。今後は、新国立劇場の上村聡史芸術監督の就任第一作となる2026年11月の舞台『巨匠とマルガリータ』で主演する予定です。

3人目の濱田めぐみさんは、力強く伸びのある歌唱力と柔軟な演技力で日本のミュージカル界を牽引する存在。15年間所属した劇団四季では看板女優として活躍し、『美女と野獣』『ライオンキング』『アイーダ』『ウィキッド』の4作でヒロインを務めるという伝説を残しました。退団後もミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』『レ・ミゼラブル』『デスノート THE MUSICAL』など、多くの作品で印象に残る役柄を演じています。直近の2026年5月末に大千秋楽を迎えたミュージカル『メリー・ポピンズ』にて、3度目となるタイトルロールを生き生きと演じた姿も記憶に新しいところ。2027年1月には、ミュージカル『ファインディング・ネバーランド』への出演が控えています。

ちなみに海宝さんと成河さん、濵田さんは、コロナ禍を乗り越え2025年にフルバージョン上演を叶えたミュージカル『イリュージョニスト』で共演し、圧倒的な歌唱と気迫に満ちた演技を披露しました。

最後の4人目は、ミュージカル界の歌姫として躍進する昆 夏美さんです。2011年にミュージカル『ロミオ&ジュリエット』でヒロインのジュリエット役に抜擢。その後もミュージカル『ハムレット』や『ミス・サイゴン』といった大作でヒロインを演じ、キャリアを積んできました。2024年にWキャストで主役を務めたミュージカル『この世界の片隅に』では、同じくWキャストで夫役を演じた海宝さんと共演しています。2026年もすでにミュージカル『クワイエットルームにようこそ The Musical』や『奇跡を呼ぶ男』など話題作に出演。2026年12月に開幕するミュージカル『FOUR MINUTES -4分間のピアニスト-』では、天才ピアニスト役に挑戦します。

日本の演劇界が誇る最高峰の実力派が一堂に会し、新たなオリジナルミュージカルを創造する瞬間をぜひ劇場で見届けてみませんか。

ミュージカル『ニコラ・テスラ〜エジソンが恐れた孤高の天才〜』は、2026年9月6日(日)から9月29日(火)まで東京都の紀伊國屋ホールにて上演。その後、10月3日(土)・4日(日)に大阪の梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで公演を行います。チケットの一般発売は、東京公演が7月15日(水)、大阪公演が8月8日より開始予定。このほか公演に関する詳細は、公式HPをご確認ください。

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もこ

ニコラ・テスラが世紀の大発明を成し遂げたことは間違いありませんが、その裏には挫折や苦悩があり、一方で成功や喜び、幸せもあったはず。そんな視点で本作を鑑賞すると、自分自身の人生を照らす灯りが見つかるかもしれません。