3月24日(金)に公開されるファンタジー・ミュージカル映画『シング・フォー・ミー、ライル』。『グレイテスト・ショーマン』音楽スタッフが手がけ、日本語吹替版では大泉洋さんの歌声も話題となっています。今回はショーン・メンデスさんがライル役を務める字幕版の魅力をお届けします!作品についてはこちら
ミュージカルのトップランナー×グラミー賞ノミネートシンガーが魅せる、圧倒的な音楽の力
ワニが歌うなんて、現実にはあり得ない。本作のあらすじを聞いてそんな印象を覚えた人こそ、本作の世界に飛び込んでみてほしい。そう思わせるほど、映画『シング・フォー・ミー、ライル』には大きな力が秘められています。
本作が持つエネルギーの根源となっているのは、音楽という魔法。映画『ラ・ラ・ランド』『ディア・エヴァン・ハンセン』『グレイテスト・ショーマン』などを手がけてきた現代ミュージカル映画のトップランナー、ベンジ・パセック&ジャスティン・ポールのコンビが生み出した楽曲たちを一身に浴びれば、心が現実から飛び立っていくような感覚を覚えるでしょう。
既にミュージック・クリップが公開されている「Top Of The World」を始め、映画『シング・フォー・ミー、ライル』の楽曲たちは、私たちに自分らしくいることの素晴らしさを力強く語っています。心揺さぶる音楽に合わさるのは、ショーン・メンデスさんの繊細な歌声。グラミー賞ノミネートシンガーである彼の実力は既に知れ渡っているところですが、ライルとして響かせる歌声は繊細で自由で、美しい。この強力タッグが生み出したエモーショナルさは、本作の大きな魅力であると言えます。
ヘクターからライル、ライルからジョシュへと伝染していくエネルギー
さらに本作を魅力的にしているのは、NYという舞台、そして失敗続きのショーマン・ヘクター(ハビエル・バルデム)の存在です。成功を夢見続けるヘクターが何度トライしても、憧れのショービジネスでの成功を掴むことができません。夢を追う街・NYは、夢叶わず挫折する人が多くいる街とも言えます。そんな中で歌えるワニ・ライルを見つけ、今度こそ成功を確信したのに、ライルはステージに立つと恐怖で歌えなくなってしまうのです。
ついに資金難でNYにいられなくなったヘクターが立ち去り、残されたライルが出会った少年・ジョシュもまた、心を閉ざした孤独な少年。スマホが手放せない現代っ子で、引っ越してきたばかりの街NYへの警戒心があります。
しかしヘクターがライルと過ごした日々の中で、ライルが受け取ったのはヘクターの“夢見る気持ち”や自由に人生を楽しむ方法。それがライルを通して、ジョシュや彼の母ミセス・プリム(コンスタンス・ウー)らを変えていきます。一見失敗者であるヘクターからポジティブなエネルギー、生きる力が多くの人に伝わっていき、やがて彼らの人生を変えていく。新たな人と人(ワニと)の出会いが夢見る力を与える、それもやはりNYの魅力なのでしょう。
本作ではNYの各所で撮影されたほか、アトランタの街にセットが作られて撮影されたのだそう。美しい街並みの中、ライルらが歌い踊るシーンは必見です。
“歌えないワニ”の居場所は、どこにある?
ライルはヘクターと共にステージに立ちましたが、観客から向けられる好奇心の目がプレッシャーとなり、歌うことができません。それが原因で、唯一の家族であったヘクターに去られてしまいます。自分の居場所はどこにもないのか。隠れ続けることしかできないのか。そんな時に出会ったジョシュは、“歌えるワニ”であるライルではなく、ライル自身のことを受け入れてくれます。ジョシュにとって、ライルがステージで歌えるかどうかは、ライルが魅力的であることと関係ないのです。
求められた場所で活躍できない時、私たちは自分の存在意義自体を疑ってしまいがちです。でもありのまま、失敗してしまう自分も含めて、受け入れてくれる人は必ずどこかにいる。この空の下に、必ず私たちの居場所はある。ライルとジョシュの絆は、それを思い出させてくれます。
どうにもならない現実に心が折れたり、誰かも分からない人からの言葉に傷ついたり、目の前の現実から逃げたしたくなったりした時。映画『シング・フォー・ミー、ライル』は私たちの心に寄り添い、パワフルなエネルギーを渡してくれます。
ミュージカル映画『シング・フォー・ミー、ライル』は3月24日(金)から、全国の映画館で公開。上映劇場等の詳細は公式HPをご確認ください。
幼い頃は愛らしく、成長したワニのライルの豪快さや、ミセス・プリムの変貌っぷりなど、コミカルなシーンもたくさん!愛らしいキャラクターたちに癒されること間違いなしです!