2021年、日本初演で大好評を博したディズニーミュージカル『ニュージーズ』。今年の10月には新たなキャストも加わり再演が予定されています。今回はこの大ヒット作の魅力を深掘り。これを読んだあなたはきっと観劇したくなるはずです！

実話をもとにした少年たちの奮闘劇

作品を紐解くうえでまず気になるのはあらすじ。本作は同名の映画作品を原作にミュージカル化されたものですが、なんと1899年ニューヨークで実際に起こったストライキ騒動をもとに作られているのだとか。

主人公のジャックは足の不自由な友人クラッチーや、孤児・ホームレスの新聞販売少年たち“ニュージーズ”と共に暮らし、新聞を売って生活しています。より多くの売り上げを得るため、仲間と協力しながら奮闘の日々。

そんななか、新聞社のオーナーであるピュリツァーは彼らへの新聞卸値を引き上げ、他社より儲けようと企て中。自分たちの生活と権利を守るべく立ち上がったジャック。ニュージーズを率いてストライキを決行します。

勝つのは権力者ピュリツァーか、若きニュージーズか。今を懸命に生きる少年たちの未来はいかに。

全編を通してみると“楽しく幸せ”なお話とは言い切れませんが、決して暗いストーリーではありません。深刻なテーマを取り入れながらも、どこか親しみやすいキャッチーな演出が作中に散りばめられています。

極上の脚本に美しく華やかなメロディーを乗せて

ボブ・ツディカーさんとノニ・ホワイトさんが脚本を手掛けた映画版を原作に、ブロードウェイ版ではディズニー・シアトリカル・グループが製作を担当した本作。トニー賞８部門にノミネート・２部門受賞し、ドラマ・デスク・アワードでは６部門にノミネート・２部門受賞と、数々の好評を得ました。

そしてブロードウェイで２年間、通算1,004回公演を達成。さらに2014年の全米ツアーで回ったのはなんと25都市。言わずと知れた人気作品となりました。

脚本を手掛けたのはトニー賞を４度受賞しているハーヴェイ・ファイアスタインさん。『ラ・カージュ・オ・フォール』や『トーチソング・トリロジー』でも有名ですね。

また、音楽チームも鬼才揃い。『美女と野獣』『アラジン』『天使にラブ・ソングを～シスター・アクト～』など数々のヒット作を生み出し、アカデミー賞８度の受賞を誇るアラン・メンケンさんが音楽製作を、ジャック・フェルドマンさんが作詞を担当しています。

社会の不平等さや子供の人権についてなど、難しい問題にも触れている本作。しかし作中に登場するダンスナンバーは躍動感溢れるポップなものばかりです。ストーリー展開が重くなりすぎることなく軽やかなテンポで進んでいくため、普段演劇を観ない方でも挑戦しやすい作品かもしれません。

加えて、厚みのあるキャスト陣の歌唱とアクロバティックな群舞は圧巻。ディズニーオンブロードウェイのYouTubeチャンネルでは歌唱シーンの動画も観ることができます。

どの曲もとっても魅力的ですが、「SEIZE THE DAY」はとくに人気なナンバーのひとつ。落ち着いた曲調から始まりパワフルな大合唱になるのが印象的です。「ストライキ！ストライキ！」と声を上げる部分は爽快で耳に残ります。

そして他にも素敵なナンバーが盛りだくさん！皆さんもぜひ、本作でお気に入り曲を見つけてみてはいかがでしょうか？

10月は東京・日生劇場へ！

待望の再演を迎える日本版の『ニュージーズ』。演出は初演に引き続き、『エリザベート』『モーツァルト！』『レディ・ベス』『１７８９ -バスティーユの恋人たち-』『ロミオ＆ジュリエット』『ＬＵＰＩＮ～カリオストロ伯爵夫人の秘密～』など、多くの大ヒット作を生み続ける日本ミュージカル界の巨匠・小池修一郎さん（宝塚歌劇団）が担当。東宝作品がお好きな皆さんにはお馴染みの方ですね。

2021年の初演では、台本と音楽は同じまま、オリジナル版とは異なる演出・振り付け、ビジュアル・コンセプトで挑んだ小池さん。再演となる今回もその演出に注目が集まります。映画版やブロードウェイ版を観てから違いを楽しむのもいいかも？

ブロードウェイミュージカル『ニュージーズ』は、2024年10月9日(水)〜10月29日(火)東京・日生劇場にて上演予定。また、11月3日(日・祝)・11月4日(月・休)兵庫・兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホール、11月9日(土)〜11月11日(月)福岡・福岡サンパレス ホテル＆ホールとツアーが続きます。

そして東京公演は2024年８月31日(土)より一般発売開始です！詳しくは公式サイトをご確認ください。劇場でニュージーズたちのパワフルなエネルギーを体感してみてくださいね。 関連記事：ディズニーミュージカル『ニュージーズ』メインキャスト発表！星風まどか、加藤清史郎、石川禅ら出演