劇団四季のディズニーミュージカル『アナと雪の女王』が、2027年1月17日(日)に東京千穐楽を迎えたのち、6月から大阪でロングラン上演の幕が開きます。真実の愛を追い求める姉妹の絆、圧倒的なスケールで描かれる美しい雪と氷の世界、そして心揺さぶる名曲の数々。2021年よりロングランを続け、多くの観客に感動をもたらしている作品の見どころを紹介します。

劇団四季とディズニーが贈るミュージカル第7弾『アナと雪の女王』

ミュージカル『アナと雪の女王』は、2013年に公開された同名の劇場版長編アニメーションを基にした作品です。

原作のアニメーション映画は、全世界興行収入において2019年11月公開の続編映画「アナと雪の女王2」に破られるまで、アニメーション映画史上歴代1位の記録を保持。2014年の第86回アカデミー賞では、ディズニーアニメーション初となる長編アニメーション賞と歌曲賞をダブル受賞しています。日本でも国内公開アニメーションとしては歴代4位の成績を収めるほど大ヒットし、“アナ雪”ブームを巻き起こしました。

そんな人気映画が舞台化され、2018年3月にアメリカのブロードウェイで初演。2019年11月にアメリカツアー公演、また翌年12月にはオーストラリアでのシドニー公演が行われました。

本作の日本上陸は、1995年より数々のディズニーミュージカルの上演を行う劇団四季のもとで実現。2021年6月、提携第7作目として、同じ年に開業したばかりのJR東日本四季劇場[春]にて日本初演を果たしました。以来、今や約5年にわたって上演され続けており、大人から子どもまで魅了する作品となっています。

映画版をさらに掘り下げたストーリーと音楽に注目!

ミュージカルでは、映画版の共同監督と脚本を務めたジェニファー・リーさんが、台本を担当。原作のストーリーラインを踏まえながら、アナとエルサの姉妹を中心にそれぞれの心情や関係性をより丁寧に描き出しました。その結果、キャラクターの言動に一層共感しやすくなり、人間ドラマとしての深みもぐっと増しています。

作曲・作詞を手掛けるのは、こちらも映画版と同じく、ロバート・ロペスさんとクリステン・アンダーソン=ロペスさんの夫婦コンビです。ロバートさんはエミー・グラミー・オスカー・トニー賞のすべてを受賞した史上12人目の“EGOT”として有名。もちろん夫婦での活躍もめざましく、ディズニー/ピクサーアニメーション映画「リメンバー・ミー」では「Let It Go」に続いて2度目となるアカデミー賞歌曲賞を獲得しました。

2人はミュージカル化にあたって、「生まれて初めて」「雪だるまつくろう」など映画を盛り上げた楽曲に加え、10曲以上もの新曲を作ったというから驚きです。

とりわけエルサが強大な魔法の力を恐れ、自問自答しながらも、今どうすべきか決意を固める「モンスター」は、1幕のラストを飾る名曲「ありのままで」と並んで観客を圧倒する力強いナンバー。

また、女王の戴冠式で歌われる新曲「危険な夢」からは、妹のアナにさえ秘密を明かせないエルサの孤独や不安がリアルに伝わってきます。

さらに2幕の「あなたを失いたくない」では、アナとエルサがお互いを大切に思っているのがわかるからこそ、すれ違ってしまう切なさに胸が締め付けられます。映画のファンの方も、ミュージカルではまた違った感想や新しい発見と出合えますよ。

「Let It Go」の名訳でおなじみの高橋知伽江による日本語訳

実は、本作を英語以外の言語で上演するのは、日本の劇団四季が初めてでした。そこで、要となる日本語台本と訳詞を担ったのが、高橋知伽江さんです。

高橋さんは劇団四季を経て1997年よりフリーランスとなり、演劇台本の執筆から翻訳、訳詞を手掛け、中でもオリジナルミュージカルの創作に力を入れるなど、幅広く舞台芸術に携わっています。2011年にノエル・カワードの戯曲『秘密はうたう A song at Twilight』と『出番を待ちながら』の翻訳により、第4回小田島雄志・翻訳戯曲賞を受賞。直近では2026年1月のミュージカル『ISSA in Paris』で脚本・訳詞を手掛け、2026年7月には訳詞を担当したミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』が開幕予定です。

