2005年にオフ・ブロードウェイで開幕して以来、世界中を魅了し続けているミュージカル『スリル・ミー』。日本では2011年に栗山民也さんの演出で初演、田代万里生さん、新納慎也さん、松下洸平さん、柿澤勇人さんなどが演じてきた人気作です。今回で8度目、新キャストを交えた3組での上演が東京芸術劇場 シアターウエストにて9月7日(木)に開幕します。

“私”と“彼”、一台のピアノのみで繰り広げられる究極の100分間

ミュージカル『スリル・ミー』は、1924年にシカゴ郊外で起きた残忍な少年誘拐殺人事件を基にした作品。2005年にオフ・ブロードウェイで幕を開け、“私”と“彼”、そしてピアノ一台のみで繰り広げられる心理戦に観客は心を奪われました。

日本初演は2011年。田代万里生さん×新納慎也さん、松下洸平さん×柿澤勇人さんのペアにより上演されました。その後も2012年、2013年、2014年、2018年と、上演を重ねてきた本作。

過去出演キャストには、韓国から多くのファンが海を渡って観劇をしたほど完璧な相性が評判のチェ・ジェウンさん×キム・ムヨルさんを始め、良知真次さん×小西遼生さん、チェ・ジェウンさん×チェ・ジホさん、田代万里生さん×伊礼彼方さん、尾上松也さん×柿澤勇人さん、松下洸平さん×小西遼生さん、成河さん×福士誠治さん、松岡広大さん×山崎大輝さんと、これまでに10組が演じてきました。

演出は初演から栗山民也さんが手がけています。2000年〜2007年まで新国立劇場演劇部門芸術監督を務めており、日本を代表する演出家の1人である栗山さん。昨年田中圭さん主演の舞台『夏の砂の上』の演出を手がけました。Audience Award 2022 演出部門で第二位を獲得するなど、観客からの支持も厚い演出家です。

『スリル・ミー』は刑務所での囚人の仮釈放審議会のシーンから始まります。34年前、「私」は「彼」とともに犯罪史上に残る惨忍な誘拐殺人事件を起こしていました…。動機はただ一つ、「スリルを味わいたかったから」。

「私」は、2人が19歳の時に起こした事件について少しずつ語り始めます。

幼馴染だった「私」と「彼」は、共に裕福な家庭に育ち、頭脳明晰。飛び級の末、法律家を目指して同じ大学に進学しました。ところが、しばらくして「彼」は突然姿を消してしまいます。久しぶりに再会すると、「彼」は、哲学者ニーチェの思想に傾倒しており、自分を”超人”だと宣言しているのでした。

「彼」は、スリルを味わうため、そして自らが超人だと証明するために、放火や窃盗など次々と犯罪に手を染めていきます。「彼」を深く愛する「私」は、「彼」の愛を得たいがためにその犯罪に手を貸します。そして、2人の行為はエスカレートし、とうとう見ず知らずの少年に手をかけてしまい…。

三組三様の愛の形に期待!

今回は新キャストを交えた3組で上演します。

1組目は、私役に尾上松也さん、彼役に廣瀬友祐さん。尾上さんは2014年の出演から9年ぶりに“私”役への挑戦です。2014年に出演してから、再演を望んでいたという尾上さん。
「この9年の様々な経験が、どの様な形で作品に反映出来るのか、自分でも今からとても楽しみです。僕自身この作品のファンですので、その思いも込めて精一杯つとめたいと思います。元彼と別れて新しい彼とまた0からの挑戦です」とコメント。

一方、本作初参加の廣瀬さんは、ミュージカル『東京ラブストーリー』三上健一役、『太平洋序曲』では香山弥左衛門役を演じるなど活躍中。幅広い役柄で評価を受け、2023年にはミュージカル『モダン・ミリー』トレヴァー・グレイドン役で第30回読売演劇大賞優秀男優賞を受賞しています。

