2026年11月の東京は、演劇界の歴史に刻まれるであろう注目作が目白押しです。野田秀樹さんの名作の凱旋をはじめ、堂本光一さんが手掛ける新作舞台、劇団☆新感線の大人気作品など、多彩なラインナップが揃いました。珠玉の演劇・ミュージカルを味わうために、劇場へ足を運んでみませんか?

NODA・MAP『THE BEE』世界中で愛される野田秀樹の代表作が、演劇の聖地に還ってくる

2006年にロンドンで初演されて以来、10ヵ国14都市で上演を重ね、世界中の観客や劇評家を熱狂させてきた野田秀樹さんの代表作『THE BEE』。筒井康隆さんの小説『毟りあい』に着想を得て生み出された本作が、演劇の聖地である本多劇場へと帰還します。

平凡な会社員・井戸はある日突然、妻子を凶悪な脱獄囚に人質として取られてしまいます。家族を助けるため、井戸はなんだか頼りない警察とともに行動を起こしますが、事態は思わぬ展開へ向かうことに……。鉛筆をはじめとする小道具を見立て、役者が瞬時に役柄を切り替えるスリリングな演出のもと、混沌や狂気が容赦なく暴き出されることでしょう。

高橋一生さん、二階堂ふみさん、河内大和さん、川平慈英さんという実力派4名が集結。小劇場の濃密な空間で放たれる、研ぎ澄まされた表現力を体感してみませんか?NODA・MAP 番外公演『THE BEE』は、2026年11月2日(月)から12月6日(日)まで本多劇場で上演されます。詳細はこちらから。

EX THEATER ARIAKE OPENING LINEUP『百鬼夜鏡』鬼に支配されようとする過去の世界に、現代の高校生たちが立ち向かう

『百鬼夜鏡』は、数々の舞台作品を牽引してきた堂本光一さんが構成・演出を手掛けるオリジナル舞台です。脚本家・西田征史さんとともに、音楽、ダンス、アクションを巧みに融合させた新しいエンターテインメントを誕生させます。

物語は、ごく普通の日常を送っていた現代の高校生たちが、鬼たちに支配された室町時代の京都へタイムスリップするところから動き出します。すると鬼の集団に襲われますが、若き陰陽師・安倍有世と、「自分たちの心から生まれた」という3体の若鬼によって逃げのびます。人間と鬼、光と闇の狭間で葛藤しながら、高校生たちは元の時代へ戻るため、「自分の中にいる鬼」と対峙するために壮絶な戦いへと身を投じるのでした。

出演は川﨑皇輝さん、内村颯太さん、元木湧さん、北川拓実さん、安嶋秀生さん、松尾龍さんという勢いあふれる若手陣に加え、加藤諒さん、西田ひらりさん、松崎祐介さん、戸塚祥太さん、薮宏太さんなど、舞台経験豊かな俳優が揃いました。自由度の高い舞台機構を駆使したダイナミックな演出にも注目です!

EX THEATER ARIAKE OPENING LINEUP『百鬼夜鏡』は、2026年11月3日(火・祝)から26日(木)まで、EXシアター有明(東京ドリームパーク内)で実施されます。詳細はこちらから。

PARCO PRODUCE 2026『聖地X』ドッペルゲンガーの出現をきっかけに、思いをかたちにする未開の聖地の秘密が浮かび上がる

劇団イキウメを主宰し、「目に見えないもの」との関係性から人間の本質を描いてきた前川知大さん。代表作であり、映画化も話題を呼んだ『聖地X』が、パルコ・プロデュースの舞台として上演されます。ドッペルゲンガーの登場を皮切りに、「存在とは、記憶とは何か」というテーマをコミカルかつ不気味に問いかける傑作SFホラーコメディです。

田舎町で悠々自適に暮らす山田輝夫のもとに、妹が夫と別居して戻ってきます。その後、妹の夫がやってきますが、その夫は同時に東京にも存在していました。輝夫がドッペルゲンガーを独自に調べ始めると、過去の事件と「思いをかたちにする未開の聖地」について知ることになり……。

