トニー賞は、ニューヨークのオン・ブロードウェイで開幕した演劇・ミュージカル作品を対象にした、アメリカ演劇界で最も権威ある賞です。その授賞式では、ノミネート作品に関連した豪華パフォーマンスが披露され、見どころ満載のセレモニーとなっています。

WOWOWでは、第79回トニー賞授賞式の様子を2026年6月8日(月)8時(日本時間)より生中継。番組ナビゲーターを務めるのは、井上芳雄さんと宮澤エマさんのおふたりです。さらに、京本大我さんがスペシャル・サポーターを務めます。

現地で今年の授賞式のホストを務めるのは、シンガーソングライターのP!NKさん。グラミー賞を3度受賞した彼女が、この栄誉ある役割をどのように展開するのか期待が高まります。

本記事では、今年のノミネート作品のなかでも注目すべき作品や、過去の受賞作について詳しく解説していきます。

映画もドラマも舞台へ!ミュージカル部門の注目どころ

作品賞は『シュミガドーン!』&『ロストボーイ』の一騎打ち?!

ミュージカル作品賞にノミネートされたのは、『ロストボーイ<原題:The Lost Boys>』、『シュミガドーン!<原題:Schmigadoon!>』、『タイタニーク<原題:Titaníque>』、『トゥー・ストレンジャーズ(キャリー・ア・ケーキ・アクロス・ニューヨーク)<原題:Two Strangers (Carry a Cake Across New York)>』の4作品。

『シュミガドーン!』Photo by Valerie TerranovaWireImage/Getty Images

ミュージカル作品賞を含む、最多12ノミネートを達成しているのが『シュミガドーン!』と『ロストボーイ』の2作品です。『シュミガドーン!』はApple TV+の同名ミュージカルドラマが舞台化された公演であり、『ロストボーイ』は80年代に日本でも大ヒットした同名のヴァンパイア映画が舞台化されています。どちらもドラマ・映画と異なるジャンルからミュージカルの世界に飛び出してきた作品で、このふたつの一騎打ちが今回の見どころと言えるでしょう。

ニューフェイスな主演男優賞&主演女優賞候補者たち!

『シュミガドーン!』『ロストボーイ』の次に続くのが、2023年に日本でも上演された『ラグタイム』です。こちらはミュージカル・リバイバル作品賞を含む11部門にノミネートされています。本作からはジョシュア・ヘンリーさんとブランドン・ウラノヴィッツさんのふたりがミュージカル主演男優賞にノミネートされました。

『ロッキー・ホラー・ショー』 ルーク・エヴァンス
Photo by Todd Owyoung/NBC via Getty Images

同じくミュージカル主演男優賞にノミネートされたのが、『ロッキー・ホラー・ショー』で主演を務めたルーク・エヴァンスさんです。エヴァンスさんは映画『美女と野獣』のガストン役で知られており、今回が初めてのノミネートとなりました。

特筆すべきは、ミュージカル主演女優賞の候補者たちです。なんと5名全員が初めての主演女優賞ノミネートということ。フレッシュな顔ぶれが揃ったこの部門では、誰が初受賞を掴み取るのでしょうか。

リバイバルから新たな挑戦まで。演劇部門の注目どころ

リバイバル作品の強さが光るノミネート結果に

演劇部門の最多ノミネートは、ネイサン・レインさんが主演を務めた『セールスマンの死』。アメリカ演劇を代表する劇作家アーサー・ミラー(1915-2005)の代表作です。1949年にピュリッツァー賞を受賞した本作が、今回演劇部門では最多の9部門ノミネートとなりました。

次点では7部門のノミネートとなった『オイディプス』。古代ギリシャの三大悲劇詩人のひとり・ソポクレスによるギリシャ悲劇です。時代を超えて愛される古典・近代劇が、今もなお高く評価されていることがわかります。

