底抜けに明るい気持ちになれるミュージカルといえば、「なんてこった!」という愉快な意味のタイトルがついた『マンマ・ミーア!』。ABBAの名曲で構成された、結婚式前の娘ソフィと母親ドナの親子愛を描いた作品です。ブロードウェイ、劇団四季、映画の3つのコンテンツから、作品の魅力を探ります。

01 【ブロードウェイ】NYの観客を熱狂させて大ヒット!

ロンドンで成功を収めた『マンマ・ミーア!』が次に進出したのが、ブロードウェイ。ここでは一つの課題がありました。イギリスでは有名だったABBAの楽曲は、アメリカでは当時あまり知られていなかったのです。

しかし2000年から上演が始まると、『マンマ・ミーア!』は大ヒット!2015年に閉幕するまで、ブロードウェイ史上8番目に長いロングランを記録しました。幅広い世代が楽しめるストーリーとまるで舞台のために作られたかのようなABBAの音楽は、ミュージカルに目が肥えたNYの人々さえも熱狂させたのです。

02 【劇団四季】日本中にハッピーを届ける作品!

劇団四季が『マンマ・ミーア!』の上演を開始したのは2002年。ABBAは日本でも人気が高く、1980年代に開催された来日コンサートも大好評でした。日本語版の歌詞は原曲とマッチしていて、「ダンシング・クイーン」の「踊って歌えば人生は最高だよ」という歌詞は、作品のハッピーな世界そのもの。

全国各地で上演されており、現在は2021年5月23日まで京都劇場で上演中です。コロナ禍での公演となりましたが、『マンマ・ミーア!』のハッピーな舞台は観る人の心を明るく照らしています。(撮影:重松美佐)

03 【映画】銀幕のスターが歌い踊る、豪華な共演!

2008年に公開された映画版『マンマ・ミーア!』は、ドナ役にメリル・ストリープ、ソフィ役にアマンダ・セイフライド、ドナの元カレであるサム役にピアース・ブロスナンなど、銀幕の豪華なスターたちを迎えて制作されました。

驚くべきは、映画版には続編が存在するということ。2018年に公開された『マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー』では、ソフィのその後の話やドナの過去が描かれています。新たなキャストも加わり、ドナの若いころの姿はリリー・ジェームズが演じました。メリルやアマンダに負けないパワフルな歌とダンスは必見です。

さきこ

世界で初めて『マンマ・ミーア!』が上演されたとき、とある劇評家が「この作品で抗うつ剤の売り上げが落ちるだろう」と言ったのだとか。観る人の心を元気にしてくれる『マンマ・ミーア!』は、今のご時世にぴったりの作品です!