前川知大さんの緻密な会話劇を立ち上げるのは、桐谷健太さん、和希そらさん、浜田信也さん、こがけんさん、池田良さん、土本燈子さん、渡辺光さん、村岡希美さん、馬渕英里何さん。笑いと恐怖、哲学的思索が絶妙に混ざり合い、心を揺さぶるスリリングな観劇体験を届けてくれることでしょう。

PARCO PRODUCE 2026『聖地X』は、2026年11月5日(木)から29日(日)までPARCO劇場で開幕します。また、12月5日(土)から7日(月)まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール、12月19日(土)・20日(日)に香川・シアターマド(丸亀市民会館) 大ホールでも実施予定です。詳細はこちらから。

Bunkamura Production 2026 DISCOVER WORLD THEATRE vol.17『グレンギャリー・グレンロス』シカゴの不動産会社の営業マンたちが、生き残りを懸けた駆け引きを繰り広げる

現代アメリカ演劇界を代表する劇作家デヴィッド・マメットさんが手掛け、ピューリッツァー賞を受賞した『グレンギャリー・グレンロス』。海外の名作戯曲に新たな光を当てる「DISCOVER WORLD THEATRE」シリーズの第17弾として上演される本作は、新進気鋭の演出家ジョン・ハイダーさんの手によって日本初上陸を果たします。

舞台となるシカゴの不動産会社は、売上至上主義が支配する職場です。売れない営業マンは容赦なく解雇されるため、生き残りを懸けた男たちは、優良な見込み顧客リストを巡ってお互いを蹴落とし合うことに。そんな中、オフィスから重要資料が盗まれる事件が発生し、男たちの欲望と疑念は極限へと達するのでした。

堤真一さんと濵田崇裕さんがW主演し、鈴木浩介さん、前川泰之さん、岩瀬亮さん、小松和重さん、池内博之さんという演技派俳優陣が集結します。マシンガンのように繰り出される台詞の応酬と、男たちの生々しい駆け引きによって、客席は息を呑む緊張感で包み込まれるはずです。

Bunkamura Production 2026 DISCOVER WORLD THEATRE vol.17『グレンギャリー・グレンロス』は、2026年11月6日(金)から30日(月)までIMM THEATERで実施予定です。12月5日(土)から11日(金)までは大阪・森ノ宮ピロティホールでも上演されます。詳細はこちらから。

『巨匠とマルガリータ』1930年代のモスクワを舞台に、劇作家「巨匠」とマルガリータの愛の行方を追いかける

20世紀ロシア文学の最高傑作と称されるミハイル・ブルガーコフの小説を舞台化した『巨匠とマルガリータ』が、新国立劇場の2026/2027シーズンを飾ります。ソ連当局に体制批判とみなされながらも、「真に価値ある作品は、権力や抑圧によって破壊されることはなく、いつか必ず人々の手元に届く」という信念を込めて遺された不朽の名作に、演劇界をリードする演出家・上村聡史さんが挑みます。

1930年代のモスクワ文学界は官僚主義と検閲で強く制限されていました。劇作家である通称「巨匠」は、ローマ総督をテーマに野心的な作品を執筆しますが、激しい批判にさらされた結果、自分の原稿を焼き払い、精神病院へと姿を消してしまいます。

一方、彼を深く愛するマルガリータは、巨匠と彼が遺した作品を取り戻したいと願います。すると突如として奇妙な外国人ヴォランドが現れ、モスクワの街で騒動を起こし、市民たちの本性を試そうと取引を持ちかけます。マルガリータは取引に応じますが、ヴォランドの目的、巨匠の運命、そして愛の行方は一体どうなるのでしょうか?

