10月23日(金)に本公演初日を迎えたミュージカル『ミス・サイゴン』。開幕を前にシーン披露と開幕記念会見が行われ、エンジニア役の駒田一さん・東山義久さん・桐山照史さん、キム役の屋比久知奈さん・清水美依紗さん・ルミーナさん、クリス役の甲斐翔真さん・小林唯さんが登壇しました。
「世界が逆さまになってしまった時にどのように力強く生きていくか」

オリジナルプロデューサー:キャメロン・マッキントッシュ、作:アラン・ブーブリル/クロード=ミッシェル・シェーンベルクと、ミュージカル『レ・ミゼラブル』のクリエイティブ・チームが手がける第2弾として製作され、日本では1992年以来、通算上演回数1569回を重ねるミュージカル『ミス・サイゴン』。

舞台は、ベトナム戦争末期のサイゴン。エンジニアの経営するキャバレーで知り合った、ベトナム人の少女キムと米兵クリスの二人の愛と別離、キムの子タムへの究極の愛を、全編歌で、実物大ヘリコプターの登場など規格外のスケールで描きます。

フォトコール(劇中シーン公開)ではキム役:屋比久知奈さん、クリス役:甲斐翔真さんによる「Sun and Moon」、エンジニア役:東山義久さんによる「生き延びたけりゃ」、キム役:ルミーナさんによる「命をあげよう」、エンジニア役:桐山照史さんによる「アメリカン・ドリーム」と4曲が披露されました。

演出のクリストファー・キーさんは本作について「愛や野心、大きな犠牲を描いた作品であり、自分の世界が逆さまになってしまった時にどのように力強く生きていくかということを描いているのではないかと思います。今でも世界の各地では戦争が行われており、たくさんの罪のない命が失われています。何年も前と変わらず、今日においてもなお、意義を持ち続けている作品だと思います」とコメント。

「Sun and Moon」ではベトナム戦争末期、戦争孤児のキムとアメリカ兵クリスが出会い、恋に落ちる様を、キム役:屋比久知奈さん、クリス役:甲斐翔真さんがロマンティックに表現。戦争禍であることを束の間忘れさせる、美しく詩的なナンバーです。

「生き延びたけりゃ」は、サイゴン陥落後、バンコクへ、そして憧れのアメリカへと逃れることを画策するナンバー。東山義久さんはエンジニアのどんな時代でも成功を掴み取ろうとする力強さとしたたかさをエネルギッシュに演じました。

「命をあげよう」はクリスと離れ離れになり、息子タムにどんな未来が残せるのか思いを巡らせ、命を捧げる強い愛を歌った楽曲。ルミーナさんの力強く響く歌声で、キムの芯の強さ、極限状態から生まれた愛の強さが描かれました。

そして「アメリカン・ドリーム」は、エンジニアにとってお金・富を得られる場所であり、自分のなりたいものになれるチャンスを掴める場所、成功の象徴として夢見る“アメリカ”への想いが語られます。桐山照史さんはエンジニアが夢見る世界を華やかに演じ、現実とのギャップを印象的に表現しました。

プレビュー公演を終え、本公演開幕へ

開幕前記念会見には、エンジニア役の駒田一さん・東山義久さん・桐山照史さん、キム役の屋比久知奈さん・清水美依紗さん・ルミーナさん、クリス役の甲斐翔真さん・小林唯さんが登壇。

2014年からエンジニア役を務める駒田一さんは「今回も約2ヶ月、ロンドンのスタッフの方々と一緒に、苦しく、厳しく、そして楽しく稽古をさせて頂きました」と稽古を振り返り、「お客様からパワーを頂ける瞬間というのは、役者冥利に尽きると毎回思います。プレビュー公演でも本当にパワーを頂き、震えました。お客様も待ちに待っていたんだなと感じた」と語ります。

