2026年、劇団☆新感線が生バンドで演奏する“Rシリーズ”にスチームパンクの要素を加えたSHINKANSEN☆RSP 怪奇骨董音楽劇『アケチコ!〜蒸気の黒ダイヤ、あるいは狂気の島〜』を46周年興行として上演します。6月の東京を皮切りに、福岡・大阪にてツアー公演を行う予定です。
劇団☆新感線が46年目に突入する新境地
1980年の旗揚げ以来、主宰・いのうえひでのりさんのもと、エンターテインメントの一ジャンルとして高い知名度と人気を誇る劇団☆新感線。神話や史実などをモチーフに独特のケレン味を効かせたいのうえ歌舞伎シリーズから、ギャグ重視のネタものシリーズ、座付作家・中島かずきさんが描くスケールの大きな物語に至るまで、枠にとらわれないオリジナル作品を次々と打ち出してきました。作品ごとに豪華なゲストを呼び集め、個性溢れる劇団員とともに創り上げる世界観は、多くのファンを魅了しています。
2025年に45周年という大きな節目を迎えたところで、その勢いが衰えることはありません。次なる46周年ではこれまでとひと味違う作風に挑もうと、外部の作家としては4人目となる福原充則さんを起用。劇団☆新感線の“ネタもの”のエッセンスを独自に解釈して取り入れた、SHINKANSEN☆Rシリーズの新作“RSP”(レヴュー・スチームパンク)を書き下ろしました。
物語では大正ロマンとスチームパンクを感じる町を舞台に、2人の名探偵がある怪事件に遭遇します。一癖も二癖もある登場人物たちはいわずもがな、江戸川乱歩の作品にも通じるようなほの暗い雰囲気が、観客の好奇心を刺激。さらにSHINKANSEN☆Rシリーズならではのバンドの生演奏により、歌あり、踊りあり、アクションもありのドタバタ音楽活劇ミステリーを届けます。
<あらすじ>
初めてその名を聞く人も多いだろう。なにしろ彼は、なによりも秘密を愛し、自分の素性すらも煙に巻く――少々、いや、かなり風変わりな名探偵なのだから。
大正12年、M県T市。海沿いの炭鉱の町は、あらゆるものが石炭で動き、すべてが蒸気に霞んでいる――。探偵助手の助手林鳩美(志田こはく)とともにT市を訪れたアケチコ五郎(宮野真守)は、マニラ育ちの帰国子女にして名探偵の新田一耕助(神山智洋)と出会う。人気劇団「黒ダイヤ歌劇団」のトップ女優・熾火煤の引退が決まり、町は次期トップ争いの真っ只中にあった。新田一は、市長の娘で次期トップを狙う出雲坂めい子に雇われ、ライバル女優・菊川民子(石田ニコル)の汚点や欠点を探っていたのだ。最終審査の日。出資者たちは市長におもねり、めい子を推す。これでトップは決まりかと思われたが、そこに町一番の大富豪、性別不明の怪人アンダルシアン・クーガー(古田新太)が登場。鶴の一声で、民子をトップに指名する。民子を引きずりおろそうと、めい子はアケチコに調査を依頼。首尾よく、蒸気自転車屋の阿久沢正治(浜田信也)と一緒にいるところを見つけたアケチコは、「黒ダイヤ歌劇団は恋愛御法度だ」と口止め料を請求する。しかし、女優はなにも答えず、走り去るのだった。迎えた新トップお披露目公演。親衛隊隊長・堀田半太(粟根まこと)が見守る中、有終の美を飾る熾火。ところが、新トップの民子は忽然と姿を消し、犯人と疑われためい子までも行方不明に―。
かくして、秘密の匂いをかぎつけたアケチコ探偵は、新田一青年とともに怪事件に挑む。
だが、その行く手には猟奇、猥雑、倒錯、奇怪!常軌を逸した愛と欲望の世界が待ち受けていた…!