成河さん、花乃まりあさん、松島庄汰さん、菅原永二さん、明星真由美さん、小松利昌さん、富山えり子さん、内田健介さん、山本圭祐さん、山森大輔さん、柴一平さん、釆澤靖起さん、近藤隼さん、猪俣三四郎さん、篠原初実さん、笹原翔太さん、大鷹明良さん、篠井英介さんが出演し、20世紀最高の奇想小説をスペクタクル狂騒劇として蘇らせます。

『巨匠とマルガリータ』は、2026年11月7日(土)から23日(月・祝)まで、新国立劇場・中劇場で上演されます。詳細はこちらから。

シス・カンパニー公演『果てない~甦る母篇~』20年ぶりに母が目覚め、家族全員の「シアワセ」を揺さぶりはじめる

劇団モダンスイマーズの座付き劇作家であり、人々の何気ない生活風景から人間の複雑な感情を描く蓬莱竜太さん。彼がシス・カンパニー公演に初めて書き下ろす新作舞台が『果てない~甦る母篇〜』です。演劇界の第一線で活躍する豪華なパワーメンバーが集結し、家族という共同体を舞台にした濃密な会話劇を繰り広げます。

一家の母は20年前、脳出血で寝たきり生活に陥りました。残された家族たちはそれぞれの方法で折り合いを付け、長きにわたって自宅介護を続けてきました。しかしある日、20年もの時を経て母が突然目を覚まします。止まっていた時間が突如動き出したことで、家族が長い年月をかけて繕ってきた事情が次々と綻びを見せ、一家の日常は激しく揺さぶられていきます。

母親役を大竹しのぶさんが演じるほか、井上芳雄さん、伊藤沙莉さん、名村辰さん、江口のりこさん、高橋克実さんという名優たちが勢揃い。家族のぬくもりと残酷さを鮮烈に暴き出す、必見の家族劇になること間違いなしです!

シス・カンパニー公演『果てない~甦る母篇~』は、2026年11月7日(土)から12月6日(日)までシアタートラムで上演予定です。その後、12月10日(木)〜14日(月)に大阪公演(梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ)、12月18日(金)~20日(日)に愛知公演(穂の国とよはし芸術劇場 PLAT 主ホール)、12月24日(木)~29日(火)に福岡公演(クラフティア劇場、旧キャナルシティ劇場)にて巡演されます。詳細はこちらから。

劇団☆新感線46周年興行・冬公演  いのうえ歌舞伎『髑髏城の七人 LAST STAND』アクション、ロマン、笑いが凝縮された壮大なチャンバラアクション時代劇

1990年に初演されて以降、7年ごとにアップデートを繰り返し、日本演劇界の歴史を塗り替えてきた劇団☆新感線の金字塔『髑髏城の七人』。36年間にわたり11度の上演を重ねた伝説の舞台が、劇団☆新感線として最後の上演を迎えます。作・中島かずきさん、演出・いのうえひでのりさんの黄金コンビが、アクション、ロマン、笑いをこれでもかと詰め込んだ集大成となりそうです。

天正十八年、織田信長が討たれ、豊臣秀吉が天下統一に王手をかけた時代。しかし、天魔王の率いる「関東髑髏党」が反乱を起こします。その拠点・髑髏城から沙霧という少女が城の絵図面を持って逃げ出し、捨之介と名乗る男によって窮地を救われることに。信長を巡る因縁が交錯する中、捨之介は秀吉よりも先に天魔王を倒すため、巨大な髑髏城に立ち向かう闘いを始めます。

キャストには早乙女太一さん、塩野瑛久さん・藤岡真威人さん(Wキャスト)、早乙女友貴さん、柚香光さん、片岡千之助さん、桜井日奈子さん、近藤頌利さん、河野まさとさん、木村了さん、浜中文一さん、粟根まことさん、山口馬木也さんなど、世代を超えた精鋭が選ばれました。この冬は『髑髏城の七人 LAST STAND』が歴史に残る熱狂を生むことでしょう。

劇団☆新感線46周年興行・冬公演  いのうえ歌舞伎『髑髏城の七人 LAST STAND』は、2026年11月14日(土)から12月25日(金)まで新橋演舞場で開幕します。また、2027年1月21日(木)から24日(日)まで長野・ホクト文化ホール、2月8日(月)から14日(日)まで石川・金沢歌劇座、2月25日(木)から3月11日(木)まで大阪・フェスティバルホールで地方公演が実施予定です。詳細はこちらから。

