日本のミュージカルファンにも愛されている名作ブロードウェイミュージカル『RENT』。その『RENT』で主人公のマークのオリジナルキャストを務めたアンソニー・ラップが、自身の自伝を元にしたワンマンミュージカル『WITHOUT YOU』を日本で初めて上演します!

『RENT』マーク役の元祖、アンソニー・ラップとは

『RENT』は1996年にオフ・ブロードウェイで生まれ、トニー賞やピューリッツァー賞などの名誉ある賞を数々受賞し、社会現象を起こした伝説のミュージカル。2006年にハリウッドで映画化もされ、レントヘッドと呼ばれる熱狂的なファンが世界中にいることは、もう皆さんご存知ですよね。(『RENT』のあらすじは作品の魅力は、こちらの記事にも紹介しています。)

そんな『RENT』で、マーク・コーエン役のオリジナルキャストと映画版の同役を務めたのが、今回ワンマンミュージカルを日本で初開催するアンソニー・ラップ。9歳から俳優として活躍し『オリバー!』にも出演していたアンソニーは、もともと『RENT』が世界で初めて上演されたニューヨーク・シアター・ワークショップでスタッフのアルバイトをしていました。

『RENT』の大成功により、彼は映画版が公開された後もロジャー役のオリジナルキャストであるアダム・パスカルと共に2009年まで作品のブロードウェイ再上演、全米ツアーに参加しています。

2013年にはモーリーン役のオリジナルキャストのイディナ・メンゼルが主演するミュージカル『If/Then』にルーカス役で出演。コメディ映画『ベビー・シッター・アドベンチャー』やドラマ『X-ファイル』など、多数の映像作品にも出演している印象的な俳優です。

『RENT』は開幕前に作者のジョナサン・ラーソンが急逝し、彼の意志を継いで作品を育てたのは登場人物たちに息を吹き込んだ俳優たち。若き芸術家たちの青春を描いたプッチーニのオペラ『ラボエーム』に着想を得た『RENT』には、個性的なキャラクターがたくさん登場します。

なかでもアンソニー・ラップが演じる主人公のマークは映像作家を目指す青年で、仲間たちの中でも起伏が少なく観客の目線に一番近い位置にいる存在。アンソニーはマーク役の視点から見た『RENT』が成功するまでの道のり、ジョナサン・ラーソンとの絆、愛する家族のこと、バイセクシュアルであることなどを、2006年に出版した自伝『WITHOUT YOU』に綴っています。

アンソニー自身が語り、演じ、歌う『WITHOUT YOU』

『WITHOUT YOU』は、アンソニー・ラップが書いた同タイトルの自伝的小説をアンソニー自身が語り、演じ、歌うワンマンミュージカルです。原作となる自伝は、日本では現在未出版のもの。

今回の舞台は日本語字幕付きなので小説の内容を日本語で知ることができて、アンソニーが3人のバンドメンバーを引き連れて生で歌を披露してくれるというのですから、彼のファンやレントヘッズにはたまらないのではないでしょうか?

1994年、スターバックスでバイトしていたお金のないアンソニーは『RENT』のオーディションに参加し、初めてジョナサン・ラーソンに出会います。無事オーディションに合格し、マーク役の座を射止めたアンソニー。作品の制作が進むなか、彼の母親にがんが見つかります。

アンソニーは舞台に立ちながらも、闘病中の母を見舞い、いつも気にかけていました。彼のキャリアと名作『RENT』にまつわるエピソード、そして愛する母との別れを描いた感動的なノンフィクションミュージカルです。

作中では、アンソニーが「Seasons of Love」をはじめとする『RENT』の代表曲を歌います。「One Song Glory」や作品タイトルと同じ曲名の「Without You」など、マークが歌っていない曲も披露されるようです。さらに、アンソニーがリリースしたオリジナル楽曲も登場します。

アンソニー・ラップのミュージカル『WITHOUT YOU』は、2024年3月3日(日)から10日(日)にかけて東京のIMM THEATER にて上演。16日(土)17日(日)には大阪の梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティでも上演されます。詳しい日程とチケットの詳細は、作品の公式HPをご覧ください。

さきこ

アンソニー・ラップは以前から来日を望んでいたようで、今回の『WITHOUT YOU』は彼にとってもファンにとっても念願が叶った初来日公演となります。 前方エリアの座席が確約されたVIP席の観客は、なんと終演後にアンソニーとの記念撮影ができるMeet & Greetが実施されるそう! 参加される運の良い皆様は、生のアンソニーを間近で見て上がりすぎないよう、事前にイメトレをしておく方がいいかもしれません。