廣瀬さんは「“究極”という概念に向き合うにはとても恐怖心がありますが、真摯に取り組みたいと思います」と意気込みました。

2組目は、今回が初参加・初共演となる木村達成さんと前田公輝さんのペア。

私役の木村さんはCX『オールドファッションカップケーキ』で好演。ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』、舞台『血の婚礼』等主演作が続いており、ミュージカル『マチルダ』ではミス・トランチブル役を演じています。6月には太宰治作『新ハムレット』にハムレット役で出演予定です。

木村さんは「常識を常にぶち壊す、そんな作品に魅力を感じ、出会えたことは嬉しいことです。何としてでも愛するひとと共にいたい、この強い「私」の思いすらも、それが誠なのか、悩む日々がまた始まります」と話します。

彼役の前田さんは、ドラマ『アルジャーノンに花束を』『探偵が早すぎる』などに出演、近年ではNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』で主人公の幼馴染として話題になりました。

「初めて観劇した時の、圧倒的に曲がった自尊心と普遍的な愛に強烈な印象を受けた」という前田さん。「2人の依存関係、人間の本質、無制御な本能のお芝居に身を委ねて、来てくださるお客様に耳を覆いたくなる場面描写でもミュージカルだからこそ誘える『スリル・ミー』の世界に演出の栗山民也さんと共に準備を進めていけたらと思います」とコメントしました。

そして3組目は、2021年の上演の際には、オーディションを勝ち抜き、初参加ながらも若さ故の危うさと緊張感が劇場を包んだ、松岡広大さんと山崎大輝さんのペア。

私役の松岡さんは、舞台『ねじまき鳥クロニクル』に赤坂シナモン、顔のない男役で出演。また舞台『髑髏城の七人~Season月《下弦の月》』やドラマ『壁サー同人作家の猫屋敷くんは承認欲求をこじらせている』、映画『引っ越し大名!』などに出演、幅広く活躍しています。

松岡さんは本作について「手放しで楽しんでくださいとは言い難いです。暗く、忌避するお話かと思います。 沢山あるいくつかの理由として「自分たちのことを語っているから」、あるいは「現在でも偶然性があるから」と考えます。深淵や悪意、それらを見て、己と周りを知ることの一助となれば幸いです。 そしてその既知が今後の生に繋がれば。そのために、然るべき深淵を創ります」と話しています。

そして、近年は、ミュージカル『THE MUSIC MAN』『チェーザレ~破壊の創造者~』、舞台『劇団ドラマティカ』『ピアフ』などに出演している山崎さん。

山崎さんは前回出演した際のことを「お芝居の面白さを改めて教えていただき考え方が変わりました。100分間2人で立つこの作品のスリルに僕は虜になっているという事を今感じます」と振り返ります。「今回また新しい目標を掲げて臨みたいと思いますし、その先で更に皆様にもこの作品の虜になっていただけるよう精一杯努めたいと思います」とコメントしました。

魅力あふれるキャストで送るミュージカル『スリル・ミー』は、9月7日(木)〜10月1日(日)に、俳優の息遣いや、表情の変化を間近に感じられる、東京芸術劇場シアターウエストにて上演です。その後、大阪、博多、名古屋、高崎にてツアー公演を実施。(10月7日(土)~10月9日(月・祝)大阪・サンケイホールブリーゼ、10月11日(水)・12日(木)福岡・キャナルシティ劇場、10月14日(土)・15日(日)名古屋・ウインクあいち、10月21日(土)・22日(日)群馬・高崎芸術劇場 スタジオシアターにて上演)
東京公演の最速抽選先行受付はホリプロステージ有料会員が6月5日(月)から発売。上演時間は途中休憩なしの約100分を予定しています。公式HPはこちら

ミワ

シンプルな構成だからこそ、俳優の表情や動きの細部にまで意識がいき、想像力が一層掻き立てられることが魅力の本作。新たな魅力溢れる“私”と“彼”のペアの誕生、劇場での観劇が待ちきれません!