今年で開場60周年を迎えた東京の日生劇場では、子供が大人と一緒に舞台芸術を楽しめるイベント「日生劇場ファミリーフェスティヴァル2023」を開催しています。イベント期間限定で8月19日（土）から20日（日）に上演されるのが、舞台版『せかいいちのねこ』。画家ヒグチユウコさんの人気絵本を、世界で初めて舞台化するということで、子供だけではなく大人からも注目を集めています。

ヒグチユウコさんの魅力が詰まった絵本『せかいいちのねこ』

舞台の原作である『せかいいちのねこ』は、ヒグチユウコさんが描いた絵本です。画家・絵本作家のヒグチユウコさんは、猫をモチーフにしたアートで有名。パッチリとした目と、思わず撫でたくなってしまうほど毛並みが繊細な猫の絵は、猫好きにはたまりません。

愛らしいだけではなく、ちょっぴりダークな雰囲気が漂う世界観も魅力的の一つ。大人のファンも多く、展覧会やファッションブランドGucciとのコラボグッズなど幅広いフィールドで活躍し、国内外で注目されているアーティストです。

そんなヒグチさんの代表作の一つが、今回舞台化される『せかいいちのねこ』。主人公のニャンコは、男の子に大事にされている少しくたびれた猫のぬいぐるみです。

赤ちゃんの頃からニャンコを可愛がってくれている男の子は、もうすぐ７歳になります。男の子が大きくなったらぬいぐるみの自分と遊んでくれなくなるのではと、ニャンコは気が気でなりません。

ニャンコはぬいぐるみ仲間から「猫のヒゲを集めて身体に入れれば本物の猫になれる」という話を聞き、友達のアノマロと共に、ヒゲ集めの旅に出かけます。

男の子に愛してもらうため本物の猫になりたいと願うニャンコが、旅の途中でさまざまな仲間に出会い、たくさんの優しさに触れて成長していくハートフルな物語です。

愛らしくダークなヒグチユウコ ワールドを、ダンスと人形で表現

ヒグチユウコ作品の世界初舞台化と聞くと、印象的なビジュアルのキャラクター達と少し不思議な世界をステージでどのように表現するのかが気になるところですよね。

舞台版『せかいいちのねこ』の脚本と演出、振り付けを務めるのは、振付家でありダンサーの山田うんさん。彼女の指揮のもと、2022年に文化庁芸術祭で優秀賞を受賞したダンスカンパニーCO.山田うんのダンサーたちが、絵本の世界をダンスで表現します。

本作には、「ひょっこりひょうたん島」で知られる人形劇団ひとみ座も出演。これまでも『モモ』や『ふしぎ駄菓子屋銭天堂』といった人気児童文学を人形劇にしてきた彼らの手にかかれば、愛くるしいニャンコたちを劇場でリアルに感じられるのではないでしょうか？

さらには、衣装をきゃりーぱみゅぱみゅの衣装デザイナーである飯嶋久美子さん、音楽を芸術ユニット明和電機の「経理のヲノさん」ことヲノサトルさんが担当しており、独特なヒグチユウコワールドを舞台化するにふさわしいキャストとスタッフが揃っています。

舞台版『せかいいちのねこ』は8月19日（土）と20日（日）に、日生劇場にて各日10 : 30公演と14 : 30公演の計2公演を上演します。本公演の後は来年2月に小学生を対象とした無料公演「ニッセイ名作シリーズ公演」として上演されるそうで、一般で鑑賞できるのは今回だけのチャンスです！チケット情報はこちらから確認できますので、ぜひお見逃しのないように。