ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』が2026年12月に東京・日生劇場で開幕し、全国各地を巡演します。今回の公演では、鹿賀丈史さんと市村正親さんのカップルと、佐藤隆紀さんと石丸幹二さんの新カップルによる初のWキャストとなる点も見どころです。
ブロードウェイで絶賛された傑作コメディ・ミュージカル
『ラ・カージュ・オ・フォール』は、ゲイカップルとその息子を中心に巻き起こる騒動を通じて、普遍的な愛の尊さを描いたコメディ・ミュージカルです。
もとはジャン・ポワレ原作の喜劇であり、1973年にフランスで初演されて大ヒット。1978年に映画化された際も反響を呼び、日本では『Mr.レディMr.マダム』の邦題で公開されました。
舞台と映画での成功を受け、アーサー・ローレンツさんの演出、ハーヴェイ・ファイアスタインさんの脚本、ジェリー・ハーマンさんの作詞作曲によりミュージカル化。1983年にブロードウェイで初演されるや称賛の嵐を巻き起こし、翌年のトニー賞で6部門を受賞。最終的に全1,761回のロングランを達成したことからも人気のほどがうかがえます。さらに1986年にはロンドン・ウエストエンドにて開幕し、こちらでも好評を博しました。本作は今日に至るまで繰り返し上演されており、リバイバル作品としても高く評価されています。
日本版初のWキャスト体制で4年ぶりに再演
そんな傑作ミュージカルが日本で初めて上演されたのは1985年。以来、再演を重ねながら40年以上にわたって多くの人に愛され続けています。とりわけ1993年からは、市村正親さんがゲイクラブ「ラ・カージュ・オ・フォール」の看板スター・ザザことアルバンを演じ、自身にとって当たり役のひとつに。また、2008年の公演で鹿賀丈史さんがアルバンの夫・ジョルジュ役に選ばれ、劇団四季時代からの盟友である鹿賀&市村のゴールデンコンビが誕生。それから2012年、2015年、2018年、2022年と計5回も夫婦役を熱演し、公演のたびに客席に温かな感動を届けてきました。
4年ぶりの上演となる今回、佐藤隆紀さんと石丸幹二さんの新しいカップルを迎え、日本版史上初のWキャスト公演が実現します。
2026年版の演出は、2008年より鹿賀&市村コンビとともに歩んできた演出家の山田和也さんが続投します。これまで『ジキル&ハイド』や『ダンス オブ ヴァンパイア』『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』など、日本でも人気の海外ミュージカルで演出を担当。2025年には小野不由美さんのファンタジー小説を初めて舞台化したミュージカル『十二国記 -月の影 影の海-』で演出を手掛け、原作の壮大な世界観を見事に立ち上げました。また、2026年10月まで全国ツアー公演中の舞台『キングダムⅡー継承ー』でも前作に引き続き演出を務めています。
日本版を創り上げてきたキャストとスタッフに新たなメンバーが加わり、さらなる進化を予感させる2026年の公演。往年のファンはもちろん初めて観る方も、「自分らしく生きること」や「誰かを愛すること」の大切さを語る本作に魅了されるのではないでしょうか。
<あらすじ>
南仏サントロペのゲイクラブ「ラ・カージュ・オ・フォール」オーナーのジョルジュ(鹿賀丈史・佐藤隆紀)と、看板スターの“ザザ”ことアルバン(市村正親・石丸幹二)は20年間同棲し、事実上の夫婦として生活してきた。アルバンはこのところふさぎこんでいて、ショーの出番に遅れることもしばしば。愚痴をこぼすアルバンとそのご機嫌をとるジョルジュ…いわば二人は倦怠期なのだ。ジョルジュには、24年前の過ち(?)から生まれた最愛の息子ジャン・ミッシェル(内海啓貴・山田健登)がいるが、アルバンが母親代わりとなって手塩にかけて育ててきた。そんなある日、ジャン・ミッシェルが突然結婚を宣言。その結婚相手が、よりにもよってゲイクラブを厳しく取り締まるべきだと主張する政治家ダンドン議員夫妻(今井清隆&森 公美子)の娘アンヌ(潤 花)で、家族揃って挨拶に来ることになったので、さあ一大事!ジャン・ミッシェルはジョルジュに、一晩だけ《普通の家族》に見えるよう取り繕ってくれるよう懇願し、そのうえ、ずっと会っていない実の母親を呼んで欲しいと頼みこむ。それを聞いたアルバンは深く傷つくが、ジョルジュの説得によりジャン・ミッシェルの頼みを受け入れ、叔父として同席するために慣れない“男装”の訓練をするハメに。ところが、実の母親が急きょ来られなくなってしまい事態はさらに複雑に!!アルバンはついに、女装して母親としてダンドン一家と対面することを決意、馴染みのジャクリーヌ(香寿たつき)の店での食事会は、ひとまず大成功に終わるはずだったのだが…。
Wキャストの主役カップルをはじめキャストは実力派揃い
本作のメインキャラクター、ジョルジュとアルバンのWキャストについて、まずは6度目のタッグとなる名コンビからご紹介します。
ジョルジュ役の鹿賀丈史さんは、1973年に劇団四季のロックオペラ『イエス・キリスト=スーパースター』で初舞台ながら主役に抜擢されて以降、数々の作品で実力を発揮。退団後はミュージカルと舞台を中心としながら、ドラマや映画でも活躍しています。なかでもミュージカル『レ・ミゼラブル』では1987年の日本初演時にジャン・バルジャンとジャベールを交互に演じ、その後も長らくジャン・バルジャン役を務めました。また、近年は『生きる』や『ある男』など、日本発のオリジナルミュージカルにも意欲的に挑戦しています。
