有名人の元恋人というのは世間から注目を集めるものですが、この人はあまり多くを知られていないのではないでしょうか?彼女の名前はロザライン。世界的に有名な戯曲『ロミオとジュリエット』の主人公であるロミオの元カノです。そんなロザラインを主人公にして視点から描いた斬新な『ロミオとジュリエット』の物語が、ディズニープラスで独占配信されている映画『ロザライン』。数々の舞台作品のベースにもされてきた『ロミオとジュリエット』に隠されたロザラインの物語は、演劇が好きな人なら見逃せない作品となっています。

元カノ・ロザラインの視点で描く変化球ストーリー

ウィリアム・シェイクスピアの原作ではロザラインの活躍は台詞の中に名前が登場するくらいで、可視化されないキャラクターでした。原作ではロミオが片思いしていた女性として描かれているのですが、この映画のロザラインはロミオに夢中。

そして彼女もジュリエットと同じキャピュレット家の令嬢であり、宿敵モンタギュー家のロミオとの許されない恋に酔いしれていました。

ロザラインはロミオがバルコニーで聞かせてくれる甘い愛の詩に心をときめかせるのですが、現代的で冒険を求める彼女は、ロミオが描く未来の妻の姿が腑に落ちず、彼の告白に答えられません。このわだかまりがきっかけとなり、ロザラインはロミオとジュリエットが仮面舞踏会で出会うチャンスを与えてしまいます。

それからというもの、ロミオの愛はロザラインではなくジュリエットただ一人に向けられるように。そのうえ可愛がっていた歳下の従姉妹ジュリエットがロミオとの秘密の恋を打ち明けてくるのですから、ロザラインにとってはたまったものではありません。

ロザラインはあの手この手でジュリエットの気持ちをロミオから逸らそうとしますが、結局二人は秘密の結婚式をあげようとして…?!

映画は『ロミオとジュリエット』をベースにしたアメリカのティーン向け小説『When you were mine』が原作であり、キャッチーで現代女性が共感しやすい仕上がりになっています。

今カノvs元カノになるかと思いきや…

ロミオとジュリエットの密会現場を見て、思わず「あのクズ男…」と呟くロザライン。元カノのロザラインと今カノのジュリエットによる愛憎劇になるのかと思いきや、タフなロザラインのストーリーはコミカルに進み、クスリと笑いながら楽しく観られます。

友人のパリスや見合い相手のダリオを巻き込んでロミオとジュリエットを妨害するロザラインは盲目な恋に落ちた恋人たちに振り回されてしまい、まさにミイラ取りがミイラになる状態。世界一有名な恋人たちに翻弄されるロザラインの姿には、親しみを覚えます。

ロザラインを演じたのは、注目の若手女優ケイトリン・デヴァーです。映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』での演技が高く評価され、映画『ディア・エヴァン・ハンセン』では主人公エヴァンが恋するゾーイ役を務めたケイトリンが、賢くて活発なロザラインをキュートに演じています。

さきこ

世界一有名な恋人たちのラブストーリーを斬新な視点で描いた映画『ロザライン』は、”ロミジュリ“好きにはぜひ観ていただきたいディズニープラス独占配信の注目作です。 ディズニープラスではレオナルド・ディカプリオがロミオを演じた1996年公開の映画『ロミオ&ジュリエット』も配信されていますので、こちらも合わせてご覧になってみてはいかがでしょうか?