作・福原充則×演出・いのうえひでのりの初タッグ
今回、劇作家・演出家の福原充則さんが、劇団☆新感線と初めてタッグを組みます。
福原さんは2002年よりピチチ5(クインテット)を主宰する一方で、ニッポンの河川やベッド&メイキングス、スリーピルバーグスなど複数のユニットを立ち上げ、幅広い活動を展開。何気ない日常生活の光景から飛躍を重ね、最終的に宇宙規模の結末へとつなげる構成力に定評があります。また、人間に対する深い洞察を笑いのオブラートに包んで巧みに表現するのが持ち味。2018年にはベッド&メイキングス第5回公演『あたらしいエクスプロージョン』の脚本が評価され、第62回岸田國士戯曲賞を受賞しました。
近年の主な舞台作品としては、2025年にスリーピルバーグスの舞台『パラダイスをくちずさむ』や、俳優の佐藤 誓さんと山西 惇さんによるユニット・らんぶるの第1回公演『晩節荒らし』で作・演出を担当。さらに映像分野でも実績を積んでいて、とりわけ2019年に脚本を執筆したドラマ『あなたの番です』は社会現象となるほどヒットしました。
本作で演出を担うのは、劇団☆新感線のいのうえひでのりさん。劇団のオリジナル作品では演出だけでなく脚本も手掛け、観る者をあっという間に引き込むドラマチックな世界観を立ち上げます。さらに劇団の外へと飛び出し、歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』や『近松心中物語』といったプロデュース公演に演出として参加。第14回日本演劇協会賞や第57回芸術選奨の文部科学大臣新人賞、第50回紀伊國屋演劇賞の個人賞など、これまでの受賞歴からも演出の手腕を高く評価されていることが伺えます。
福原さんの脚本といのうえさんの演出を掛け合わせたときにどんな化学反応が起こるのか、劇場で見届けてみませんか。
カムバック組と初参加組が入り混じるゲスト俳優陣
タイトルロールのアケチコ役を務めるのは、声優・俳優・歌手と多才な活躍ぶりを見せる宮野真守さんです。声優界のトップランナーとして知られる一方、近年は映像作品や舞台にも出演して存在感を示しています。
2024年のミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』では、主人公の宿命のライバルであるディオ・ブランドー役を熱演したことで大きな話題を呼びました。劇団☆新感線との関係は2019年に主演した『髑髏城の七人』Season月《下弦の月》から始まり、2022年にはいのうえ歌舞伎『神州無頼街』に出演。本作が3度目の登場ですが単独主演は初めてであり、“Rシリーズ”にも初参戦。それだけに、宮野さんの演技と歌声、どちらもフルパワーで物語を引っ張っていってくれるでしょう。
もう1人の名探偵、新田一耕助役は、アイドルグループWEST.のメンバーである神山智洋さん。グループの活動では、振付や作詞・作曲、衣裳デザインを手掛けるなどクリエイティブな一面を見せています。また、2024年のミュージカル『プロデューサーズ』ではW主演を果たし、気弱で神経質な青年を好演しました。
劇団☆新感線への参加は2作目となり、2016年のSHINKANSEN☆RX『Vamp Bamboo burn〜ヴァン!バン!バーン!〜』以来、なんと10年ぶり。その時の経験が自身の価値観や芝居との向き合い方を変えるきっかけになったといい、再び劇団☆新感線の舞台に立つことを切望していたそう。念願叶ってのカムバックに加え、宮野さんとの初共演も楽しみなポイントです。
また、モデルとしてだけでなく、俳優としても精力的に活動する石田ニコルさんが、女優の民子を演じます。直近では2025年のミュージカル『マリー・キュリー』や『アメリカン・サイコ』、2026年3月まで上演されていたミュージカル『PRETTY WOMAN The Musical』などに出演し、着実に実績を積み重ねています。劇団☆新感線には、歌唱力の高さを見せた2022年のSHINKANSEN☆RX『薔薇とサムライ2-海賊女王の帰還-』以来、2作目の参加となります。
蒸気自転車屋の阿久沢役は、劇団イキウメに所属する浜田信也さんです。2004年より全ての劇団公演に出演し、多角的に役を捉える表現力でイキウメ独自の世界観を体現しています。2013年にはイキウメの舞台『ミッション』と『The Library of Life まとめ*図書館的人生(上)』で第47回紀伊國屋演劇賞の個人賞を獲得。直近の2026年3月まで、イギリス発のラブコメディであるPARCO PRODUCE 2026『プレゼント・ラフター』に出演していました。初参加となる劇団☆新感線の舞台でも、観客の想像以上に癖のあるキャラクターを演じてくれるのでは、と期待が高まります。
同じく劇団☆新感線に初めて参加するのが、アケチコの助手である助手林鳩美役の志田こはくさん。舞台にドラマ、映画と活動の場を広げており、2025年に放送されたスーパー戦隊シリーズ『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』にてヒロイン役を好演したことで一躍注目を集めました。本作ではストーリーテラーとして、アケチコをはじめ個性の強すぎる登場人物たちと観客の間を取り持ちます。
才気あふれるゲスト俳優とともに、お馴染みの劇団員たちも今回の新作公演に参戦します。親衛隊隊長・堀田役は、1985年より劇団☆新感線に在籍し、冷酷な悪役からインテリ感漂う役まで多彩なキャラクターを演じ分ける粟根まことさん。
そして、ビジュアルだけでも強烈な印象を残す怪人アンダルシアン・クーガーを、劇団の看板俳優である古田新太さんが演じます。古田さんの持ち味であるエネルギッシュな演技はもちろんながら、「一体何者?」という謎が明かされるのかも気になるところです。
2026年劇団☆新感線46周年興行・夏公演 SHINKANSEN☆RSP 怪奇骨董音楽劇『アケチコ!~蒸気の黒ダイヤ、あるいは狂気の島~』は2026年6月12日(金)から7月12日(日)まで東京ドリームパーク内のEX THEATER ARIAKEにて開幕。その後、7月24日(金)から8月8日(土)まで福岡・キャナルシティ劇場、8月20日(木)から30日(日)まで大阪・フェスティバルホールにて上演されます。チケットの一般販売は、東京公演が4月26日(日)10時、福岡公演が6月14日(日)10時、大阪公演が7月12日(日)10時に開始予定です。詳細は公式HPをご確認ください。
アケチコ五郎に新田一耕助というネーミングから、あの有名な推理小説に登場する探偵を思い出す方も多いのでは。ドタバタ音楽活劇ミステリーと銘打たれた劇団☆新感線の新作、筆者も非常に興味をそそられております!



