『セールスマンの死』主演のネイサン・レインさん、そして『オイディプス』で主演を務めたマーク・ストロングさんは、ともに演劇主演男優賞にノミネートされています。

ダニエル・ラドクリフ、ケリー・オハラらスターの活躍にスポットライト

『エヴリ・ブリリアント・シング』ダニエル・ラドクリフ
Photo by Theo Wargo/Getty Images

なんといっても見逃せないのが、映画『ハリー・ポッター』シリーズの主役として知られるダニエル・ラドクリフさんです。第78回トニー賞では『メリリー・ウィー・ロール・アロング』ミュージカル助演男優賞を受賞したラドクリフさん。今年は『エヴリ・ブリリアント・シング』で演劇主演男優賞にノミネートされています。演劇部門では初ノミネートということで、前述のレインさんやストロングさんといったライバルたちとの決戦から目が離せません。

『堕ちた天使』ローズ・バーン(左)、ケリー・オハラ・(右)
Photo by John Lamparski/Getty Images

ミュージカル界で数々の受賞歴を持つケリー・オハラさんが、初めてストレートプレイに挑戦したことにも触れておきましょう。オハラさんといえば2019年にミュージカル『王様と私』で渡辺謙さんと共演したこともあり、日本のミュージカルファンにもよく知られる存在ではないでしょうか。彼女の演劇デビュー作『堕ちた天使』では、早くも演劇主演女優賞にノミネートされています。

同作品でダブル主演を務めたローズ・バーンさんもノミネートされており、どちらが賞に輝くのか注目です。

日本の才能が世界へ。日系・日本人スタッフの活躍

日本の演劇・ミュージカルファンとして見逃せないのが、多くの日系・日本人スタッフの活躍です。

『キャッツ:ザ・ジェリクル・ボール』、『ラグタイム』の2作品で音響デザイン賞にノミネートされているのは、日系アメリカ人のカイ・ハラダさんです。

「dots」メンバーとして活躍中の西川公絵さんは、『ロッキー・ホラー・ショー』でミュージカル装置デザイン賞にノミネートされています。

さらに演劇装置デザイン賞には、『バグ』からタケシ・カタさんがノミネートされています。

世界が誇るブロードウェイで、これだけ多くの日本人がノミネートされていることは非常に喜ばしいですね。彼らのうち誰が賞を手にするのか、期待が高まります。

トニー賞をもっと楽しむために。WOWOWの特別番組は?

ここまでお伝えしてきたように、今年のトニー賞も大いに盛り上がりを見せています。

2025年に開催された第78回では、韓国発のミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング』がミュージカル作品賞を受賞しました。これは韓国ミュージカルのパワーと高いクオリティを世界に示した歴史的な快挙といえるでしょう。

人間よりも人間らしいヘルパーボットたちが織りなす、愛らしくてちょっと切ない本作。2026年11月から12月にかけて、浦井健治さん、花澤香菜さん、木下晴香さんといった豪華キャストによる日本上演が決定しています。

WOWOWのトニー賞関連番組『京本大我 ハロー・トニー! 2026』では、京本さんがそんな『メイビー、ハッピーエンディング』を生み出した韓国へ。ナビゲーターの井上さん、宮澤さんがトニー賞の楽しみ方を解説する『井上芳雄×宮澤エマ トニー賞の歩き方』も6月8日までWOWOWオンデマンドで配信中です。

さらに、「生放送!井上芳雄ミュージカルアワー『芳雄のミュー』」第33話には宮澤エマさんと京本さんがゲストとして登場。ブロードウェイミュージカルの魅力や授賞式への期待を語り合いました。こちらは5月31日まで視聴が可能です。

その他、WOWOWでは「ステージ好きに贈る、トニー賞スペシャル!」として、ミュージカル「ルドルフ」ウィーン版やミュージカル「エリザベート」コンサート in シェーンブルン宮殿などの放送・配信が行われます。

第79回トニー賞授賞式は生中継(同時通訳版)が6月8日(月)午前8:00から、字幕版が6月13日(土)午後6:30からWOWOWにて放送・配信されます。

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糸崎 舞

『セールスマンの死』『オイディプス』など、演劇史を語る上で欠かせない作品のノミネートはもちろん、ダニエル・ラドクリフさんやケリー・オハラさんが新たな挑戦をしていることにもわくわくが止まりません! 今年栄光を手にするのはどのチームなのか。結果が楽しみです。