2026年夏、PARCO劇場×三谷幸喜さんによる『3谷幸喜3作品3連発公演』が開催されます。

1994年からPARCO劇場をホームグラウンドとして、さまざまな演劇を上演してきた劇作家・三谷幸喜さん。彼がこの夏挑戦するのは、2本の新作と1本の再演からなる「3作品連続公演」です。ハリウッドの裏側をシリアスに描いた『アメリカン・ドリーム』、2025年に大好評を博した『人形ぎらい』の再演、そして川平慈英さんとシルビア・グラブさんによる『ショーガール』の新作。どの作品も見逃せません。

マッカーシズム吹き荒れるハリウッドを描く『アメリカン・ドリーム』

2026年8月15日(土)からPARCO劇場で開幕する『アメリカン・ドリーム』は、本企画の第1弾となる新作舞台です。

出演者には、映像作品から舞台まで幅広く活躍されている小日向文世さん、浅野和之さん、中川大志さん。今回が初めての三谷作品出演となる浅野雅博さん。2018年に旗揚げした「劇壇ガルバ」では演出も務める山崎一さん。そして三谷さん脚本のドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』にも出演歴のある関谷春子さんです。

三谷さんは、公式ホームページにて「ハリウッドの赤狩りは、いつか描いてみたかったテーマでした。」と本作への念願を綴っています。コメディの名手である三谷さんが「ちなみに今回はコメディではありません。新しい挑戦」と断言していることからも、本作に対する並々ならない思い入れが伝わってきます。

『アメリカン・ドリーム』の舞台は、1940年代後半から1950年代初めのマッカーシズム真っ只中のアメリカです。

マッカーシズムとは反共産主義に基づく政治活動のことで、学者や芸術家、政治家までもが「共産主義者ではないか」と告発されました。そして、当時ハリウッドで活躍していた映画人たちも非米活動委員会に呼び出されるなど、影の濃い時代でした。

映画『欲望という名の電車』『エデンの東』などの名作を世に送り出したエリア・カザン(1909-2003)は、この当時ハリウッドからの追放を逃れるため、仲間たちを告発したとも言われています。本作では、エリア・カザンをモデルにした役を浅野和之さんが演じることが決まっており、このような歴史的背景がどう描かれるのかも注目のポイントです。

『アメリカン・ドリーム』は、2026年8月15日(土)から9月13日(日)まで東京・PARCO劇場で上演されます。その後、京都、北海道、岡山、大阪、愛知、福岡と全国7都市を巡演する全国公演です。各公演のチケット情報やスケジュールなどは公式ホームページをご覧ください。

人形がスケボーに乗る?三谷文楽『人形ぎらい』

第2弾は、2025年にPARCO劇場での上演が大好評を博した“三谷文楽”『人形ぎらい』の京都公演です。“三谷文楽”とは、日本の古典芸能である文楽の伝統と技芸に敬意を示しながらも、三谷さんの新しい視点によって生み出された古典エンタテイメントです。2012年の『其礼成心中』が大きな話題となりました。

そんな“三谷文楽”の13年ぶりの新作が、本作『人形ぎらい』です。小悪人を演じさせれば天下一品の“陀羅助(だらすけ)”を主人公に、文楽人形がスケートボードで大阪の街を疾走するなど、驚きの名場面が好評を博しました。

斬新な場面もさることながら、本作で最も興味深いのは文楽で使われる「首(かしら)」が主人公であることでしょう。「首(かしら)」とは、文楽人形で使われる顔の種類のことです。女性の役には女性の首、美男子役には美男子の首など、それぞれの役柄が決まっています。本作の主人公・陀羅助は険しい顔つきをしていて、頑固な武士や嫌味な悪役ばかり演じる「首」なのです。

人形遣いの巧みな技によって、まるで舞台上で生きているかのように動く文楽人形。その人形たち自身に人格を持たせたというメタ視点が、本作が愛される理由の一つかもしれません。

『人形ぎらい』は、2026年8月21日(金)から8月26日(水)まで京都劇場にて上演されます。公式HPはこちら

6年ぶりに開幕『三谷幸喜のショーガール vol.3』

1974年から1988年にかけて、福田陽一郎さんによる脚本・構成・演出、そして木の実ナナさん、細川俊之さんの出演によって上演され続けてきた『ショーガール』。通算547回のロングランとなったこのミュージカルは、PARCO劇場の上演史になくてはならない伝説の作品となっています。

福田さんの名作を三谷さんが受け継ぎ、2014年、2016年、2018年、2020年と公演を重ねてきた『三谷幸喜のショーガール』。

その歴史ある作品が、6年ぶりに『PARCO PRODUCE 2026 パルコ・ミュージック・ステージ KOKI MITANI’S SHOW GIRL vol.3 ショーガール~きみは最高~』として上演されます。

出演は川平慈英さん、そしてシルビア・グラブさんです。川平さんとシルビアさんは、2014年の初演以来、上質なステージを提供し続けています。また、作曲・ピアノ演奏の荻野清子さんをはじめ、ベースの一本茂樹さん、ドラムの萱谷亮一さんも変わらぬ顔ぶれで『ショーガール』の世界を彩ります。

ミュージカルとショータイムで構成される本作。第1部は三谷幸喜さんの書き下ろし脚本、そして荻野さんの作曲した音楽によるショートミュージカルです。「きみは最高」というサブタイトルの通り、世界の歴史の中で語り継がれる名パートナーたちを、川平さんとシルビアさんがオムニバス形式で演じます。

そして第2部は華やかなショータイムとなり、最高のパートナーたちによる名曲をおふたりが歌い上げ、おしゃれで楽しい時間を観客に届けます。おふたりの息の合ったパフォーマンスに期待です。

『パルコ・ミュージック・ステージ KOKI MITANI’S SHOW GIRL vol.3 ショーガール~きみは最高~』は、2026年9月19日(土)から9月27日(日)まで、東京・PARCO劇場で上演されます。公式HPはこちら

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糸崎 舞

歴史を基に書かれた重厚な演劇、文楽人形が主役の前人未到のコメディ、そして大人のミュージカルショー。それぞれの作品の振れ幅に驚きました!ジャンルが異なる名作を次々に生み出せる三谷幸喜さんの才能を改めて感じます。