ミュージカルの聖地、ニューヨークのブロードウェイ。人気の旅行先で、舞台が好きな方は特に訪れたいと思っている方も多いのではないでしょうか。今回は、かつてブロードウェイに通いつめた経験を持つ筆者が、お得にチケットを入手していた方法をお伝えします!

ブロードウェイのチケット相場はとにかく高い!

大小さまざまな劇場で公演が行われているブロードウェイですが、有名な作品ほどチケットはお高め。たとえば、『ライオンキング』を観ようと思うと、公式チケット予約サイトでの販売価格は、1枚あたり115ドルから252ドル。日本円で15000円〜30000円くらいです。最後列でも1万円超えというのはかなり割高な印象ですね。※2022年5月現在、1ドル=130円換算

ニューヨークは物価も高いので、抑えられるところで出費を抑えたいもの。特に、滞在中に何回か観劇を予定するなら、なおさら安くチケットを買いたい!そして、思い出に残る観劇旅にしたい!そんな演劇ファンの方にオススメの購入方法を3つご紹介しましょう。

①お得にチケット購入するといったらまずはココ!TKTSブース

ニューヨークでミュージカルのチケットをお得に買うなら、まずはTKTS (チケッツ)がオススメ。ブロードウェイやオフ・ブロードウェイの劇場と提携し、当日券を割引価格で販売するサービスで、最大60%という割引率の良さと、手数料の安さが魅力です。当日の残席販売なので、観たい公演のチケットが必ず買えるという確約はありませんが、運が良ければ『CHICAGO』や『オペラ座の怪人』など大ヒット作品のチケットを割引価格で手に入れることができます。

TKTSは対面販売のみ。販売ブースは市内2ヶ所、タイムズスクエアの屋外ブースと、そこから北に徒歩20分ほどにあるリンカーンセンター内にある屋内ブースです。※リンカーンセンターのブースは2022年5月現在、休業中。

オープン時間は日によって11時か15時。先着順でどんどん売れていくので、オープンの30分ほど前に到着するとスムーズです。ブース前はいつも長蛇の列ができ、コロナ前には50分並ぶこともありました。営業時間には購入可能なチケットの演目と割引率が掲示板に表示され、随時更新されていきます。良い席に巡り合えるよう祈りながら順番を待ちましょう。

順番が来たら、スタッフに観たい公演名と枚数を伝えます。販売しているのは、当日のマチネ、ソワレと翌日のマチネの残席。購入は1人6枚まで。選択肢がある場合は希望を聞いてくれるので、予算や位置を伝えて、納得のいく席を購入しましょう。席種が限られている場合は、スタッフが最も条件のいい席を選んでくれますよ。あくまでも残席の販売なので、2名以上で席が離れてしまうことや、観たい演目が販売されない可能性もあります。選択肢には限りがあることは念頭に置いて並びましょう。

TKTSでは一部の人気作を除いて、本当にさまざまな演目のチケットが販売されます。どの演目のチケットが買えるのか、気になる方はホームページかアプリで、TKTS Live(当日の取り扱い公演一覧)を一度ご覧ください。こちらでは、ブース横の掲示板と連動して、営業時間中にリアルタイムで対象公演と割引率が確認できます。販売頻度の高い演目に目星を付けておくと、観劇スケジュールのイメージがしやすくなりますよ。

運試しのような感覚でTKTSに並んでチケットを購入するドキドキ感は旅行にぴったり。また、TKTS ブースで購入した半券は、1週間有効で優先レーンに並ぶチケットにもなるので、2日以上観劇する際には、ぜひ活用してみてくださいね。

②当日券「RUSH TICKET」や抽選型格安チケット「Digital Lottery」に賭ける!

公演によっては、特別料金で当日券を販売している場合があります。劇場窓口で購入する「RUSH TICKET(ラッシュチケット)」、オンラインで抽選に申し込み、当選者だけが買える「Digital Lottery(デジタルロッタリー)」の2種類です。

「RUSH TICKET(ラッシュチケット)」は劇場窓口のみで販売される、一律価格の当日券。取り扱われる座席は残席のほか、立ち見席、公演によっては最前列が含まれます。運が良ければ、前方中央の特等席や最前列が30ドルから70ドルという格安価格で手に入る、夢のような制度です。先着順なので、確実に手に入れるためには早朝から並ぶ必要があります。

筆者が最前列のチケットを入手した際には、朝7時から劇場窓口に並びました。販売開始の10時まで、3時間近くコンクリートの上に座って過ごしましたが、天候次第では過酷かもしれません。販売開始時には40人近い列ができていて、「早朝から並んだ甲斐があった」と安堵したものです。時間も体力も必要ですが、どこよりもお得にチケットを買いたいなら、「RUSH TICKET」にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

さらに安く、50ドル以下で買えるのが、抽選型の「Digital Lottery(デジタルロッタリー)」。大人気ミュージカル『ハミルトン』では、なんとたったの10ドルでチケットが買えてしまいます。倍率が高いので、「当たれば観る」くらいの軽い気持ちで挑戦するのがオススメです。

申し込みは対象公演の前日に、専用サイトやアプリから。当選通知が来たら、1時間以内にクレジットカードで入金する、などの決まりがあるので、仕組みを理解してから申し込みましょう。

当日券の特別価格は公演ごとに設定されています。詳細は作品の公式ホームページのチケットインフォメーションに記載されていることが多いので、気になる作品があれば、どんな当日券があるのかをチェックしてみてくださいね。英語のサイトですが、PLAY BILLに最新情報がまとめられているので、こちらも便利です。

③確実性を重視して効率よく観光するなら!作品公式の予約サイトから事前予約

最後のオススメは、定番ですが、公式サイトからの事前予約です。観たい演目が決まっていて、ニューヨーク観光をメインに計画するなら、旅行前に予約しておくほうが無理のないスケジュールを立てられます。定価+手数料がかかり、安く買うことはできませんが、観てみたい演目のチケットを確実に入手できることが最大のメリットです。購入手順は「チケットぴあ」のようなチケット予約サイトに似ています。思いきって、英語サイトでの購入に挑戦してみてはいかがでしょうか。

まずは作品の公式ホームページを検索し、チケットインフォメーションから予約サイトへ移動するだけ。「Ticket Master」や「Telecharge」という大手サイトに繋がったら、日付と座席を選んで、クレジットカードで決済して完了です。最近では電子チケットが主流になってきたので、受け取りもスムーズ。手数料は約20ドルとお高めですが、万が一公演中止になった場合には返金や後の日程のチケット代に充当できるなど、何かしらの対応があるのも安心です。

ニューヨークには本当に魅力的なスポットが多く、美術館やレストランでも入場待ちの列ができます。効率よく観光するためには待ち時間を極力少なくしたいところ。TKTSや当日券に並ぶ時間も惜しいとさえ感じるかもしれません。旅の目的や同行者の意向に合わせて、観劇チケットの購入方法を検討してみてくださいね。

Sasha

気軽に海外旅行に行けるようになるまでにはもう少し時間がかかるかもしれませんが、ブロードウェイで上演中の演目を調べているだけでも、旅行気分を味わえます。この記事が皆さまの観劇旅行のご参考になれば幸いです。