2022年の公演に引き続き、エンジニア役を務める東山義久さんは「演出がクリストファー・キーさんに代わり、前回とは違う形でのアプローチをカンパニーの皆さんと創り上げてきました。2026年バージョンの『ミス・サイゴン』でも成功の一端を担えるように」と意気込みます。またプレビュー公演のことを振り返り、「客席の闇に吸い込まれそうになるようなプレッシャーと、エンジニアを生き切ってやろうというみなぎり、自信や誇りを全部背負って務めました」とコメント。

桐山照史さんは今回が本作初参加。「2024年にオーディションを受けて、2年間で色々なことを経験して、プレビュー公演で曲と曲の間や、カーテンコールでのお客様の拍手の圧にグッときました。桐山照史って誰だ?という方もいっぱい来てくださったと思うのですが、そんな中、色々なプレッシャーをもちろん感じていて、幕が降りた時に号泣してしまいました。何か分からないけれど、言葉で言い表せない、涙が出てしまって。カンパニーのみんなが背中をさすってくれたり、“よっしゃあ、幕が開いた!”と言ってくれたりしたあの感じと、お客様からの拍手を忘れずに最後まで走り切りたい」と感慨深く語りました。

屋比久知奈さんは2020年からキム役を務め、2022年に続き今回が3演目。「またキムとして舞台の上で生きられることが日々幸せ。劇場が変わったことで、違った感じ方やこの劇場ならではの響き方、見え方があると思います。たくさん舞台稽古を重ねて、緻密に大事に作ってきた作品なので、ここからまたお客様のエネルギーをいただきつつ、私もたくさんエネルギーを込めて、作品を最後まで届けられたら」と意気込みを。

清水美依紗さんは「8月から稽古が始まって、約2週間の舞台稽古を経て、プレビューを迎え、いよいよ本初日を迎えます。この作品が描いているものは重いものですが、それぞれが色々な想いでこの作品と向き合ってきたので、幕が開くんだなと思うとワクワクしています」と心境を語ります。

ルミーナさんは「感動を超える衝撃を味わえる作品」と語り、「幕が上がる瞬間にヘリコプターの音が鳴るんですけれども、ヘリコプターの音が鳴って、幕が上がった瞬間にもうお客様のエネルギーを感じて、お客様がいて完成する作品だなと、改めて感じました」と語ります。

甲斐翔真さんは「劇場でオーケストラの皆さんや舞台装置、照明、衣裳、色々なものが合致した時に、『ミス・サイゴン』という作品はこれほどまでに迫力があるのかと感じております。皆さんの心が動かされる瞬間を目指して頑張ってきたので、ぜひ楽しみにしていただけたら」とコメント。

小林唯さんは「『ミス・サイゴン』に出ることに凄く憧れがあったので、プレビュー公演で改めてこの作品の迫力と、世界最高水準の、長年愛されてきた作品に参加させていただいているんだという、役者としての幸せを感じています」と充実感を語り、「全編歌で繋いでいくミュージカルではあるんですけれども、お芝居、言葉で伝えていくという演劇的な面を稽古でたくさん深めることができました。初日というのはいつも緊張するんですけれども、今回は不思議とあまり緊張がなく、それだけ自分の中の不安を取り除けた状態で臨めたのかなと思います。お客様も集中してくださっているのを感じましたし、役者陣も集中力が高く、作品が持つメッセージが伝わっている実感が得られた」と手応えを語りました。

ミュージカル『ミス・サイゴン』は2026年11月29日(日)まで東京・東急シアターオーブ、12月〜大阪・梅田芸術劇場 メインホール、福岡・福岡市民ホール 大ホール、2027年1月〜静岡・アクトシティ浜松 大ホール、北海道・札幌文化芸術劇場 hitaruにて上演されます。公式HPはこちら
新たなキャストを迎えた『ミス・サイゴン』。変わらないメッセージ、壮大で美しい音楽の数々と、新たなキャストによって生まれる化学反応が楽しみです。演劇は「時代を映す鏡」と言われます。今の『ミス・サイゴン』は、私たちにどのように映るでしょうか。



















