ナイロン100℃本公演としては26年ぶりに下北沢ザ・スズナリにて上演する新作公演48th SESSION『Don’t freak out』。第33回下北沢演劇祭にも参加している作品です。どうやらシリアスで「ちょっと怖い芝居」になるとか?!

「絶大なる信頼関係」の松永玲子と村岡希美が魅せる

ナイロン100℃は、1993年に劇作家・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチさんを主宰として立ち上げられた劇団。

前身となる劇団健康は、1985年にケラリーノ・サンドロヴィッチさんを中心に、犬山犬子(現・イヌコ)さん・田口トモロヲさん・みのすけさんらによって旗揚げされました。ナンセンスコメディを中心に上演し人気を得るも、1992年に解散。ナイロン100℃では、公演を「SESSION」と称し、個性的な劇団員に加え、多彩な客演陣を招き、多様な公演スタイルを展開しています。

劇団健康時代から得意とするナンセンスコメディだけでなく、シチュエーション・コメディ、ダンスや映像にコントなどをミックスしたライブ的作品、女優だけによる西部劇など作風は多岐に渡ります。

ほぼ全作品の作・演出を務めるケラリーノ・サンドロヴィッチさんは、ロックバンド「有頂天」のヴォーカリストを務め、ミュージシャンから演劇の道を歩むようになった経歴を持ちます。
数々の演劇賞を受賞し、2018年秋には紫綬褒章を受章、2019年にはナイロン100°C公演『百年の秘密』で、第26回読売演劇大賞最優秀作品賞、優秀演出家賞を受賞しています。


演劇活動では劇団公演に加え、「KERA・MAP」「ケムリ研究室」(緒川たまきさんと共同主宰)などのユニットも主宰するほか、外部プロデュース公演への作・演出も多数手掛けています。昨年上演されたKERA・MAP#10『しびれ雲』には、主にミュージカルの舞台で活躍している俳優・井上芳雄さんが出演。Audience Award 2022の小劇場作品部門第2位に選出されています。

また2003年に初監督映画『1980』から映画界にも参入し、大槻ケンヂさん原作の『グミ・チョコレート・パイン』や、『罪とか罰とか』の脚本・監督を務めています。

ナイロン100℃の結成30周年記念公演第一弾『Don’t freak out』はKERAさん曰く「ちょっと怖い芝居」。ポスタービジュアルでは、着物姿の松永玲子さんと村岡希美さんが、鬱蒼と生い茂る木々の奥から、こちらを見つめています。

『Don’t freak out』は、とある屋敷の女中部屋で暮らす女中姉妹を中心に描かれる物語。

ナイロン100°Cが結成されて2年目で入団した松永さんと3年目で入団した村岡さん。今年で28年近い付き合いになると言います。松永さんは、「苦楽を共にした仲ですから、絶大なる信頼関係」と話します。村岡さんも「家族や、恋人、親友よりもお互いのいろんな顔を見ている。他では築けない関係を築き上げていると思います」と、相性抜群のお二人の本作での関係性にも期待が高まります。

ナイロン100℃、26年ぶりに下北沢ザ・スズナリでの本公演

本作は、ナイロン100℃本公演としては26年ぶりに下北沢ザ・スズナリでの公演となります。ザ・スズナリは、本多劇場系列の最初の劇場で、下北沢が「演劇の街」と呼ばれる起源となった劇場でもあります。俳優養成所「本多スタジオ」の稽古場としてアパートの二階部分を改装して使用したのが始まりです。席数は150席程度(コロナ禍での客席配置)と、舞台と客席が近く、一体感を感じることができます。

KERAさんは「せっかくのスズナリ公演なのだから、本多劇場では上演できぬ芝居にしようと宣言」「小空間ならではの上演を目指している」と言います。  

さらに、「意図せず、過去の劇団公演のフラグメントのようなものがチラホラと」とのことで、ナイロン100℃を追いかけてきたファンは過去公演を思い出してより一層楽しめるものになっているようです。

松永さんも本作に「不敵で素敵な台詞群」「ど怪作の予感」とコメント。一体どのような作品になっているのかとても気になります。


ナイロン100℃ 48th SESSION『Don’t freak out』は、 2月25日(土)~3月21日(火・祝) 東京・下北沢 ザ・スズナリにて上演。(※2月24日(金)プレビュー公演)その後、3月30日(木)~4月2日(日) 大阪・近鉄アート館にて上演です。詳しくは公式HPをご覧ください。

チケットぴあ
ミワ

下北沢ザ・スズナリという客席と舞台の距離が近い会場だからこそより感じ取れるものがあるはず!「怪作」だと言いますが、一体どのような作品になっているのでしょうか。