劇団四季との縁は現在まで続いており、ディズニーミュージカル『アラジン』における日本語訳詞が評価され、2016年に第23回読売演劇大賞の優秀スタッフ賞を獲得。さらに劇団四季オリジナルミュージカル『バケモノの子』と『ゴースト&レディ』で脚本・歌詞も手掛けました。

もともと映画版の訳詞も高橋さんが務めており、特に「Let It Go〜ありのままで~」の歌詞に聞き覚えのある方は多いはず。映像の動きと合わせるために文字数の制約があるなか、シンプルな日本語でエルサの揺れ動く気持ちを巧みに表現しました。こうした実績もあり、高橋さんは2019年日本公開の「アナと雪の女王2」でも日本語訳詞を託されています。

ほかにも、ディズニー映像作品では2008年の「魔法にかけられて」や2011年の「塔の上のラプンツェル」、2017年の実写版「美女と野獣」などで日本語訳詞を担当。「原詞のエッセンスを正確につかみ取り、その詞のイメージを大胆に“日本語”として再構築する」ことを第一線で実践し続けています。

ミュージカルと映画の両方に登場する楽曲で、日本語訳にどのような違いがあるのか、聞き比べてみるのも面白そうです。

劇場いっぱいに広がる、美しい雪と氷の世界

撮影:阿部章仁 ©Disney

本作で演出にあたったのは、シェイクスピア劇からミュージカル、オペラ、映画と多彩なジャンルの作品を手掛けてきたマイケル・グランデージさんです。2010年の舞台『Red』でのトニー賞をはじめ、ローレンス・オリヴィエ賞を含む数々の賞を受賞し、高い評価を得ています。

また、振付にはトニー賞やローレンス・オリヴィエ賞、エミー賞などの受賞歴を持つロブ・アシュフォードさん。物語の世界観やキャラクターの内面を落とし込んだダンスにもぜひ注目してみてください。

そして装置・衣裳デザインは、クリストファー・オラムさんが担当。2010年には演出のマイケルさんとともに舞台『Red』で、2015年に『ウルフ・ホール』でもトニー賞を受賞した実績の持ち主です。

このように世界の演劇界で活躍するクリエイターが集結し、演劇的想像力を膨らませながら、最新技術も活用。アニメーションの映画「アナと雪の女王」を、見事に舞台上に具現化しました。

例えば、最新鋭のプロジェクションマッピングとLEDパネルを組み合わせることで、エルサが繰り出す魔法を臨場感たっぷりに演出。エルサの感情に呼応するかのように雪と氷も表情を変え、観客はまるで本当に凍った世界に迷い込んでしまったかのような気分に。

また、「ありのままで」のシーンでエルサが創り上げる氷の宮殿には本物のスワロフスキーガラスをあしらい、煌めく氷の美しさを表現しています。

さらに、マスコット的存在のオラフはパペットと操り手の俳優が一体となって演じ、トナカイのスヴェンもパペットで表現。細部にまでとことんこだわり、考え抜かれた演出こそ、観客を魅了する何よりもの魔法といえるでしょう。

東京から大阪へ!2027年6月よりロングラン上演決定

日本上演5周年特別カーテンコール ©Disney

6月24日(水)に日本上演5周年を迎えた『アナと雪の女王』。東京公演の閉幕を惜しむ声が日に日に強まるなか、嬉しいニュースが舞い込んできました。なんと2027年6月20日(日)より、大阪の大阪四季劇場にて『アナと雪の女王』のロングラン上演が決定。東京に次ぐ2都市目の上演となり、愛と感動の物語が再び幕を開けます。

大阪四季劇場でディズニーミュージカルがロングランされるのは、2018年から2021年まで上演された『リトルマーメイド』以来5年ぶり。チケットの販売は2027年2月の予定となっていますが、続報を楽しみに待ちましょう。

劇団四季のディズニーミュージカル『アナと雪の女王』は、東京・JR東日本四季劇場[春]にて2027年1月17日(日)まで上演中。2026年6月時点で、2027年1月16日(土)公演分までのチケットが好評販売中です。公演に関する詳細は公式HPをご確認ください。

もこ

筆者も大好きなディズニー映画のひとつである「アナと雪の女王」。東京公演に一区切りつくのは寂しい限りですが、この機会に観に行ってみては。来年6月に始まる大阪でのロングラン上演も待ち切れませんね!