これぞ劇団四季ミュージカルの原点！劇団四季創立70周年記念公演『ジーザス・クライスト＝スーパースター』［ジャポネスク・バージョン］6/22〜開幕

2023年7月14日（金）に、劇団四季は創立70周年を迎えます。創立70周年記念公演のひとつとして上演されるのが、『ジーザス・クライスト＝スーパースター』［ジャポネスク・バージョン］。演出家・浅利慶太さんによる独自の表現が特徴的な、劇団の人気レパートリー『ジーザス・クライスト＝スーパースター』は、70年続く劇団四季の原点と呼ぶにふさわしいミュージカルです。

劇団四季の礎を築いた『ジーザス・クライスト＝スーパースター』

『ジーザス・クライスト＝スーパースター』は、イエス＝キリストが十字架にかけられるまでの最後の七日間を描いたミュージカル。

今から約2,000年前のパレスチナでは、ユダヤのヘロデ王、ローマ人知事ピラト、ユダヤ大司教のカヤパと義父のアンナスによる3重の支配に民衆は苦しんでいました。救世主を望むユダヤの民の前に現れたのが、新しい教えを説くジーザス・クライスト（イエス＝キリスト）です。

民衆に奇跡を起こす神の子と称えられたジーザスは、自身に迫りくる死の気配に苦悩します。そんな彼を神の子ではなく一人の人間として見つめ、疑心を抱く弟子のユダ。そしてジーザスを一人の男として献身的に愛するマグダラのマリア。

彼らの複雑な思いが交差するなか、移ろいやすい民衆と権力によって刻一刻とジーザスの磔刑の時が迫ります。

『ジーザス・クライスト＝スーパースター』が初めて上演されたのは、劇団の創立から20年が経った1973年。

当時の劇団四季は創立当初のストレートプレイ中心の作品からミュージカル作品への転換期にあり、名女優・越路吹雪さんを主演に迎えた『アプローズ』、『日曜はダメよ』などのミュージカルを上演していました。

しかし『ジーザス』では、スターありきのミュージカルから脱却するために大々的な公開オーディションを開催。さらにはオリジナル版とは異なる日本独自の演出を取り入れ、俳優のスター性に頼らずに作品の感動を届けるという劇団の上演スタイルの礎を築きました。

そのスタイルは現在でも「作品主義」と呼ばれ、劇団四季ならではの強みとして存続しています。

本作には浅利慶太氏による［ジャポネスク・バージョン］と［エルサレム・バージョン］の2種類の演出版があり、6月から始まる『ジーザス・クライスト＝スーパースター』は日本初演と同じ［ジャポネスク・バージョン］での上演です。

名匠アンドリューロイド・ウェバーと劇団四季の出会い

ロックの旋律に乗せ、ドラマティックで濃密なイエス＝キリストの物語を紡ぐ『ジーザス・クライスト＝スーパースター』の音楽は、ミュージカル界のレジェンドである作曲家のアンドリュー・ロイド＝ウェバーと作詞家のティム・ライスによって作られました。

『ジーザス』を発表したとき、アンドリューは22歳、ティムは26歳という若さでした。今では世界中で知られる名作ミュージカルを生み出した天才たちの出世作が、この『ジーザス・クライスト＝スーパースター』なのです。

そして、劇団四季とアンドリュー・ロイド＝ウェバーが出会ったのも、この『ジーザス』がきっかけでした。本作の大成功を受け、その後も『キャッツ』、『エビータ』、『オペラ座の怪人』といったヒット作が誕生し、劇団四季とアンドリューの絆は今日でも続いています。（関連記事：アンドリュー・ロイド＝ウェバーってどんな人？経歴や代表作、注目作をわかりやすく紹介）