2002年にスティーブン・スピルバーグ監督により、レオナルド・ディカプリオとトム・ハンクスのダブル主演で映画化され話題になった『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』。その後ミュージカル化され、日本ではこれまでに東宝版、宝塚版ともに上演されてます。今回は、岩本照さん主演で上演中の『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』観劇リポートをお届けします。(2022年8月。東京国際フォーラム ホールC)作品についてはこちら ※ネタバレあり

目を惹く華やかな衣装に、迫力のダンスシーン!

豪華な衣装デザインは十川ヒロコさん。『Flash Dance』や『PROM』に『JAMIE』と数々のミュージカル作品の衣装を手掛けています。岩本さん演じる主人公の青年・フランクが、パイロットに扮する時に身につけるキラキラのたくさんついたジャケットや、女性アンサンブルたちが身に纏うCAやナースの衣装はどれも華やかで目を惹きます。

華やかさが目を惹くのは衣装だけでなく、大人数のダンスシーンも。主人公・フランクがパイロットになる過程を華麗に描く「ジェットセット」、フランクの追っ手でFBI捜査官のハンラティが部下を従えて歌い踊る「Don’t Break The Rules」は特に必見です。また、CAにナースに、フランクと共に華麗に変身していく女性アンサンブルのみなさんの活躍にも目が離せません。

「家族を修復するために」不安定な青年期を繊細に演じる

主演を務める岩本さんは、自身の所属するグループSnowManの楽曲で振り付けを担当するなど、そのダンススキルはとても高いもの。振り付けなのか岩本さんオリジナルの動きなのかわからないものがあるほどでした。また、アクロバットも披露したりと、岩本さんの持つダンスの技術や運動能力の高さが存分に発揮されていました。

岩本さん演じるフランク・アバグネイル・ジュニアは、劇中で高校生〜20歳ごろまでの青年期が描かれます。岩本さんの高めで時にうわずったような声質が、不安定な青年期を過ごしているフランクという役ととても合っていました。

フランクが詐欺を働き始めたきっかけは、両親の離婚からでした。ただ詐欺をしているのではなく、家庭を修復したい一心に、詐欺を重ねていってしまうフランク。クリスマスに話し相手欲しさに追っ手のハンラティに電話したり、父親にお金渡して会社をやり直してと頼んだりと、子どもらしい一面を持っています。

岸裕二さん演じるフランク・シニアが息子に「窮地にあっても知恵で抜け出して、自分の力で成功しろ」と教える「ミルクからバター」という楽曲などで、父と息子の関係性がしっかり描かれていたため、「父親に喜んでほしい」一心で家族を元に戻すために詐欺を働いてしまうフランクに、心を寄り添うことができました。

ミュージカル『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』は東京国際フォーラムCホールにて、9月4日まで公演。その後、大阪・オリックス劇場で9月9日から15日まで公演が予定されています。公式HPはこちら

AmazonPrimeでの視聴はこちら

ミワ

シーンがとても早いスピードで進んでいくので、不安な方は映画版などで予習していくことがおすすめです!3階席からの観劇でしたが、表情をしっかり見たい方は双眼鏡やオペラグラスはマストで必要に感じました。会場でオペラグラスの貸し出しも合ったので、万が一忘れてしまっても安心です!