アルバン役の市村正親さんは、鹿賀さんと同じ劇団四季の作品でデビュー。在団時代はお互いに切磋琢磨してきた旧知の仲です。退団後もミュージカルからストレートプレイまで幅広く出演し、一人芝居の企画「市村座」を立ち上げるなど、精力的に活動。役者生活50周年の2023年にはこれまでの実績が評価され、第44回松尾芸能賞の大賞を受賞しました。本作のほかにもミュージカル『ミス・サイゴン』のエンジニアや『屋根の上のヴァイオリン弾き』のテヴィエなど、再演のたびに演じている役も多く、卓越した演技力と唯一無二の存在感で日本の演劇界を牽引しています。
ミュージカル界のレジェンドと称される2人が、今この年齢になったからこそできる表現を追求し、固い絆で結ばれた夫婦役で再び舞台に立ってくれることに喜ばずにはいられません。
続いて紹介するのは、もう1組の主役カップルです。
ジョルジュ役の佐藤隆紀さんはボーカルグループ「LE VELVETS(ル・ヴェルヴェッツ)」のメンバーで、柔らかく安定感のあるテノールの歌声が持ち味。音楽活動の一方で、2015年のミュージカル『タイタニック』を皮切りに、『エリザベート』や『レ・ミゼラブル』などグランドミュージカルに出演する機会も増えています。2026年3月には、ミュージカル『ジキル&ハイド』でWキャストのタイトルロールに初挑戦したことで大きく注目を集めました。
アルバン役の石丸幹二さんは、鹿賀さんや市村さん同様、劇団四季出身。看板俳優として活躍し、退団してから現在に至るまで、舞台のみならず映像作品、音楽分野へと活動の場を広げています。優れた歌唱力と豊かな表現力により多彩な役を演じ、舞台だけでも出演作は枚挙にいとまがありません。2026年9月から10月にかけては舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』にハリー・ポッター役で参加。さらに2027年3月にはミュージカル『ラグタイム』の上演が控えています。
申し分ない実力者である2人がどうやって夫婦の愛を紡いでいくのか、ぜひ見届けてください。
ジョルジュの息子・ジャンもWキャストとなっており、内海啓貴さんが鹿賀&市村ペア、山田健登さんが佐藤&石丸ペアの公演に登場予定です。
内海さんは2022年の公演でもジャン役を務めていて、今回が2度目。ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンの日吉若役で人気を博し、その後さまざまなミュージカルで経験を積んできました。2026年もミュージカル『レイディ・ベス』やブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』など話題作への出演が続き、着実に力をつけています。
山田さんはシンガーソングライター・ダンサー・俳優とマルチに活動。2024年にはミュージカル『レ・ミゼラブル』のマリウス役に抜擢され、2026年のミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』ではエディ役でW主演を務めました。直近の8月まで舞台『HiGH&LOW THE 戦国 外伝』に出演しており、今勢いに乗る若手俳優が歴史ある本作に初めて挑みます。
また、ジャンの恋人・アンヌ役を演じるのは初参加の潤 花さんです。元宝塚歌劇団の宙組トップ娘役であり、退団後は舞台やドラマのジャンルで俳優活動に注力。ミュージカル『二都物語』や『ISSAinParis』など、それぞれの作品で世界観に溶け込みながら印象に残るヒロインを演じています。
アンヌの父・ダンドン議員役は、2008年公演から通算6度目となる今井清隆さん。劇団四季を経て多数のミュージカルに出演し、力強い歌声と柔軟な表現力を活かした演技で、観客の心を掴んできました。現在は2026年9月27日までオリジナルミュージカル『アニオー姫』の世界初演に参加しており、第一線での活躍が光ります。
アンヌの母・ダンドン夫人役は、なんと1985年の初演から変わることなく森 公美子さんが続投。まさに日本版の歴史そのものといえるでしょう。森さんはコンサートにオペラ、ミュージカル、テレビと多岐にわたって活動。特にミュージカル界では、圧倒的な歌唱力と心温まるユーモアセンス、チャーミングな立ち居振る舞いで誰にもまねできない個性を放っています。
ダンドン一家との食事会が開かれるレストランの経営者であるジャクリーヌ役には、香寿たつきさん。香寿さんも2008年公演からの継続メンバーであり、6度とも同役を務めています。かつては宝塚歌劇団星組トップスターとして、そして今は俳優としてミュージカルやストレートプレイで活躍。主な出演作に『エリザベート』や『モーツァルト!』『ラブ・ネバー・ダイ』などがあり、豊富な経験に裏付けられた実力で本作を盛り上げます。
このほかジャコブ役の花井貴佑介さん、ムッシュ・ルノー役の林アキラさん、フランシス役の日比野啓一さん、ルノー夫人役の園山晴子さんらがキャストに名を連ねます。
ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』は、2026年12月9日(水)から29日(木)まで東京・日生劇場にて上演。その後、2027年1月9日(土)から11日(月・祝)まで愛知県の愛知県芸術劇場 大ホール、1月19日(火)から24日(日)まで大阪府の梅田芸術劇場メインホール、1月30日(土)・31日(日)に岡山県の岡山芸術創造劇場 ハレノワ 大劇場、2月6日(土)から8日(月)まで埼玉県のウェスタ川越 ヤオコー大ホールで公演を行います。チケットの一般発売は、東京公演が9月30日(水)、愛知・大阪公演が10月3日(土)、岡山公演が10月17日(土)、埼玉公演が11月27日(金)より開始予定。公演に関する詳細は、公式HPをご確認ください。
鹿賀さんと市村さんが繋いできた本作の歴史を、共に担うことになった佐藤さんと石丸さん。それぞれ愛と魅力に満ちた夫婦を演じられると思うと、どちらのペアも観たくて仕方ありません!




















