ミュージカル界の最高峰が集うトニー賞授賞式。一年半にわたる沈黙を強いられてきたブロードウェイで、誰もが待ちわびた祭典が復活します。コロナによる劇場閉鎖の影響で、平常時よりもノミネートされる作品数は少なかったものの、どれも負けず劣らずの名作であることに変わりはありません。2021年トニー賞の注目作品をご紹介します。

ロックアルバムから着想を得た『ジャグド・リトル・ピル』

今回の最多ノミネートは、最優秀作品賞を含む15部門でノミネートされている『ジャグド・リトル・ピル』。
ロック歌手のアラニス・モリセットの同名のアルバムから着想を得たミュージカルです。モリセットの曲をふんだんに盛り込んだ本作は、崩壊寸前となってしまった家族のすれ違いと和解を描いた物語。依存症、セクシャルマイノリティ、性犯罪などの社会問題に切り込んだ意欲作であり、今年のトニー賞の中でも注目度がひときわ高くなっています。

ストレートプレイ史上最多ノミネート!『スレイブ・プレイ』

楽曲を含まないストレートプレイの中でなんと史上最多ノミネートを記録したのが、人種間の恋愛を描いた『スレイブ・プレイ』。アメリカを舞台に、奴隷制度時代から現代に至るまで様々な形の人間関係が暴かれていきます。
人種差別から男女や恋愛における権力構造まで、社会の根深い問題に迫った『スレイブ・プレイ』。これまでの世界、これからの世界、その両方を見据えるような作品です。

Akane

特に厳しい時代を切り抜けた選りすぐりの新作たち。今年のトニー賞は、困難に見舞われながらも素晴らしい舞台を作り上げてきた方々にスポットが当たることを期待しています。トニー賞の様子は、WOWOWで観ることができます!お見逃しなく!!