舞台『キュー』「第二次世界大戦期」「現代」「700年以上先の未来」が交錯し、「わたし」という存在が揺るがされる

現代社会は、AIや高度な情報ネットワークといったテクノロジーの進化によって、現実と情報の境界線が急速に曖昧になりつつあります。舞台『キュー』は、「第二次世界大戦期」「現代」「700年以上先の未来」という3つの時代を交錯させながら、人間の記憶や存在の意味を観客に問いかける意欲作です。

心療内科医の立花徹は、製薬会社に勤める東藤恭子と出会い、高校時代に姿を消した同級生・渡辺恭子の記憶を呼び覚まします。「私の中には第二次世界大戦が入っている」という渡辺恭子の言葉の真相を探るうち、原爆投下の記憶を宿した少女と戦時中を生きた人間の因果が現代へと流れ込んできます。そして、3つの時代が交差する「世界最終戦争」の幕が開くことに……。

瀬戸康史さんをはじめ、有村架純さん、石田ニコルさん、井内悠陽さん、加治将樹さん、田中哲司さん、有川マコトさんら、豊かな表現力を持つキャスト陣が、複雑な時代の波に翻弄される人々を鮮烈に体現します。情報化の果てに人間は何を残すのか、胸に深く刻まれる衝撃作になるのではないでしょうか。

舞台『キュー』は、2026年11月15日(日)から29日(日)まで東京芸術劇場プレイハウスにて上演されます。その後、12月4日(金)から6日(日)まで大阪の梅田芸術劇場シアター・ドラマシティでも公演が行われます。詳細はこちらから。

ミュージカル『星影の人』-沖田総司・まぼろしの青春- 天才剣士・沖田総司と芸妓の恋模様をロマンチックに描く

幕末の京都を駆け抜けた新撰組一番隊組長・沖田総司の短い青春を、芸妓との純愛を軸に描き、宝塚歌劇で愛されてきた名作『星影の人』。珠玉のラブストーリーが、繊細な心理演出に定評のある内藤裕子さんの潤色・演出により、ミュージカルとして新たな息吹を吹き込まれます。

沖田総司は、幕末の京都で類まれなる剣の腕前を誇る、新撰組の若き天才剣士です。ある雨の夜、芸妓の玉勇と運命的な出会いを果たします。お互いに惹かれ合い、心を通わせていく二人でしたが、時代は倒幕へと大きく舵を切り、新撰組も過酷な運命へと巻き込まれることに。さらに沖田が不治の病に蝕まれ、刻一刻と迫る死が、二人の関係を引き裂こうとします。

刀を振るうことしか知らなかった青年が、「人を愛する温もり」や「別れの切なさ」を知っていく姿を丁寧に描く本作。原作では描かれなかった池田屋事件を大迫力の殺陣で表現するほか、感情の機微をより繊細に濃密に掘り下げ、観客の胸を震わせる人間ドラマになりそうです。

沖田総司役に岡宮来夢さん、玉勇役に華優希さんが選ばれたほか、岐洲匠さん、笹森裕貴さん、田村心さん、愛加あゆさんなどが出演します。ミュージカル『星影の人』-沖田総司・まぼろしの青春-は、2026年11月19日(木)から24日(火)まで東京国際フォーラム ホールCで上演されます。その後、12月3日(木)から7日(月)まで大阪・SkyシアターMBS、12月12日(土)・13日(日)に長野・長野市芸術館 メインホール、12月19日(土)・20日(日)に静岡・富士市文化会館ロゼシアター 大ホール、12月25日(金)から27日(日)まで愛知・御園座にて全国ツアーが予定されています。詳細はこちらから。

さよ

魅力的な公演ばかりですが、わたしは『果てない〜甦る母篇〜』を観劇する予定です!ずっと大竹しのぶさんと井上芳雄さんの演技を拝見したかったので、早くも期待で胸が膨らんでいます。20年ぶりに母が目覚めるというユニークな設定を、あの豪華キャスト陣がどう立ち上げるのか、客席で目撃するのが本当に楽しみでなりません!